あかりの湖畔

著者 :
  • 中央公論新社
3.30
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本棚登録 : 254
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043062

作品紹介・あらすじ

さびれた温泉街を見下ろす大きな湖のほとり、遊歩道の奥にある「お休み処・風弓亭」の三姉妹。次女・悠は東京へ出て女優を目指し、高校生の三女・花映も外の世界に憧れている。26歳の長女・灯子だけが、生まれ育った場所でいつまでも変わらぬ生活を望んでいた。ある日、一人の青年がやってきて街に住み着く。妹二人は彼こそが灯子の「運命を変える」のではと噂するが…。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的な超発掘本。
    作者の青山七恵さんのことは、綿矢りささんとの対談を読んで知りました。
    本作が初めて読む青山七恵さんの作品です。
    とにかく、文章表現の上手さが際立っていて、そのレベルの高さに驚きました。
    三姉妹ものですが、寂れた山の上の湖の畔で飲食店兼土産物屋を営む長女が主人公。
    女優を目指して東京に行く次女、高校生の三女、言葉数の少ない父親、そして不在の母親。
    お店の経営が先細りなのに、お店を続けることに拘る主人公の長女。
    周りの人たちは、長女に彼氏ができるようにと思って世話を焼きますが・・・。
    母親が不在であることには、何か事情があるようで、物語の中で、それが徐々に明らかになっていきます。

    全部がこと細かく説明して書かれているわけではなく、読者が想像できる余地が残されているところが、凄く良い作品です。
    非常に面白かったです。

  • 前半は恋愛もの?と読み進めるか悩んだが、主人公が恋愛に興味がないような発言があってからは展開も速くなり面白くなった。笑 
    前半で隠されていたいろんな背景が少しずつ明かされていく、出し方が綺麗だなぁと思った。

  • 湖畔に暮らす三姉妹の、家族にまつわる物語。青山さんの作品はまだ2作目だけど、情景が記憶に残る文章だな、というのが第一印象。次はどれを読もうかな、と思わせてくれる。

  • さびれた温泉街を見下ろす大きな湖のほとり、遊歩道の奥にある「お休み処・風弓亭」の三姉妹。
    次女・悠は東京へ出て女優を目指し、高校生の三女・花映も外の世界に憧れている。
    26歳の長女・灯子だけが、生まれ育った場所でいつまでも変わらぬ生活を望んでいた。
    ある日、一人の青年がやってきて街に住み着く。
    妹二人は彼こそが灯子の「運命を変える」のではと噂するが…。
    (アマゾンより引用)

    三姉妹とそれを取り巻く人々のお話。
    が、最終的には彼女らの母親との話にすべて繋がっていくような…

    なんか THE小説って感じ(笑)
    もうほんと何か小説の王道を行ってるような、そんな印象

    三姉妹の長女の性格があまり好きでなく、読みながら軽くイラッと…(笑)

  • 青山七恵さんの長編小説。母親が家を出て行ってしまった家族の微妙なバランスの中で成り立っている毎日を描いた作品。期待した以上に面白かった。やはりお話作りは上手な作家さんです。

  • なんとなく漂う暗い雰囲気、記憶があるなと思い返したら、「ひとり日和」以来の青山さんの作品。
    かなりダークな事件もリアルでちょっと怖かったけど、3人姉妹を中心にした家族のバランスや狭い地域のコミュニティとか、すごく微妙なところをきれいにまとめてる文章力はさすが。
    読んでいるときは気持ちが晴れないけど、読み終わるとすっきりする、そんな作家さん?

  • 青山さんの作品を初めて読んだ。
    最初ののんびりした印象からうってかわり、湧いてくる何らかの感情が
    加速度を増して駆け抜けていった感じ。
    読み終わってみれば作者の底知れぬ才能に圧倒された。

    普段自分が読むジャンルとは違うけど、機会あれば他の作品も
    読んでみようかな。

  • うーん結局淳次なのかしら。

  • 風弓亭に自分もいる感じで読み進めました。2013.12.9

  • 青山七恵さんの文章が好きだ。このお話も取り立てて大きな事件が起きる訳じゃないけど湖の水面がゆらゆらと揺れるように穏やかに緩やかに家族の抱える秘密が繙かれていく。最近読んだ『花嫁』に比べるとパンチはないけど、ところどころにたまらなく素敵な表現がある。2012/235

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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