- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120043062
作品紹介・あらすじ
さびれた温泉街を見下ろす大きな湖のほとり、遊歩道の奥にある「お休み処・風弓亭」の三姉妹。次女・悠は東京へ出て女優を目指し、高校生の三女・花映も外の世界に憧れている。26歳の長女・灯子だけが、生まれ育った場所でいつまでも変わらぬ生活を望んでいた。ある日、一人の青年がやってきて街に住み着く。妹二人は彼こそが灯子の「運命を変える」のではと噂するが…。
感想・レビュー・書評
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前半は恋愛もの?と読み進めるか悩んだが、主人公が恋愛に興味がないような発言があってからは展開も速くなり面白くなった。笑
前半で隠されていたいろんな背景が少しずつ明かされていく、出し方が綺麗だなぁと思った。 -
湖畔に暮らす三姉妹の、家族にまつわる物語。青山さんの作品はまだ2作目だけど、情景が記憶に残る文章だな、というのが第一印象。次はどれを読もうかな、と思わせてくれる。
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青山七恵さんの長編小説。母親が家を出て行ってしまった家族の微妙なバランスの中で成り立っている毎日を描いた作品。期待した以上に面白かった。やはりお話作りは上手な作家さんです。
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なんとなく漂う暗い雰囲気、記憶があるなと思い返したら、「ひとり日和」以来の青山さんの作品。
かなりダークな事件もリアルでちょっと怖かったけど、3人姉妹を中心にした家族のバランスや狭い地域のコミュニティとか、すごく微妙なところをきれいにまとめてる文章力はさすが。
読んでいるときは気持ちが晴れないけど、読み終わるとすっきりする、そんな作家さん? -
青山さんの作品を初めて読んだ。
最初ののんびりした印象からうってかわり、湧いてくる何らかの感情が
加速度を増して駆け抜けていった感じ。
読み終わってみれば作者の底知れぬ才能に圧倒された。
普段自分が読むジャンルとは違うけど、機会あれば他の作品も
読んでみようかな。 -
風弓亭に自分もいる感じで読み進めました。2013.12.9
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青山七恵さんの文章が好きだ。このお話も取り立てて大きな事件が起きる訳じゃないけど湖の水面がゆらゆらと揺れるように穏やかに緩やかに家族の抱える秘密が繙かれていく。最近読んだ『花嫁』に比べるとパンチはないけど、ところどころにたまらなく素敵な表現がある。2012/235