動機、そして沈黙

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著者 : 西澤保彦
  • 中央公論新社 (2009年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040450

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動機、そして沈黙の感想・レビュー・書評

  • 6つの短編。
    ちょっとホラーっぽかったり、レズビアンだったり、性的倒錯であったり、異質な要素が盛り込まれ、それぞれの話の登場人物が妄想し暴走して、あらぬ方向へ進んでしまったような印象を受けました。人間の簡単ではない複雑な心理が動機に繋がっていくのでしょうね。

    「ぼくが彼女にしたこと」は夜にフラフラ出掛け覗き見できてしまう中学生の少年という主人公に”それはないだろう~”と突っ込みながら、事件に対して意外にマイペースに対応してしまう少年に可愛らしさを感じてしまいました。
    「未開封」はわかりづらい展開だけど、心理的に深い部分を捉えてるのかな。
    他の話も全体的に無理がある設定に突っ込み、なかなか読めない難解な登場人物の名前に手こずり、性描写だったり変態的な性癖の描写の濃さが軽く気持ち悪さを感じさせます。

    表題作の「動機、そして沈黙」は老いた夫婦の会話から進んでいく推理。ゾクリとするラスト。一番面白かったかなと思います。

  • つくづく西澤さんは肉食系ミステリだ。謎がすっきりとは解かれず、リドルストーリーめいてもいる。

  • 狂っている感じがじわじわきます。
    迷い込んだ死神と九のつく歳が怖、と思いました。
    単に犯罪だけでなく心の深層に迫るところ…自分も誰しもそんな一面を隠してるかもという狂気の世界に魅せられます。

  • 少々レズビアン系多し?
    どれも不思議系世界な感じで、でも嫌いではない。
    すっきりしない感じがいいのかしらん。

  • バラエティある灰汁

  • 第一ノンシリーズ短編集「パズラー」とは異なった味わい。非常に危うい短編集。というのも最終的に出てくる絵が異形。妙にスプラッタやエロティックな話を、突然、一転して偏執的な論理を挿入して絵を紡いで、読者を突き放すような幕切れで締める。暗黒西澤方面、奇妙な味の短編集と受け取るのが一番楽しいかもしれない。
    「ぼくが彼女にしたこと」
    割とオーソドックスな西澤短編だと思っていたが、ストーリー展開がかなり複雑。どこに落ちるのかと思いながら読んでいた。利己的に自覚的になっていく少年。父親に対する彼女の感情を肯定しながらも、彼女<自分の生活と割り切っていく少年像が非常に厭ミス好きには面白い。
    「迷い込んだ死神」
    家族に裏切られ死のうとした男が辿り着いた館で出遭う怪異。いったいこいつらはどうしてこんな準備があったのかと思いつつ、クローズアップされるのは動機。まるで憑きものに遭ったかのようにフラッシュバックする「顔」を描くのは面白い。
    「未開封」
    こんなストーリーも書けるのか、と正直驚いた。一方でわからない人はわからないで良いと突き放した感じのフェティシズムが炸裂。
    「死に損」
    犯人も何故殺したのか思い出せない。動機を探る話が過去へ転がっていく。
    死に損だったのは誰か。主人公の母だったのだろう。実はこの人はこういう裏があって、とどんどん変化していく局面が面白い。最期は西澤流の飛躍論理に落ち着くのかと思ったのだが、透かし投げを受けたようなラストで腑に落ちるようで落ちない感じが味。
    「九のつく歳」
    筒井康隆「鍵」に近いかもしれない。ストーキングする老人。自分が殺した相手の事を忘れて同棲していると思い込む主人公。一枚一枚薄皮を剥がした後には膿んだ傷が封じられている。
    「動機、そして沈黙」
    時効の迫った連続殺人事件の話をする夫婦の話。犯人はわかりやすく提示されている気がする。しかし、動機がわからない。あれだけおおっぴらに書かれていたのに。犯人の中に生じた転嫁が面白い。そして、犯人は語らない。

  • エロ、フェチの特殊指向にちょっとついていけなかった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/12332644.html

  • ちょっと気持ちの悪い短篇集

  • 読み物としては普通におもしろかったです。
    私もがんばろうっと。

  • 短編ミステリー集。会話文を中心にミステリーが「語られる」感じの文体。まあまあ面白い。

  • (収録作品)ぼくが彼女にしたこと/迷い込んだ死神/未開封/死に損/九のつく歳/動機、そして沈黙

  • 西澤さんらしさが全開で、ある程度西澤さんの作品を読んでる人はありがちと感じてしまいそう。こういうフェティシズムを取り扱った作品、西澤さん多いよな~。

  • 初めて西澤保彦を読んだと思ったら、著作リストに「収穫祭」があった。あれは酷かった。酷いと言うより、エログロ描写を我慢してずっと読み続けてたのにラスト「どこにいくんかいっ!」と力が抜けて笑いが出てしまった事を思い出し、この本の内容がするする抜けていきました。すみません、最後の話は良かったけど、他は覚えてません。

  • 懐かしい話(西澤保彦目当てでアンソロ見漁ってた)がチラホラ。
    「動機、そして沈黙」の周到さと「迷い込んだ死神」のどん底っぷりが好きだ。

  • 独特な性癖を持つ人達が主人公の短編集。
    ちょいと変態ぽい。
    私はそこまでグロく感じませんでした。
    この本はとても読みやすかった。

  • 個人的に良かったのは「ぼくが彼女にしたこと」と「動機、そして沈黙」かな。「ぼくが~」は主人公が珍しく少年だったのに驚いたのですが、やはりと言うべきか、老成した少年でした(笑)ラストの小気味良さが好きです。「動機、~」は何となく予想出来るような展開の物語なのだけれど、最後の最後が何とも言えず怖い!

    確かに西澤作品「らしさ」が詰まっています。西澤作品を読み慣れていない方には、あまりオススメ出来ないかも…?

  • 読了、75点

    西澤保彦らしさの一面が色濃く出ている短編集、主にエロティズムやらフェティシズム辺り。
    『七回死んだ男』やチョーモンインシリーズから入り、SF設定系統の作品が好きな私としましては、
    エロティズム、フェティシズムは物語のアクセントとして楽しむ分には結構好きですが、それを全面に出されてもどうかなぁ、ということでこの点数。
    やっぱ設定とロジックに凝ってるのが読みたいんですよねと。

    本作品を読んだ上で思ったのは、
    自分を中心に世界を、あるいは社会を見渡した場合、もちろん嫌なこと悲しいことがあるんですが、幸いにも小説の題材になりそうな事件とは無縁ではありますが、
    自分の周りの嫌なこと悲しいことがちょっと道を誤れば殺人事件に発展しそう、とそんなことを考えさせられました。
    とまぁ日常のすぐ外側にある非日常の描き方はやっぱり上手かったです。

    印象に残った短編としては、
    発刊時期を見て、えっ?また交換殺人と思った「ぼくが彼女にしたこと」と
    きっと西澤さんなら1冊の小説として何か大掛かりな仕掛けをしてるだろうと期待をしながら読み始めた最後の短編で表題作の「動機、そして沈黙」、期待通りだったか裏切られたかは読んで確認して下さい。

  • あとがきで本人が書いていた「西澤保彦的な灰汁」に、なんとなく納得。百合とか、偏執さとか、エロとか、あと最近よくキーワードに使われる介護問題だとか、西澤さんっぽさが盛り込まれている。どの話も特別印象に残る話ではなかったけれど、どの作品にも共通するいや~~な後味の悪いかんじは、印象に残る。現実にも、そんなことで人を殺すのこか、と驚くような事件はたくさんあるけれど、この作品では、殺されるに至った過程に人間の狂気さを感じ、ある意味、そんな理由で殺されちゃったの?って驚くことが多かった。

  • 「夢は枯れ野をかけめぐる」を読んだ後だっただけに、表題作がきつかったです。でも、一番おもしろかったのも表題作でした。

  • 新旧短編集のためバラツキあり。定価出しては読まんやろなぁ

  • 短編集で、どれもこれもがうわぁ…な終わり方をしています。
    結局あなたは何者? という人物も出てきたりしますが
    全体的には納得できる終了。

    本当はこうなんじゃないか、ああだったんじゃないか。
    またしても色々な推測が飛び交って終了しますが
    よくもこれだけ想像できるものだなと関心してしまいます。

    どれもこれも、執念というものはすごいと
    感じさせてくれるものでした。
    一番最後なんかは特に…w

  • 「動機、そして沈黙」 西澤 保彦さん ★★


    絶対、「あとがき」から読まないで下さい!西澤的、殺意のスイッチ。エロティシズム、フェティシズム、ロジック―ミステリ界の奇才の「すべて」を凝縮した作品集。特別書き下ろし中篇「動機、そして沈黙」収録。 (「Book」データベースより)



    確かに「灰汁が出ている・・・」のかもしれません。

    西澤さんは「身代わり」を読んだのですが、それとはまた違った雰囲気の本になっていると思います。

    エロティシズム・・・・う~ん。必要か??とか思っちゃうような描写があるけど、だから??なんだ??って感じで、必要なのかな~とか思っちゃいました。



    短編集で、同じ名前の人か出てきますが、関係ないそうです。

    私は「動機、そして沈黙」が好きでした。こわ~って感じです。

    それまでのがいまひとつピンとこなかったので、この動機・・・・はやっとちょっとおもしろいなって思ったですね。

    さらさら読めますが、あまり頭には残らなかったです

  • グロいのは苦手。

  • 全体的にブラックな味わいの強い短編集。後味の悪いものも少なくないのだけれど。こういうのが好みな人にはたまりません。「西澤保彦的な灰汁」がまさしくたっぷり。ただし、一気に読むと胸焼けを起こすかもしれません(笑)。
    お気に入りは「未開封」。かなりホラー的な雰囲気で好きです。でもこの心理って分からないでもないのですが。積ん読本を並べて、うっとりとしてしまうのに似ているの、かも。
    「動機、そして沈黙」も良いです。これは一番ミステリ的な物語。真相は確定されませんが。だからこそなお、怖い話。これは知るのが良いか、知らないのが良いか。

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