SOSの猿

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040801

作品紹介・あらすじ

ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空-救いの物語をつくるのは、彼ら。

感想・レビュー・書評

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  • 2023/11/26読了
    #伊坂幸太郎作品

    あらすじとか感想とか何書けば、、
    っていうくらい
    なんだかよくわからないストーリー。
    現実と妄想を行ったり来たりで
    置いてけぼり食らった感がある。
    伊坂ワールドなのかもしれないけど
    自分には合わない感じだった。

    ゴールデンスランバーとか面白かったんだけどな。

  • 嫁と結婚してから
    ちゃんと許可をとって購入させていただいた本

    当時はハードカバーを
    持ち歩くのが億劫で、仕事から
    帰ってきて居間で寝転びながら読んでいた。

    いやぁ〜
    コレが、何度読んでも理解できず
    何度も最初から読むのだが進まない
    いつも同じところで眠気が…
    また、職種が同業の話だったので
    なんか暗い気持ちに…

    伊坂幸太郎ファンなのに途中で挫折…
    これがまた悔しく
    時の流れを感じて…

    数年後文庫でようやく読み終えた。
    しかも、まぁまぁ良かった(偉そう)

    コラボやお題を設けての作品だった様です。
    でも、この手の企画は
    あまり好みではない。

  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」を逆回転させたようなお話。エクソシスト、西遊記、ユング心理学など設定は興味深かったが、引きこもりが悪化した眞人がこんなにすんなり他人と会ってはくれないだろう。
    主題のため、いつもの軽妙さを抑制した結果、ということか...。

  • 伊坂さんらしい作品でした。
    不思議すぎる人たちばかりが登場してきます。
    私の話と猿の話が全く接点がなかったのが、だんだんとつながりが見えて、最後には解決へと向かうというところは、思い返しても素晴らしいの一言につきます。

    伊坂さんでないと、書けないような以下のフレーズに笑ってしまいました。どんなシチュエーションか気になった人にはお勧めの本です。
    「また話が逸れた。本筋に戻る。物語とは、気づくと脇道に入っているから恐ろしい。」
    「話の続きだ。おまえたちもよくよく物好きだな。また来たのか。」
    「まだ聞きたいのか。物好きだとからかうのも面倒であるから素直に話を続けるが、それにしてもおまえたちは物好きだな。」

  • 読み進めるのに時間がかかった、と書けば大体理解してもらえると思う(少なくとも自分には)。
    あとがき読んだらほかの人とのコラボ作品みたいなことが書いてあったのでちょっと納得。

  • 少なくとも、これまで読んだ伊坂作品(殆ど全部だけど)の中で、本作が一番好きじゃないのは間違いない。彼の作品中、こんなに読みづらく感じたのは初めて。いつもの流れるような文章運びはどこへ?本サイトにおける採点を含め、良い評判を聞かなかったから、これまで避けてきた本作。でも、他の諸作品が軒並み好きな自分なら、きっと楽しめるだろうっていう思いがあった。所詮、いちファンではあっても、マニアではなかったってことやね。でも悔しくて、読みながらなぜ面白くないのかを色々考えた。で思い至った理由の一つは、漫画とのコラボ作品だからっていう点。テーマに制限がかかる分、自由気ままに書ききれなかったのでは?あと、理由1とも絡むけど、心理学と西遊記っていう本作のテーマを、本当はあまり好きじゃないのでは?で、必然的に咀嚼不十分になってしまい、中途半端な出来になったんじゃないかとか思ってしまいました。満点をつけたかったんだけど、残念。

  • ・「何がですか?」と眞人君が訊ねる。
    「何かだよ。大事な石みたいなものだよ。目に見えない、石」
    「隕石じゃなくて?」
    「それでもいいよ」雁子さんは歯を見せた。「で、私たちが歌をね、このメロディをハーモニーを発すると、あそこの石が、聴いてる相手に落ちてくるのよ」


    ・「分かんなくてもいいけど、とにかく、わたしたちは、聴いてる人に自分たちの歌を届けようとは思ってないわけ。ましてやメッセージを押しつけようとも思わないし。絵描きの絵とかも一緒じゃない?テーマとか意味とか質問するのに意味はないのよ。かと言って伝えたいことがないわけじゃなくてね。隕石としか言いようがないけど、わたしたちの歌はね、空からでっかい石を導くのよ。聴いてる人の胸にその隕石をぶつけるの」


    ・「いっそのこと」母が真面目な顔で「『妻と子供は遠い宇宙に置いてきているんだ。僕は、地球に単身赴任で来ているだけだから、そのうち孫に会わせてあげられるよ』とか言ってみたらどうなの」などと提案してくる。


    ・さて、人間の中には相反する二つのものが存在している。正義と悪であったり、「愛されたい」という思いと、「束縛されたくない」という感情であったり、もしくは、特定の人物に対する尊敬とライバル心であったり、だ。その相反するものが心の中でバランスを取り合い、自我を支えている。


    ・「人の無意識は、世の中の出来事や空気のようなものの影響を受けることがあるんだと、私はそう思うんです。作家や漫画家、画家や音楽家の生み出した作品が、意図したわけでもないのに、近い未来の世相を表現していたということはよくあります。それは、人の無意識が、何か社会の事柄から影響を受けている証拠に思えます」


    ・「物語を考えることは、救いになるんですよ」とわたしは言う。言わされているのだろうか。という疑念は依然としてある。「たとえば、二度と会えない誰かが今どうしているのか、最後まで見届けられなかった現実がその後どうなったのか、そういった物語を想像してみると、救われることはあるんです」

  •  子どもの頃憧れていた、一回り年上の「辺見のお姉さん」に呼び出された遠藤二郎。しかし、彼女はすでに40を過ぎ、くたびれた様子でかつての面影はなかった。そのはず、聞けば彼女の息子は20代で「ひきこもり」状態だという。家電量販店に勤める二郎が副業でカウンセラー的なことをやっていると聞き、力になってほしいのだという。しかし、二郎の仕事はカウンセラーではなく、悪霊を追い払うエクソシストなのだった…。 

     ↑ここまで読むと変な話。でも伊坂さんとなると、わくわくして、さくさく読書が進むから不思議です。物語は遠藤二郎が語る悪魔祓いの話と、孫悟空なる「猿」が語る品質管理部の五十嵐真(証券会社のトラブルの原因調査をしている)の話と交互に進んでいきます。そして、2つの話が1つになったとき、今までのあれこれが、ストンストンと落ち着いていき(ある程度察しがつきますが)あとは一気にラストへ…

     伊坂さん初心者には、あまり薦められないけど、ファンは一読あれ。個人的には「母」対「息子」のシチュエイションに感じる部分がありました。

  • 伊坂ワールドらしい、ぐいぐい引っ張る展開。
    あちこちちらかしたと思ったら、今度はどんどんつながってゆく。
    おもしろいなぁと思っている間に読み終わってしまう。
    今回も例外にならず・・・。

    でも、ちょっとわからなかったなぁ。
    この人、登場する必要ある??とか。
    西遊記もざっとしか知らないから、いまひとつ???のところも・・。

    相変わらず、世の中がっちりつかんでいます。
    そんな話題豊富さに感動します。

  • 作中にも、「人間には善悪両方の感情があり、綱引きしている」とあるように、人間の相反する感情が物語の軸になっている。
    しかし、重苦しさは感じさせない点に、伊坂さんらしさを感じた。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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