- Amazon.co.jp ・本 (771ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120040900
感想・レビュー・書評
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発売後すぐに買った本なのに。
なんでこんなに読むの伸ばしたんだろう。ほぼ4年前だよ!
でも読み始めたら一気読みだった。
こんなに厚い本なのに、すごく読みやすいんだよなぁー。
京極さんマジック。
いつも何かが欠けている気がする青山家当主、青山播磨。
自他共に莫迦と思っている空を見るのが好きな娘、お菊。
褒められたい一心の青山家側用人、十太夫。
部屋住みの遠山主膳と青山家の中間、權六。
お菊の幼なじみ、米搗きの三平。
手に入る欲しい物は必ず手に入れる播磨の嫁候補、吉羅。
6章ごとにこの順で主観が入れ替わり、話が進行していく。
番町皿屋敷。
面白かった!けど、お菊がいい子で最後がちょっと切なかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少し期待しすぎたかな。覗き小平次や嗤う伊右衛門の方が好き
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シリーズの他ニ作がとても良かったので、
かなり期待していたのですが、イマイチだったように思います。
まず頁数がかなり多いですが、
数えるとか数えないとか、足りるとか足りないとか、同じような内容の繰り返しが多く、混乱しました。
登場人物は、主人公であれ悪役であれ、どこか自分とかぶるような部分があり、親しみが持てました。 -
番町皿屋敷をモチーフにした話で、巷説百物語の登場人物も出て来ました。
嗤う伊衛門と同じ世界観の話です。
番町皿屋敷ってオーソドックスな怪談なのだけど、見方一つでこんなにも変わるのかと驚きました。
嗤う伊衛門で感じた事がそのまま蘇ってきます。 -
とっても分厚い本なのですが、わりとすぐに読めてしまいました。
菊のようにまっすぐでありたいけれど、こういう人は、昔も今も、きっと生きづらい思いをしているんだろうなあと思います。
本のデザインもおもしろいですね。 -
「嗤う伊衛門」「のぞき小平次」と同じ江戸怪談シリーズの一冊なのだが、他のは少しは爽快感や仕掛けがあったのに、今回のはただ物哀しく、すっきりもしなくて一番面白くない。京極作品だから期待値が高すぎたのか。再読はしないと思う。
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「番長皿屋敷」がこの希代の語り部の手にかかるとこうなるか。しかし、ちょっと不満がないでもない。なので減点。並みの作家なら高望みというものだろうけれど。
なんとも虚無的な前半。「人は何をどうしようと、何も、何一つ思い通りにすることは出来ぬ。どれだけ天を睨んでも、雨一粒降らせることは叶わぬのだ。」
目録を見たときはどういう構成になっているのかわからなかったが、この悲しい物語りにそれぞれかかわりをもつ6人、播磨、菊、十太夫、主膳、三平、吉羅の挿話が順に繰り返されてゆく。と、意外なところに又市登場。懐かしさが胸にあふれてくる。ああもう大丈夫だ。又市がからんでくるのならもう安心だとホッとする。でも、出てくるのは又市と徳次郎だけだ。これで仕掛けがきくのか。
後半に仙という腰元が意味ありげに登場する。これが仲間か。山猫まわしの。「いや、違う」。違うのか…。結局、何の仕掛けもなく物語りは悲しい結末を迎える。
又市よ、なんとかしろよ。もう遅いよ。
悲しいものはたしかに美しい。だけど、こんなに悲しい物語なんて読みたくない。
「もう。
数えることはないのだよ。」 -
あの有名な怪談の京極版リメイク。
読んでいるうちになんとなく「鉄鼠の檻」を思い出した。
出てくる登場人物それぞれが理屈っぽい。莫迦も莫迦なりに理屈っぽい。
少し読んでてしんどくなったけど、お馴染みの又さんや徳次郎にちょっと救われた。
読了後なんだかすっきりしない感じになったけど、
他の人のレビューにあった、この物語の「欠け」の存在に思わず膝を打った。 -
番長皿屋敷の話。あまりの厚さに手に取るまで時間がかかったが、読み出したらあっという間でした。出てくるのは病的で何処か欠けている人達。ひとりひとりのエピソードが、ひとつひとつ進み積み重なり絡まり爆発する。じめっとして暗いけど、とても美しい小説でした。本当はどうだったんだろ?と思いを馳せる時間がとても贅沢な気分。