性暴力

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120042300

作品紹介・あらすじ

あなたが、家族が、そして恋人が、性暴力にあったらどうしますか。心の痛み、苦しみを超えて語られる真実。坂田記念ジャーナリズム賞特別賞受賞の新聞連載を書籍化。性暴力対策Q&A付き。

感想・レビュー・書評

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  • 教訓として読みました。もし、友達だと思っている男性にレイプされたらどうするか、どういった行動をとるか。


    正直、過激なAVを見ている男性に嫌悪感を抱かずにいられなくなりました。

    どうしても、逃げられない状態でのレイプもあって読んでいて辛かったです。抵抗すれば、暴行されるかもしれない、殺されるかもしれないという状況の中で自分はどういう行動をとるか考えた。抵抗せず、レイプを受け入れることは攻められることなのか。
    レイプ被害者の立場の低さ、回りからの理解のなさが悲しい。

    改めて、島本理生さんのナラタージュにあったように性犯罪は去勢すべきに賛成します。レイプが原因で自殺する人もいることを考えれば当然だと考えます。
    裁判員制によってより重い罪とされた性犯罪がよりいけないことであると男性に理解されることを願ってます。

  • 知識として、それぞれの問題の大きさや、残す爪痕の深さを知っているとしても、こういう形で、生の声をたくさん交えて、まとまった形のもの読んだインパクトは、まったくの別物だった。
    もちろん、僕よりもずっと知識も経験も豊富な現場の人には、そうでもないのかもしれないが、そういう特別な人でなければ、性暴力というものを考えたく無いと強く拒絶する人以外の、あらゆる人に、とても有用な本だと思う。

  • 3.89/93
    内容(「BOOK」データベースより)
    『あなたが、家族が、そして恋人が、性暴力にあったらどうしますか。心の痛み、苦しみを超えて語られる真実。坂田記念ジャーナリズム賞特別賞受賞の新聞連載を書籍化。性暴力対策Q&A付き。』

    『性暴力 』
    著者:読売新聞大阪本社社会部
    出版社 ‏: ‎中央公論新社
    単行本 ‏: ‎237ページ
    発売日 ‏: ‎2011/4/1
    受賞:坂田記念ジャーナリズム賞特別賞

  • 『性犯罪報道』 (中公文庫)と同内容。両方買ってしまった。勉強になる内容。

  •  性暴力の深刻な実情を社会に伝えた、坂田記念ジャーナリズム賞特別賞受賞の新聞連載「性暴力を問う」の書籍化。被害者・加害者・第3者の3つの立場への客観的な取材により、3者の性暴力への認識の落差が浮き彫りにされている。
     20人以上の被害者が紹介され、その心の傷の深さが書かれている。それらを理解することは、被害者の回復、被害者の救済への第一歩であり、本書が果たす役割は大きい。また、被害者やサバイバーが、被害に立ち向かい、立ち上がる姿に非常に勇気付けられる。
     しかし、加害者は“反省”しているのか疑問であり、再犯防止や加害者の更生への問題は山積みであると窺える。また、無理解による二次被害、被害の立証の難しさなど、被害者の生きづらさも思い知らされる。
     ワンストップ支援センターの設置、裁判員制度の導入など、被害者を取り巻く状況の変化が書かれており、今後どうしていくべきか、性暴力について深く考えさせられる一冊。

     性暴力をなくすため、被害者が生きやすくあるために自分には何が出来るかとても考えさせられます。取材を受けたり手紙を寄せたりされた被害者や支援者と読売新聞大阪本社社会部に「ありがとう」と伝えたいです。
     サバイバーの手記とはまた違った、メディアからの中立的な視線で性暴力について書いた本であり、少し内容は古くなってしまいましたが、コンパクトにまとまっていて読みやすく、入門書としてお勧めです。

  • 子の性別関係なく母としても、一人の女性としても、無関心ではいられない事なのに、無関心を装うことを強いられる社会の空気に風穴を開ける良書。
    新聞読んでも、モヤモヤ~っとはっきりさせない風潮ってあるけど、この本は強姦なのか猥褻なのか、きちっと書き分けていて、しかも強姦まで至らなかったら軽い訳じゃないってことをキチンと伝えてる。
    嫌んなるけど、やっぱちゃんと世に出た方が良い話。

  •  性犯罪の被害がどれだけ深刻なのか。
     その現実が丁寧な取材でまとめられた本。


     大学で犯罪被害者学を履修した際に、先生より聞かされたことことだが、この国の被害者に対する対応はどうかしているとしか思えない。


     殺人はヒドい犯罪であることは誰もが認める。そのヒドい犯罪にあい、身内を失った遺族に「殺されたのは恥ずかしいから隠さなければ」などと思わせる社会だとしたら、誰だってその社会はどうかしていると思うだろう。
     強姦犯罪では、まさにそれが現実なのだ。

     理解のない周囲、容赦のない司法。

     どこに救いを求めていいのかわからずに、さまよう人が沢山いる。


     この本で声を上げた被害者の人はみんな願っている。
     自分と同じような人を作りたくない。

     それは、被害に遭わないということだけではない。被害にあったときに救いがないという状況をなくすことでもある。


     被害者が法廷でようやく声を上げられるようになった今、私に犯罪被害者学を教えた先生の言葉を思い出す。


     検察官は被害者学の研修など熱心にやってくれる。が、弁護士にそこまでの意識がある人は少ない。被害者参加が進めば!弁護士も被害者のケアをしなければならない。
     そのときに、あなたがたが被害者に二次被害を与えないようにして欲しい。



     ロースクールでこの科目を受講する人な単なる単位稼ぎの人が多かったが、それもまた今の、そして将来の司法の現状だろう。

     この本は性被害だけを取り上げた本だが、犯罪被害者のケアをどうするのかは早急に考えなければならないだろう。


     景気回復すれば、住みよい社会になるわけではないのだから。

  • 今年出たばかりの新しい本だった。私の周りにも性被害者はいるんだろうか。ほんとに許せない。あの早稲田のレイプ事件でのKのコメントは今でもよく覚えている。ほんとあの人と別れるのは必然だった。今のIはどう思ってるだろうか。こういう人を救う活動がしたいと思う。性暴力が原因で自殺したり、精神を病んだりしてる人も多いだろう。負の連鎖だけは止めたい。知的障害を持つ娘が被害を受けたというのには涙が出た。家族がこうやって全面的に戦ってくれるのはまれなんだろうか。男の子が被害を受けるのもあるのだと頭では分かっている。東直己のおかげだ。

  • 性犯罪とはどのようなものか、被害者にどのような傷をもたらすか。知らないことがたくさんあった、性犯罪問題を考察する入り口としておすすめの一冊。
    厳罰を求めていいのは被害者であり、第三者は安易に厳罰を求めるべきではない、裁判員裁判のその傾向は少し恐ろしいものがある。もちろん、現在の、性犯罪に対する刑罰があまりにも軽すぎる、というのはあるだろうが、そこは分けて考える必要があるだろう。
    そして、性犯罪という人の人権を踏みにじったからといって、加害者に人権がないなどということはない。アメリカのミーガン法や韓国の電子監視は恐ろしく、人権を著しく侵害している。
    為政者や権力者は、自分たちを制限し監視する人権(憲法)を快く思っていない、あわよくば改正しようとするのが彼らである。そのため、国民感情をあおりやすい、性犯罪や児童ポルノといったところから人権を崩しにかかってくる。
    主権者である我々国民はそれを常に監視しなければすぐにでも人権の制限を彼らによってかけられてしまうことになる。加害者の人権を守っているのではなく、自分も含めた国民皆の人権を守る、という認識を持たねばならない。

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著者プロフィール

『情報パンデミック あなたを惑わすものの正体』の他に、『徹底検証「橋下主義(ハシモトイズム)」─自治体革命への道』『橋下劇場』など。

「2022年 『情報パンデミック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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