- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120042249
作品紹介・あらすじ
日英同盟20年に比して日米同盟60年、戦後日本の繁栄の基礎となったこの同盟の価値と意義。
感想・レビュー・書評
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おなじみの方々による論文集。中にはいかにも日米同盟専門家のみならず中国や朝鮮半島専門の方々もいて、新鮮な視点を提供してくれる。
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9・11の同時多発テロ以降、アメリカの関心がグローバルなテロとの戦いにシフトするにともない日米同盟をめぐる議論も再びグローバルなものとなる。
日米両国がいかに努力してもアジア太平洋地域の平和は日米両国だけでは支えきれない。地域の安全保障協力体制がうまく機能するためには、多くの国々の協力が必要である。
アメリカは中国との関係を関与と拡大戦略で示し、中国を関与するのと同時にヘッジして正しい方向に向け、責任ある利害関係国として国際社会の一員にすることだった。
冷戦後、アメリカが作り上げてきたゲームのルールに対してチャレンジをする中国に対する新たなゲームの開始である。そして、それを受けて立ち、将来を勝ち抜くとオバマは宣言した。
最近まで東シナ海における海・空軍力バランスは日本に有利であった。中国が戦争を選択する可能性はなかった。しかし中国は急速に増強してきたので、どうなるかわからない。
ソ連、中国と北朝鮮という共産圏による軍事的脅威に対応する冷戦型の同盟という面では、日米同盟も米韓同盟はともに日本と韓国の自主的軍事力拡張を抑制するという隠れた側面を持ち、日韓両国のお互いに対する脅威認識をやわらへる一方、東アジア全体が軍事力拡大競争に走らないような安全装置でもあった。
2010年は世界史の中の大西洋の時代が終わり、太平洋の時代が始まった年として記憶されるかもしれない。