これでよろしくて?

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著者 : 川上弘美
  • 中央公論新社 (2009年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040573

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これでよろしくて?の感想・レビュー・書評

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  • 2013年12月19日読了。
    川上弘美の「ちゃんとインパクトがある設定」のお話(自分内カテゴライズ)
    「これでよろしくて?同好会」のおもしろみと、夫婦の絶望と希望が絶妙。

  • やさしい雰囲気に、茶目っ気と毒も持ってる。
    川上弘美さんの世界がわたしの理想かも。
    淡く柔らかいけど、弱くない。消えない。ずっとある自信がある。
    こんな風にゆらゆらと展開していく物語に住みたい。
    「これでよろしくて?同好会」がすてきです。

  • うん、よろしい。

  • この本はすでに文庫になってるらしいが、おもしろいと聞いたので、図書館で単行本を借りてくる。川上弘美を読むのは久しぶりな気がする。

    日々の自分の足跡をたどってみると、"買いもの道"は、まるでけもの道のように、決まりきった道筋になるなあという菜月だが、その考えごとは、あっちこっちに飛ばそうと思っているわけではないのに、すぐ横っちょにずれていく。「油断していると、知らない間にわたしはどんどんいろいろ連想してしまうのだ。そうすると、最初に考えていたことは、自然にどこかにみえなくなってしまう」(p.5)という菜月。

    ある日、買いもの道の途上で、菜月は土井母に声をかけられた。土井母とは、そのむかしつきあっていて振られた男の子の母である。

    土井母は「あたしの入っている会に、一緒に来てみない」と菜月を誘い、(え、勧誘?)と身を硬くする菜月に『これでよろしくて? 同好会』という名刺大のカードを差し出した。

    菜月はこの同好会に結局参加する。この同好会で扱われる議題がおかしい。集まっている人も、とりどり。土井母が「この人は、結婚正社員、という職業の人だから」という人がいたりする。その土井母は「あたしの結婚はアルバイトみたいなものだけどねえ」と言うのだ。

    「これでよろしくて? 同好会」は、せっせと食べながら、合間に大いに喋る、という体の集まりのようだ。
    ▼土井母は目を輝かせて喋っている。妹尾香子も。立木雛子も。そして、わたしも。「論議」は、尽きなかった。…
     結局わたしは、『これでよろしくて? 同好会』の三人と一緒に、オムライスとメンチカツ、それに追加注文した海老コロッケとポークソテーをぱくぱくたいらげ、デザートのケーキまでしっかりと食べてきたのだった。(pp.35-36)

    次に参加したときには、前回の面々に加えて、「四回結婚しているのよ。それで、お子さんは五人。みんなお父さんが違うのよね」という八戸みずほが来ていた。

    ▼いったいこの『これでよろしくて? 同好会』は、どんな基準で会員を集めてくるのだろう。最初から不思議に思っていたのだけれど、八戸みずほの来し方を土井母から聞きながら、わたしはその感を深くする。年齢も、ばらばら。仕事で知り合った、というようなわけでもなさそう。だいいち、それぞれの女のひとたちの持つ雰囲気が、まるで違う。服装も、お化粧の感じも、たたずまいも。(p.57)

    菜月の考えは、『これでよろしくて? 同好会』の議論を聞きながら、ときどき横っちょにそれて、夫の光の言動を考えてみたりする。家には、光の妹の郁がしばらく居候に来たあと、郁と入れかわるようにこんどは義母「ママン」が転がり込んできた。それで菜月は、「家族」というものを考えたりもした。

    『これでよろしくて? 同好会』の議論にしろ、家でいろいろ考えるにしろ、この菜月があれこれとめぐらせる「考え」が律儀に書いてあるようなところが、そこはかとなくおもしろい。

    ある日のママンとの会話で、菜月は「家族」ってこんなものだったか、と思う。
    ▼不思議や不思議、敵のチームにいたと思いきや、いつの間にか「ママン」は、わたしのチームの一員となっているのだった。
    (この感じ。この感じが、「家族」なんだ!)
     わたしは思う。
     敵でもある。味方ともなる。時には観客となって、声援を送る。反対に野次をとばす。そしてまた、審判となって厳しい宣告をおこなう。また、温情あるジャッジをくだす。うぐいす嬢にもなる--たぶんそれは郁だ。球場をとびまわるビール売りやお弁当の売り子にもなってみせよう。
     しかして、それらいりまじりあって、役柄をくるくる変えあって、出たりひっこんだりして、変幻自在に試合をすすめてゆく者たちの実体は。
     それこそが、きっと「家族」なのだ。
     家族。血のつながった者もつながらない者も、仲のいい者もあまりよろしくない者も、それぞれがそこにいて、ごちゃごちゃと存在しているもの。
     家族とは、おそらく、そういうものなのだ。(pp.206-207)

    菜月は、『これでよろしくて? 同好会』に参加して、自分があまり何も考えずに選んだ道のことなどを、あらためて考えたのだろう。そして、雷に打たれたように気づいたことがある。

    ▼そうだ、わたしは、だんだんにわかってきてしまったのだ。この一年間のあれこれでもって。
     時が、わたしたちを変えてゆくということ。場所をうつることが、わたしたちを変えてゆくということが。人に会うことがわたしたちを変え、人と別れることがわたしたちを変えてゆくということが。変わりたくなくとも、変わるつもりがなくとも、情け容赦なく、わたしたちは変えられてゆくということが。
     今いるわたしは、もう結婚前のわたしじゃ、ないんだ。
     光と恋愛していた頃のわたしじゃ、ないんだ。
     一年前のわたしですら、ないんだ。
     今ここにいるわたしは、今だけのわたし。(p.305)

    分類上はぜんぜん違う方面の本なのだろうが、この小説は、私にとっては、こないだ読んだ『ヘンな美術史』のようなインパクトとおもしろさがあった。

    (3/26了)

  • これは、「ガールズトーク」「女子会」「井戸端会議」レベルのお話。
    ひょんなことから集まった、これでよろしくて?同好会。
    どうでもいいような議題を出して、討論する会。
    これは、「ガールズトーク」をわざと会合化したようなもの。
    なかなか興味深い。

    それに、
    どうして「好き」っていう気持ちにたどり着くまで、
    遠回りして、迷路のような道を通るくらい時間がかかるんだろう・・・。
    川上氏が書く、この遠回りが気持ちよくて好きなんだけど。
    クセになるね。
    クセがあるから、馴染めない人は馴染めないだろうな。

  • 再読。
    というか、初読時に二回続けて読んでいるので三回目、かな。

    いいなぁ、川上弘美さん!(*^_^*)
    大好きです。

    芯にちょっとだけ人と融解しないものを持ちながら、日常では淡々とことを荒立てずに主婦生活をおくっている主人公・菜月。すぐに思考があっちこっちに飛んでしまうので、「最初に考えていたことは、自然にどこかに見えなくなってしまう」という長所(*^_^*)とも短所とも、女ってそんなもんよ、とも言える傾向を持っている。

    そんな彼女が、元彼の母親から、なぜか「これでよろしくて?同好会」というものに誘われ、年齢も職種・境遇のバラバラな女たち数人と、食事をしながら、一応テーマを決めるものの、ただしゃべる、という月に一回持つことになる。

    会のメンバーがみんな、とんがりすぎずに、でも個性的であるところがとてもいいです。
    こんな場合って、なんか、すっとんきょうだったり、好戦的だったり、という女が出てくることがあって、それにはちょっと違和感が大きかったりもするんだけど、なるほどねぇ~~、とか、いやいや、そうくるか、(笑)とか、素直に思え、また、菜月がしばらく経ってから気付く、この人たちは“食えない”人たちなんだ、という捉え方もすっごく好き。

    婦人公論連載ということで、夫・光や姑・ママン、小姑・郁などとの。お決まりのあれこれ、ぐちゃぐちゃも出てきて、初読時には、もう駄目かも…とリタイヤしそうになったのだけど、再読の特権(*^_^*)で、そこにはうんうん、という着地点が用意されていることを知っているから、始めから最後まで、ずっと楽しんで読めた。

    菜月が心の中で思うこと、会のメンバーが口にすることには、これが絶対の正解! という押しつけがましさがなくて、そこがまたいいんだよね・・。
    夫婦の中には「おばけ」が存在する、とひとしきり盛り上がった後で、でも、そのおばけって案外、ホントにいるんじゃないか、となったり、その流れから、実は会のメンバーは皆、おばけで、菜月が「色々わかってしまったから」消えるね、なんて言われて、えっ?このお話にはホラーが入ってたの?なんてドキッとしたり。

    印象的などこかのフレーズを丸々引用しておこうかと思ったのだけど、一冊丸ごと引用したくなると同時に、引用しちゃうとなんか味わいが薄れているような不思議な気分・・・。

    これは、昨日、新幹線で横浜の長女の所に日帰りした時に車内で読んでいたのだけど、ふわふわした所のある菜月になんかいいものをもらった、という感じがとても嬉しかったです。(*^_^*)


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    2009年6月
    う~~~ん・・・・。
    ただ今、一回目を読み終わったところ。

    主人公の主婦・菜月が日ごろ思っていること、またひょんなことから関わることになった「これでよろしくて?同好会」でのおしゃべりはとっても食えなくて(#^.^#) 面白かったんだけど、合間に入る菜月の身辺の話が、いかにも婦人公論連載、といったノリの、無邪気に押しの強い姑・小姑、優柔不断な夫、といった、私の涙が出るほど苦手な人たちのあれこれで、もう、コワいやら、辛いやら。
    菜月がどんな状況に追いやられるのかが見えなくて、よっぽど途中でやめようと思ったくらい・・。ここらへんの話はあんなに膨らませなくてもよかったんじゃないかなぁ。

    でも、菜月の言う、主婦のけもの道=「買い物道」という発想からしてコツンと面白くて、また、ファミレスで月一回交わされる議題を決めたおしゃべりは、かなりのツボ!「パンツ問題」(セックスで脱いだパンツをいかなる具合にまた身につけるか)とか、「機嫌のよすぎる男問題」(いつも機嫌よく人の話を聞いてくれ的確な反応をくれるけど、それはどこかで見たようなものであること。で、自分の話はしない。我慢しているのか、しんから何も考えていないのか。気持ちがここにあるのか、実のところはひたすら冷淡なのをひた隠しにしているんだか。)なんて話を、ほぼ固定メンバーの5人ほどでしゃべる、しゃべる。結論を出そうとは思っていないし、メンバーそれぞれの個別事情は、あまり明らかにされないという、あっさりした間柄なのも、面白い。彼女たちの隣のテーブルに座った女の子が興味津々で話を聞いていたという描写があったけど、私もそんな女の子の気分になって、ふんふん、とね。

    一筋縄ではいかない議題がたくさん出されて、また、メンバー個人の背景も実は結構面白かったり、だったので、これからもう一度読み直すつもりです。あの姑・小姑・夫が出てくる場面も結果として、そんなにひどいことにはならなかったので、今度は落ち着いて読めるはず。全く、やれやれ・・ですけど

  • 結婚して2年半、日々の暮らしは幸せだけど、何となくもやもやしたものを抱える主人公菜月。
    ある日、買い物の途中で、元カレのお母さんに会い、『これでよろしくて?同好会』という名の、ちょっと不思議な集まりに誘われる。

    川上弘美さんらしい、ゆるくて、不思議な、でも、とても現実的なストーリー。
    これでよろしくて?同好会は、近所の奥さまの井戸端会議のようでもあり、でも、利害関係のない集まりでもあり、
    先輩主婦の本音が聞ける場ってとても大事だと思っているので、うらやましい集まりだなと思います。
    参加したい‼
    文中にもあった”くえない、大人たち”、そこがいいのでしょうね。

    そうそう、菜月がみつけた『家族』の定義、
    〈敵でもある、味方ともなる。時には観客ともなって、声援を送る。反対にヤジを飛ばす。そしてまた、審判となって厳しい宣告をおこなう。また温情あるジャッジを下す。…それらいりまじって、役柄をくるくる変えあって出たり引っ込んだりして試合を進めていくものたちの実態〉
    すっごく分かるな~と。
    なんだか、じーんとしたところでした。

  • 図書館で借りた本。

    結婚8年目、子供なし専業主婦の菜月は、毎日決まった道順で、決まったお店に寄って買い物をすることにある日気がついた。そのいつもの「買い物道」で立ち寄った、いつものお花屋さんで出会ったとある婦人に声をかけられ、相手が元彼の母親だと知る。
    その婦人に誘われて入ったのが「これでよろしくて?同好会」。そこでは、毎回議題を決めて、それについて議論をする会だった。

  • ぜひ入りたい『これでよろしくて? 同好会』。
    「よろしくて」の言葉の響きがたまらーん。
    同好会メンバーの年齢もまちまち、境遇もそれぞれ違っているので意見もバラバラで揉めそうにない。
    他人の話として聞きながら自分のことに置き換えてみたり。
    また、美味しそうに食べながらの会だしなぁ。

  • 女性の無駄話満載の本。「これでよろくて同好会」の面々が日常の些細過ぎる出来事を議題に掲げ、皆で論議します。
    さばさばしていてちょっとだけ俗っぽく、あけすけに語り合う女性たちの意見は、押し付けがましくなく共感します。言葉にしにくいところを文章化していて視点も細かいです。
    完全に女性向け。男性が読んでもつまらないかな。

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これでよろしくて?の作品紹介

上原菜月は38歳。結婚生活にさしたる不満もなく毎日を送っていたのだが…。とある偶然から参加することになった女たちの不思議な集まり。奇天烈なその会合に面くらう一方、穏やかな日常をゆさぶる出来事に次々と見舞われて-。幾多の「難儀」を乗り越えて、菜月は平穏を取り戻せるのか!?コミカルにして奥深い、川上的ガールズトーク小説。

これでよろしくて?の文庫

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