モナ・リザの背中

著者 :
  • 中央公論新社
3.15
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本棚登録 : 382
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120042911

作品紹介・あらすじ

ある日、訪れた美術館で、展示中の「受胎告知」の世界に迷い込んでしまい…。絵の中に迷い込んだ男の冒険奇譚。

感想・レビュー・書評

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  • 「非現実」について考える。
    私たちは、読書、絵画、旅、ゲーム・・・等、様々なかたちで非現実を求める。私だって、曇天先生やアノウエ君の様にすり切れた現実と、永遠や理想がつまった非現実世界をいったりきたりできるのだ。



    私が吉田篤弘を好きなのも、彼の小説は掴めない雲の様で、非現実的で、それが心地よいからだ。その世界観にずっと浸っていたい、と思う。今回、『モナ・リザの背中』では、ふわふわ浮いていると、曇天先生やアノウエ君に連れられてこっち(現実)にグイッと引き戻される。それが少し戸惑った。
    あと、50代のおじさまの気持ちは、もうすこし年を重ねないと理解できない部分もある、かな。

  • これまでの篤弘さんとはちょっと変わった、幅広い読者へ向けての発信、とでもいうようなユーモアを交えての作風。これはこれで楽しく読めました。SFでもないファンタジーでも哲学でもない、やはりクラフトエヴィング風というのでしょうね。

  • すごく不思議な物語。
    これから絵を見る時は必ずこの物語を思い出すようになると思う。
    もしかしたら絵に感動する度に読み返したくなるかも。


    自称鳥肌が立つ男「曇天先生」と曇天先生の助手「アノウエ君」と絵の中の人(だったり神だったり)たちが出会ったり、別れたり、浸透したりする奇妙な物語。
    ドキドキもワクワクもハラハラもしないけど、曇天先生に同調して一緒に「なるほど」なんて分かった気になってしまう。
    有り得ないことが起こってるのに、曇天先生とアノウエ君の推理(?)には妙に説得力があるから不思議。
    同じものを見ているような気にさせられてしまった。

    曇天先生とアノウエ君のちょっと間の抜けたやりとりはとても愛おしい。
    吉田篤弘さんの語る物語は細部までご馳走のようだとしみじみ感じる。

    最初は分からなかったけど、『モナ・リザの背中』というタイトルはこの物語にぴったり。
    すごい。

  • ファンタジー色強めの『ソラシド』寄りかな?
    どこかくたびれた主人公といい。

  • 不思議な感覚になります。笑えるところとかゾッとするところとか。きっと何度読んでもわからない気がする一冊ですね。

  • [内容]
    ある日、訪れた美術館で、展示中の「受胎告知」の世界に迷い込んでしまい…。絵の中に迷い込んだ男の冒険奇譚。

    --
    表紙と内容に惹かれた。
    美術館の絵の中に迷い込む、結構お年を召された男の話。
    淡々と話が流れていくのがまたいい。美術館に展示されている絵をひとつひとつ丁寧にめぐっている感覚。
    教授の独特な名づけセンスにくすり。

  • つだとしょかん

  • 二次元と三次元を行ったり来たり。
    魂は屁であり、ゲップであり、気であり、自分の中に留まっているものではなくて、出たり入ったりしている。

    五十歳はセイジンとロウジンの間であり、名前はないけれど、今までとは違う、というのが印象深かった。

    この教授をみていると、ツチヤ教授を思い出した。

    話自体はモヤモヤもやもやしていて、読みにくくて、飛ばし飛ばしで、なんとか読了。

  • 最初は曇天先生の「アノウエくん」や「うで卵」の感じについていけず、最後まで読めないかと思ったけど、途中からすごく面白いと思った。
    そこかしこで色んなテーマを感じるし、こんな物語をよく書けるなぁと思う!すごい。

  • 絵の中に入ってしまう男性の話し。

    脈絡もなく風景が変わるので
    時々着いて行けなくなりそぅな時がありますが
    そこがまた「あ!絵に入ってる」と唐突な感じで
    面白いです。

    もっと絵に入って絵の謎とか解くのかと思ったら
    そんなコトもなく。ハチャメチャな展開で面白かったです。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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