イオニアの風

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著者 : 光原百合
  • 中央公論新社 (2009年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040443

イオニアの風の感想・レビュー・書評

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  • ああ、好きだなぁ好きだなぁこういう本!
    オデュッセイアでちょっと出てきただけのテレマコスとナウシカアから、こんな面白い冒険物語が生まれるなんて。神話を扱っているものが元々好きなのだけれど、神話をベースにオリジナリティのある物語を思い切り大胆に展開させていくところが素敵。登場人物の描き方も、個性豊かで生き生きとしていて、とても素敵。神様の立ち位置がまた、面白いのです。
    わくわくどきどき、久しぶりに胸が躍った。文庫化されているなら手元に欲しいかも…

    こういう神話ものって、神話に忠実過ぎるとただの解釈になるし、離れ過ぎると神様が神様らしくなくなる。これは本当に好みの塩梅。ストーリーは独自のものとして、神様と人間の関係性をルーツからしっかり描いているから、展開にすとんと納得できる。冒険物語にふさわしいラストも、すべてに救いがあるところも、好きだなぁ…!

    作者は「時計を忘れて森へ行こう」の人だと途中で気づく。小学生の頃に読んで、印象的な表紙とともに優しさにあふれた物語をおぼろに覚えている。他の本も読みたい。

  • ギリシアの神々と人間たちがまだ密接にかかわっていた頃の物語。神様たちがほとんどキャラクター化されていて、それだけでも面白く読める。アテナさまカッコ良すぎでしょう。アレス&エリスもなんだかんだで憎めない可愛らしさがある。
    人間たちにこれからも関わるかどうかを決める賭けの中で、ギリギリのラインで手出しをしようとあれこれ策を練る神々の様子がいい。メインは人間の戦争や恋や苦悩や冒険で、それだけでもじゅうぶん読ませると思うけど、全能のはずの神々が関わってくることでなぜかややこしくなる時もある、という複雑な面白さが生まれている。
    人間の中では、英雄の子という色眼鏡で見られてすっかりひねくれてしまったテレマコスがいい味。劣等感とプライドのせめぎ合いや、ナウシカアを守りたいという思いに自分でフタをして時々後悔したりと、その心情がリアルに迫ってくる。ドロ沼に陥りそうな冒険の中で、恋の始まりという初々しさがきらきら光って見えた。

  • 初めて読む作家さんの話でしたが、実に面白い。ギリシャ神話の神々って元々とっても人間臭く親しみやすい描かれ方をしてますが、この話はそれをさらに人間に近いものとして描いてます。人智を超えた存在ではあるのだけれども、その内面や行動パターンが極めて人っぽいところとか。ギリシャ神話を読んだことがある方なら楽しめる一作。文章も極めて読みやすかったのは、作者が女性だからか?
    オデッセウスの息子とナウシカアの冒険物語。それにギリシャ神々の思惑やらなんやら、神々の手では倒せない化物退治も絡んで・・・の冒険ものでした。

  • ギリシア神話をモチーフにした話。
    それぞれのキャラクターが生き生きしていて、読んでいてとても楽しかった。

  • ヘルメスがかっこよくて、アテナ様がクールかっこよくて、メデューサがドジっこメイドという中々な感じのギリシャ神話モチーフのおはなし。

    メデューサが可愛い。
    神話ではアテナとメデューサは険悪なんだけど、この話ではメデューサがアテナのメイドとして一生懸命奉仕するという仲の良さを発揮しており、アイギスの盾もメデューサがアテナの為に自らを差し出してつくられた。
    しかも最終決戦はこの盾でメデューサ因縁の相手と立ち向かうというもので、結構おいしいポジションのキャラだった。

    主人公はテレマコスとナウシカアさんなんだけどね。

  • +++
    偶然のいたずらで“意志”を得た人間たちは、長きにわたり互いに争い血を流し続けていた。時に罰し、時に救い、人間の歴史に介入してきたオリュンポスの神々は、ついに、人間に三つの試練を与え自らの道を選ばせることを決める。運命が用意した試練は、トロイア戦争を巡るふたつ。そして、強大な魔物を巡るひとつ―。人間の未来を拓くため、最後にして最大の難関に挑む、英雄の子テレマコスと美しき吟遊詩人ナウシカアの運命は!?神々の時代から人間の時代へと移りゆく世界を舞台に描く、壮大な愛と冒険の物語。
    +++

    ギリシャ神話に特段の興味があるわけではないので、読みはじめてからしばらくの間は実は、いつ本を閉じようかと思いながらの読書だった。だが、読み進むうちにいつしか気づかないうちに物語の中に惹きこまれていたようで、ページを繰る手が止まらなくなっていたのだった。神々の駆け引きも興味深いし、テレマコスとナウシカアの素直とは言えない者同士の恋の行方――有川浩さんが書きそうである――にも、ふたりを阻む幾多の試練とちょこちょこ顔を出す神たちの人間(?)らしさがなんとも言えず興味深いのである。壮大でありながらとても身近に感じられる一冊だった。

  • ケルトに続き、ギリシア神話をモチーフにした光原さんのファンタジーもの。
    「時計を忘れて~」みたいな爽やかミステリも好みだけど、こういった神話物も面白いなぁ。
    今回も、キャラクターもストーリーもバランス良く、安心して読み進められる作品になっていました。
    しかもこの本に、トロイア戦争の雄者・オデュッセウスと、放浪中の彼を救った王女ナウシカアが登場するんですが、ちょうど話を読み始めた日の朝刊広告に「王女ナウシカがオデュッセウスを救うために使った植物・イモーテルを原料に使った化粧品」がロクシタンから新シリーズとして登場してたんですよーーー!
    え、何このシンクロ。
    しかも翌日銀座に用があったしさ。
    速攻銀座のロクシタンショップに走ったよ。
    ただいま、毎日のようにイモーテルのローションを顔にペタペタ塗りつつ、ヘルメス神(オデュッセウスはヘルメスの子孫)のような美肌になりますよーにと願掛けしておりますww

  • ファンタジー関連は
    年をとっていくと
    どうも苦手になっていくものです。
    そう、ハリポタとかも苦手でして…

    この作品はそんな苦手な私でも
    面白く読むことができました。
    ベースになっている物語が
    ギリシア神話が関連しているので
    難なく最後まで読むことができました。

    もちろん神々の賭けに
    翻弄されている人間も
    非常に見るべくところはたくさんあります。
    だけれども神々も負けてはいません。
    そう、エリスなんかは人間にこういうのが
    いる…と思えるぐらい人間くさかったですし。

    見所はやはり
    二部のほうです。
    テレマコスとナウシカアの
    若者らしいやり取りには
    ちょっとほほえましさを感じましたね。

  • Wow, this is probably my most favorite retelling of Greek Mythology! I can't believe how well written this was! This is exactly the type of story that I absolutely LOVE to read. Adventure, romance, thrill and occasional humor. It's the best thing to read about.

    It really is fascinating to read Greek myths written from a Japanese perspective. Maybe her (the author's) writing is a little more romantic than the way I've read Greek myths here in America, but I still loved it.

    I loved just about everything about this book. I was so sad when it ended! I wanted so much more! I loved a number of characters including the gods and of course my favorite couple, テレマコス and ナウシカア. They were made for each other.

    And I think it's safe to say that the best Greek god is ヘルメス. What a babe.

  • 人間は神から自律した存在となったのだと、凛と背筋を伸ばしたくなる物語でした。

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イオニアの風の作品紹介

偶然のいたずらで"意志"を得た人間たちは、長きにわたり互いに争い血を流し続けていた。時に罰し、時に救い、人間の歴史に介入してきたオリュンポスの神々は、ついに、人間に三つの試練を与え自らの道を選ばせることを決める。運命が用意した試練は、トロイア戦争を巡るふたつ。そして、強大な魔物を巡るひとつ-。人間の未来を拓くため、最後にして最大の難関に挑む、英雄の子テレマコスと美しき吟遊詩人ナウシカアの運命は!?神々の時代から人間の時代から人間の時代へと移りゆく世界を舞台に描く、壮大な愛と冒険の物語。

イオニアの風はこんな本です

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