アンダスタンド・メイビー〈上〉

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著者 : 島本理生
  • 中央公論新社 (2010年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041679

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アンダスタンド・メイビー〈上〉の感想・レビュー・書評

  • この人が生み出す物語はいつも、変わらない雰囲気を持っている。決して明るく希望の感じられるものではないのに、惹かれるのはなぜだろう?

    親との確執、暗い過去をを抱えた少女・黒江が踏み込む、愛と破壊の世界。不安定で不器用で痛々しい黒江の姿を、なぜだか追いたくなってどんどん読み進めてしまう。

  • 一ページ目をめくったときから、
    止められなくなる予感がしたけど、
    大当たり。
    一気読みしてしまいました。
    どんどん道がそれていく黒江にどきどきしながら。

    これから下巻読みます。
    今夜は眠れないかも…

  • 母の転勤で小3の時引っ越してきて以来、茨城県つくば市で母とふたり暮らしの中3の黒江。
    以前は両親と祖母との4人暮らしだったが、祖母が亡くなり、両親が離婚。
    母との関係がうまくいかない黒江ではあるが、
    女友達との関係で女の子特有のわだかまりを持ちながらも、そこそこ楽しい生活を送っている。
    不思議な能力を持つ転校生の彌生(やよい)と付き合い始め、
    自分の神様になってほしいと思う。
    高校生になり、新しい出会い・恋愛・性体験をくり返しながら、そこで見る犯罪・暴力。
    加担しながらもカメラという別の楽しみを見つけるが・・
    ある事件ですべてを捨て、逃げるように故郷を捨て、上京。
    中学の頃からファンで文通していたカメラマンの元に転がり込む。
    助手をしながら、プロを目指していく。
    世間を騒がせる新興宗教、恋愛、残してきた過去、ふと湧き上がる暗い記憶・・・
    自分を守ってくれる神が両親ではなかったから、早い時期から異性にそれを求めた黒江。
    さまざまなものが交じり合って、最後に見つける神様。

    暴力・恋愛と性・虐待・宗教というテーマを
    ひとりの少女が大人に成長する姿と合わせて描いている。
    上巻の主人公の少女の行いに共感できないのに、どんどん読めていくおもしろさ。
    そして下巻に出てくるある世界をまったく理解できないけど、
    最後にはこの題名と表紙の絵が心に沁みてきて、わああとなってしまった。
    内容的に好き嫌いははっきりしそうだけど、読む価値ありと思う。
    少女の頃から付きまとう女特有の女の世界も細かい描写でかかれているし、
    成長過程の心の危うさもうまく表現されていて、
    これを読んで心が救われる女性、多いんじゃないかな。
    「女の人というのは、たぶん僕らが思っているよりもずっと多くのものから
    傷つけられて、生きている。」とあった。
    こんな風にわかってくれる男性っているんだろうか・・・

  • 中学生時代から始まる女の子の成長物語。主人公がわりとひどい目に遭い続けるのだけれど、悪い男に引っ掛かりすぎ、信じすぎ。それでも折れてしまわないのはにぶいのかタフなのか。

    どうやって風呂敷が畳まれるのか気になるので、下巻も読む。

  • ヒロイン黒江の孤独は理解できるのだけど、あまりにも不安定で、自分に対して優しくしてくれる男性に依存しすぎている感じが好きになれない。ちょっと道を踏み外しただけで、こんな風に堕ちていく、世の中にはこんな子が結構いるのかもしれないと思うと怖い。
    上巻の最後で、彼女に手を差し伸べてくれそうな人物が出てきたのが救いなのかな?
    父親のこと、中学生の時に受け取った謎の写真のこと、まだ回収していない伏線がありそうなので、楽しみにしつつ下巻に突入。

  • 何も考えずに自分の事だけ
    それだけでも生きて行くのが
    苦しかった
    年齢を積み重ねていくのゎ
    良い事⁈悪い事⁈
    何も無かった時 はるか彼方
    早よう大人に成りたかった時を忘れない様にって
    思い出して 苦しい

  • 久しぶりの島本理生さん長編。だいたいの作品は読んでいるけど、今回のパターンは珍しい。
    これまでは、本当に一瞬に焦点をあてて短い時間を描いたものが多かったから、一人の女の子の長い時間を追う流れは新鮮。
    島本理生さんは、男の子をかっこよくしすぎないのが良い。外見がさえなくても、おどおどしていても、彼らの魅力を細かく伝えてくれる。
    さらに、良い人かと思わせて怖い人、というあの徐々に代わる様子を描くのも上手い。
    この話は、どちらの男の子も絡んでいて、読んでいてほっとしたりドキドキしたりする。
    黒江が持つ写真の情熱や力、彼女の恋愛はどうなるのか。下巻にわくわくしながら突入。

  •  神様を探していた主人公。
     自分の全てを許して受け止めて
     暗いところから救い出してくれる存在。

     やがて、本当に求めていたのはもっと
     別のものだということに気付く。

     自分が必要としているものを、たまには
     冷静に分析してみるといいかもしれない。

     意外と身近なものだったり、
     やっぱり手の届かないものだったり。

  • 繊細さと不安定さ空っぽの痛み
    知るには早すぎる成熟さと、未熟なアンバランスさを同居させるのってホント凄いなぁ
    いつも通りというか年上の男の子が幼く、年齢関係無しに一本持ってる男の子はかっこいい。

  • 本当に大切な人はよ〜くみないとわからない。

    クロエの中学生〜高校時代の話が上巻。憂鬱でけだるい感じの学生時代は、読み手を一気にその瞬間まで引き戻す。

    あの頃って誰に何を言われようと経験しなくちゃ実感できない。リアルな痛みがこれでもかと押し寄せてくる。

    映像化したらリリイ・シュシュのような雰囲気になるのかな…。頭の中に情景が浮かぶ数少ない作品。

    若いから、本当の優しさにはまだ気づかない主人公のクロエにヤキモキするけど。優しい言葉は大事だけど、時には言葉を超える本当の優しさがあるのに。

    ナラタージュは超えなかったけど、すごくいい作品だと思う。
    下巻も楽しみだな。でも、大人になっちゃうのかぁ…

  •  倉田真由美さんの『だめんず・うぉ~か~』を何冊か読んだことがある。そのたびに不思議に思うのは、暴力を振るったり、浮気を繰り返したりするような男を、どうして懲りずに恋人にするのだろうということだ。普通は学習しない?もっとも、かくいうぼくも、相当悲惨な経験を繰り返したにも関わらず、B型の女の子を好きになるという傾向があったので、偉そうなことは言えないかもしれない(ちなみに妻はO型である)。

     この『アンダスタンド・メイビー』の主人公・藤枝黒江も、どうやら経験から学ぶということが苦手のようである。

     舞台は、つくば市。ぼくは4年前に、ある仕事の研修で、つくば市で2週間過ごしたことがある。ウィークリー・マンションを借りて滞在したのだが、仕事場まで4km以上もあって、自転車で通っていた。夜のつくば市内は、街灯がなく、部屋へ戻るのには、筑波大学の横の真っ暗な道を延々と自転車をこがねばならず、男のぼくでも結構怖かった。

     技術の最先端を行く学術研究都市としての姿と、その暗闇とは、まったく相容れないものとして、ぼくの印象に強く残っている。

     この作品のあらすじも何も知らずに読み始めたので、当初は、彌生(男性である)の自転車のチェーンの話に、「おっ、島本さんも新境地を切り開いたのか」と思った。

     その後、読み進めて行くと、やっぱりいつもの島本さんの話だった。

     主人公の藤枝黒江は、母と二人暮らしの中学3年生。父親はいない。生きているのか死んでいるのかも分からない。研究者である母は、仕事に忙しく、黒江をほったらかしである。黒江は、ひょんなことから酒井彌生という転校生の男の子と親しくなる。一方で、ある写真集に感動し、ファンレターを送ったことがきっかけとなって、浦賀仁というカメラマンとつながりができる。

     どちらかといえば、やぼったい彌生であるが、彼の誠実さに、黒江は惹かれていく。

     黒江と母親とは、うまく行っていない。そんなある日、彼女の家に、差出人不明の封筒が送られてくる。封筒の中の写真を見て、ショックを受けた黒江は彌生を誘って家出をしようとする。

     彌生に拒まれた黒江は、ファミリーレストランで途方に暮れていた。そこで大学生だという男に声を掛けられた彼女は…

     ぼくには、黒江の行動が理解できない。彌生のような真っ当な男性の良さを理解できるにも関わらず、どう考えても危ない男たちとの関係に足を踏み入れていくのは、何故なのだろうか。

     不仲な母親との二人暮らし、女友達との表面だけの付き合いといった、<居場所がない>という思いが、黒江を危険な男たちに押しやっているのかもしれない。それにしても、彼女の軽率なふるまいや思慮のない言葉には腹立たしさを覚える。ぼくが彌生であったとしても、やはり黒江を受け止めることはできないだろう。

     下巻では、カメラマン・仁の元で、アシスタントとしてかけずり回る黒江の様子が描かれる。高いテンションが要求される華やかな世界で、それに馴染めずにいる彼女の様子は痛々しい。彼女を支えているのは、夢といった前向きなものではなく、ここ以外に帰る場所がないという切実な想いだ。

     物語が終盤に近づくと、中学生の頃に黒江のもとに送られてきた写真の意味や、仁の秘められた過去などの謎が明かされる。そうしたストーリーの展開から、「救い」や「再生」と言ったキーワードを抽出することはたやすい。

     今回、この作品を読んでいて、感じたのは、島本さんの描く作品に登場する女性たちは、「肌の温もり」を強く求めているということだ。心の安らぎを得るために、それこそ、<神様>に抱かれることを欲している。しかし、父親や兄弟といった肉親ではない世の男性にとって、セックスとは無縁の「肌の温もり」を女性に与える... 続きを読む

  • イタイ。中学生の女の子が大人になるまでのお話。親子関係、恋愛、虐待、宗教とてんこ盛り!イライラするけどあっという間に上下巻読み終わった。

  • 上巻を一気に読み終え、胸の高まりを隠し切れない。すごく不器用な生き方をする主人公が抱える愛情の飢えを生々しく感じた。島本作品の中では今までにない展開。

  • テーマは重いし、始終主人公にイライラしたけれど、読み手の胸ぐらを掴んで離さない感じがした。我々は何があっても生きて行かなくてはならない。

  • 面白いというより、なんとなく続きが気になるから読み終えてしまった。黒江の日記を読んでいるという印象で、彌生君も羽場先輩も賢治君も浦賀仁も…黒江にとってどういう意味があるのかよく分からない^^;でもよく分からないことが分かるかもしれないので、下巻も読んでみます。

  • 羽賀先輩が素敵。


    固くて深い文章が好きって人にはあまり向いてないかもしれないです。

  • 田舎の女子中高生のイタイ話。テイストがややケータイ小説風(って読んだ事ないけど)。話題の作家なので試しに読んでみたんだが、中年男にはどうも合わない感じ。とりあえず下巻も読んでみる事に。

  • 愛と浄化と再生の物語。息子よ、君が大人になって誰かのことを本当に好きになった時、この本を読んでみてください。きっと大切なことに気づくと思います。間違いなく島本さんの代表作になると思います。まだこの本しか読んだことないけど。

  • 軽く楽しい話かと思ったら、どんどん重くなっていくのね。
    下巻に期待。

  • 駆け抜けるように読んだ。続きがとても気になる。

  • この著者の小説を初めて読みました。
    読み始めたら続きが気になって,一気に読みました。
    そういう意味では面白い小説だと思いますが,
    主人公が性暴力に遭うシーンが複数回あって,閉口しました。
    何度も読み返したい小説ではないです。
    でも主人公の今後が気になるので,下巻に期待します。

  • まだ、上しか読んでないから感想は変わるかも…

    黒江と羽場先輩は
    家族からの愛情に飢えていてその寂しさを持っている。
    賢治くんは何があってかはわからないけれど
    何かしらの虚無感を持ち合わせている。
    その寂しさ・虚無感を
    黒江は無意識に媚びることで
    羽場先輩は壊れたままに生きている狂気で
    賢治くんは何者に対しても平等な冷たさで埋めているように感じた。
    黒江が求める神様とは無条件の愛情だと思う。

    何やかんやで
    最低最悪だけど
    賢治くんの雰囲気が好きだった。

  • 主人公視点で語られていて、
    その表現は落ち着いていて、、
    周りの人物の描写はとても的確で伝わってくるのに、
    主人公だけが何考えているのか分からない。
    冷静に周りを見ているようでありながら、
    なんでそちらに行ってしまう?という行動の連続。
    主人公視点なのではっきりとは語られませんが、黒江は見た目だけではない色気をまとった人なのだろうな。

    まあ描写が的確なのは主人公ではなく作者であるわけで、
    同じ行為でも相手が好きな人かそうではないかで全然違う、
    と生々しいほどに感じさせる表現力は凄い。

  • ある女の子の愛と成長の話。
    上巻は中高生くらいまで。

    何だか主人公が危なっかしくて、ハラハラさせられる…。
    下巻が気になります。

  • 親子の確執、DV、誘拐、宗教…あまりにもたくさん重いテーマが詰め込まれていて苦しい。
    でも、島本さんのさらさらと綺麗で時々ユーモアも込めた文章のお陰で、読むことができた感じがする。

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アンダスタンド・メイビー〈上〉の作品紹介

「おまえは俺のこと、見つけられるって」少女は踏み込んだ、愛と破壊の世界へ。デビュー10周年記念書き下ろし作品。

アンダスタンド・メイビー〈上〉の文庫

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