幻視時代

  • 171人登録
  • 3.31評価
    • (5)
    • (25)
    • (45)
    • (7)
    • (1)
  • 36レビュー
著者 : 西澤保彦
  • 中央公論新社 (2010年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041594

幻視時代の感想・レビュー・書評

  • 過去の事件を回想し、謎を解いて行くスタイルのミステリ。解説では『議論型』という表現が使われている。
    謎解き自体はストレートで、既存のシリーズのようなアクロバティックなところは余りない。また、登場人物3人が行う議論もあっさりめで、個性的なキャラクターがああでもないこうでもないと言い合うシリーズものに比べると、こちらも薄味。
    だからといってつまらないわけではなく、あっさりめの分、取っつきやすく、パズルのように楽しめる。

  • 18年前に起きた大震災直後の一枚の写真に大学生時代の自分と瀕死の恩師が写っていた。そこにはもう一人、その震災の4年前に死んだはずの同級生だった女の子も写っていた。
    謎の死を遂げていた女子高生。幽霊なのか?生きているのか?
    高校時代の文芸部での出来事の回想から始まり、後半の推理合戦まで真相が気になり一気に読みました。
    強すぎる自意識が起こした若さゆえの過ちが一生ついてまわります。出来心は恐ろしい。居酒屋で語られる推理合戦はあれこれ違う方向へ振られながらも、最終的には伏線を見事に回収し、意外な真相へ着地させられた感じ。スピード感もあり面白かったです。
    結局のところ、写真の女子高生は・・・というところだけ物足りない感じがしました。
    西澤さんの作品にしては珍しく特異な性癖をもった登場人物もなく、正統派なミステリーでした。

  • 西澤氏にしては捻りもオチもなく。

  • 前半の学園生活はメリハリがなく淡々としているので何も起こらなそうな穏やかな展開でした。そんな中での『不可思議』の提示だったので、なんだかつまらない方向に逸れて期待が萎みそうな気がしましたが、そこはきっちりと裏返してくれました。
    後半は著者らしいお決まりの推理合戦でしたが、推論も解決も納得のいく内容でした。ピタリとピースがハマって綺麗に落ちた感じで良かったと思います。

  • 「死亡したはずの人物が写真に写っていた」理由付けがいかにも苦し紛れで興ざめ。ロジックに破綻はないが、ミステリの醍醐味である「驚き」に欠ける。

  • 思っていたほどホラーじゃなくて。
    謎解きの部分は言葉遊びのようになってしまっている。まあまあかな。

  • 久しぶりに西澤作品に接したが、原点に立ち返ったかのような酒席における推理談義を味わえて良かった。少し残念であるのは、ネタの割には小粒な読後感であったことであろうか。

  • 途中まで面白かったのですが、ラストがちょっとしっくりこなかったです。
    もうちょっとぴしり、と決まるほうが好きなんだろうな。

    装幀 / 松 昭教(bookwall)

  • 冒頭の心霊写真が気になって一気に読んだ。
    がオチがイマイチ。。。

  • 久々に西澤保彦の爽快感がありいい作品ですね。

  • 真相究明は酒を飲みながらのディスカッション!!タックシリーズっぽくて、これでこそ西澤氏ミステリな気がする。内容は無難でベタかな。せっかくの心霊写真の真相に捻りがほしかった。「せっかくのこのクライマックスを、いったいどのように盛り上げればよいものか、編集者としてわたくし、真剣に悩んでしまいます」と登場人物に言わせるオチは、クスリとさせてもらった。秀逸かと。逆にそのあとのエピローグは、普通すぎたような。

  • シンプルで端整。これはいいミステリ。
    ただ「心霊写真」のオチはだいぶ拍子抜け。

  • 表紙は恐いわ、あらすじからファンタジーな匂いはするわで読むまでは不安だったけど、最後まで読んだらちゃんとしたミステリーだった。起こった事件について登場人物らが飲み食いしながら真相を探っていく、いつもの西澤保彦風のミステリー。変なフェチを持った人物がおらず割と真っ当な感じなので読みやすい。

  • 全く期待せず、なんとなく手に取った本だったのですが意外と面白かったです。
    ほんのりミステリー?

  • 同じ部にいた同級生が死んだ。
    他殺らしい、というその死後から20年以上も経った頃
    不思議な写真を見た事によって、事の真相を思考し始めた3人。

    まさか、というよりは、なるほど、という所にすんなりと。
    それまで色々と考えた後を見たから、だとは思いますが。
    プライドが高すぎる、という突っ込みもありますが
    やはり道徳的に駄目な事は、いつかばれるものです。
    というよりむしろ、己の良心の呵責によってばれるのですが。
    悪い事はしてはいけません、です。

  • 作家としてのスランプは、あまり理解は出来ないが、切迫詰まったら人の物でも真似したり、盗みそうな強迫観念は理解できる。物語としては、展開も意表を突き、楽しかった。

  • ★あらすじ
    故郷鵜久森に仕事で帰省した悠人は、地元写真家の回顧展に立ち寄る。そこに悠人が写った22年前の写真があると聞いたからだ。
    鵜久森を襲った大地震の際のワンシーンを撮ったその写真には、悠人と共に高校時代の恩師で文芸部顧問の白州が写っていた……が、それだけではなく、その4年前に亡くなったはずの、文芸部の同期で高校生作家の風祭飛鳥の姿が!?

    ★感想
    舞台は高校の文芸部。青春物、だと思います。
    しかしそこは西澤作品、思春期ならではの妙なプライドとか潔癖さが甘酸っぺー! と思いながら読んでいくと、それが大きな事件につながってしまうという。
    真相は段々見えてはくるんだけど、やはり最後まで読まないとスッキリしない!

  • なんだか、あんまりぴんとこない本だった。
    というか、オチが今一つ。

  • プロローグでシンプルに謎を提示。中盤までは
    その謎の事件に至るまでの経緯と背景を、丁寧に
    時間に沿って展開。きちんと伏線も張られていて
    終盤に活きてきます。そしてその終盤は揃った
    条件をもとに行われるディスカッション推理が
    スピード感と緊張感を伴って、引き込まれる
    面白さです。こういうシンプルなミステリが
    読みたかっただけに一気読みしちゃいました。

    居酒屋で展開される何度も積み上げられる
    推理合戦が導き出した真相自体には、少々の
    肩透かし感がないではないですが、主人公の
    「悠人」が抱えるある罪が最終的に、そう
    繋がるのかーという、持って行き方の上手さや、
    確かに破綻のない真相自体には納得。

    最蛇足ですが...初の掴みが心霊写真?? という
    アプローチだからなのかもしれないですが、
    個人的には作品タイトルとアートワークと
    実際の内容がイマイチ合ってなくて損しそうな印象w。

  • 表紙に惹かれて読んだミステリー。でも途中から予想がついたオチをラストまで普通に持って行ったのにはがっかりしました。

  • 謎そのものは割と早い段階から「もしかしたら・・・?」と、予想することが出来るので、逆に「いやいや、絶対にどんでん返しがあるだろう」等と思っていたらあっさり終わってしまいました。

    若気の至り、というか、幼い考えによる行動がその後の人生に大きな影響を及ぼす・・・
    救いのないような、凄く切ない気持ちにさせられます。

    主人公たちが謎を解いていく課程はとても読みやすく、どんどん引き込まれますね。

  • 文芸評論家の矢渡利と、彼の後輩で小説家のオークラが、同級生だった飛鳥殺害事件の真相と、亡くなったはずの彼女が写っている心霊写真の謎を推理する物語。
    これって真相って言い切っていいのかな・・・たぶん、そういうことっだたんじゃないっていうレベルな気がするけど。
    推理云々よりも、創作の裏側みたいな部分の方が興味深かった。

  • 読了、90点。

    **
    本編の主人公、矢渡利悠人は高校時代文芸部に入部し、そこで顧問の白洲正和、同級生の風祭飛鳥、後のミステリー作家となる後輩の生浦蔵之助らと出会う。
    風祭飛鳥は高校1年生の時に文学新人賞を取り一躍時の人となるも在学中の高校3年の時に謎の死を遂げてしまう。
    その4年後、大学進学のために上京した悠人は、教育実習のために地元へ、そこで当時の顧問白洲と会い当時の事件について話をすることに、と丁度その最中大地震が発生し白洲は亡くなってしまう。
    40歳になった悠人は仕事で地元へ帰り、偶然その地震の際の写真を発見、そこには白洲と悠人の他に風祭と思しき少女が写っていて…
    **

    西澤さんの新刊、非常に読みやすくかつ、ぐいぐい引き込まれて行ったせいで一晩で一気に読みきってしまいました。
    プロローグでこの写真に写っている少女は幽霊なのか?という謎を置いた上で、過去に遡って主人公の高校時代、地震の当時、と話を進め最後に、少女が死んだ謎を推理するという展開。

    高校時代の話では、同人ながら小説を書くという作業の裏側が少しだけ垣間見えるのが個人的には興味深く物語りに引き込まれて行った要因かな。あとは作品全体のテーマも非常に意識する部分がありました。

    謎解き部分は西澤さんらしく、非常にロジカルにパズルのピースをガチャガチャ遊ぶのが楽しかったです。
    幽霊だとすれば出てきたものは仕方がない、とか大雑把な割り切り方をせずに、何故出てきたか、どうしてこんな格好で出てきたのかとかその辺りが西澤さんだなぁと感じちゃいました。

    この作品で凄いのはそこが最終的に伏線になるのか~と2箇所ほど驚愕させられちゃいました。今はその興奮が少し醒めてないのかも。
    そう言えば西澤さんのもう一つの持ち味でもあるフェティズム、エロティズムは今作では殆どありませんでした、そのあたりがどうも苦手って人にも安心して読める一冊ではないでしょうか?

    あと作中で語られるミステリー小説が凄く気になりました、誰か書いてよ~。

  • あまり、期待していなかったのが奏したのか、かなり良かったです。
    西澤らしさと、西澤らしからぬ奇を衒って無い現実的な設定。

  • 幽霊ネタはむしろ邪魔かも。そこだけすっきりしない感じがする。あとは、著者らしい妄想も暴走もないので、ごく普通のミステリとして安心して読める。

全36件中 1 - 25件を表示

幻視時代を本棚に登録しているひと

幻視時代を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

幻視時代を本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする