- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120043062
感想・レビュー・書評
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湖畔のお土産屋で暮らす三姉妹の物語。
人はそれぞれ秘密を胸にひめている。
それを一人で抱えていくには孤独や寂しさが付随する。
だからこそ、秘密を分かちあうことができる存在が大切なのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
運命が、変わる。そんな言葉を舌で転がし、変えようとする妹、変わってゆく妹を見守る、姉。静かに、そして確かにそこに、そこから存在する湖と、三姉妹の話。分厚い本でしたがたーっと読めました。
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湖畔で小さな飲食店を営んでいる三姉妹のお話。すごく話の進みがゆっくりでどうなるのかと思っていたら最後の章で一気に進んだよ。三姉妹の白黒だった世界に色がついたのかなぁ。"怖いものには名前がついていない"という灯子の言葉になんだか共感した。きっとそれが大人になるって事なのかなぁ。季節によって上がったり下がったりの仕事だったり姉妹の何気ない会話だったりと自分とは違う世界へと導いてくれた1冊。
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はじめはゆったりと始まる湖畔のお土産物屋さんの三姉妹のストーリーが途中からぐんぐん物語にスピードが出て一気に読み終わりました。面白かったです。
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湖畔に住む三姉妹とその家族の物語。
静かな生活の中に沈んでいる過去の出来事と、
そこから抜け出せずにいる長女。 -
若い作者の文才に脱帽。これからが楽しみ。
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「ひとり日和」を読んで以来久しぶりの青山七恵。「ひとり日和」は雰囲気は思い出せても、ストーリーは全く思い出せず(そもそもあんまりストーリーがなかったような印象)。この作品は、あの雰囲気はありつつも、ストーリー性もあった。
読んでいる間は途中まで、星4つ?5つ?と思っていたが、読み終わってみると、結局3つという結果。
繊細な灯子の心の描写がとても良く、姉妹の様子や移り行く季節と湖の描写なども丁寧で、かつ少しだけ謎めいた雰囲気もあり、なかなか読み応えがあった。が、しかし、いざ読み終えてみると結局俗っぽくて、陳腐な筋に沿った話であった事が印象に残ってしまい、なんとも「ありきたりな内容だったな」と思って読了、というパターンになってしまった。
きっと、辰夫の存在がいけないのだと思う。途中からなんとなく正体はバレバレな上に、正体が明かされてもなんとなく許されてしまっている話の成り行きも良くない。この人の登場故に、一気に話が俗っぽくなっているような。加えて姉妹の母親の逃避とその説明もとても雑で、今までの丁寧な物語の進め方とのギャップがあり過ぎる。
「素材はいいのに、書きぶりが惜しいなぁ」という小説もあるが、これは逆パターンであった。 -
なかなか核心に近づかないので、最近の小説を読み慣れてしまうと少しもどかしい気持ちになるかも。
でも直接的ではない表現が、かえって奥深いのかもしれない。
とはいっても、最後の1章にたどり着くのが長かった。
最後はジェットコースターだったけど。
父親の気持ちがほとんど描かれてないので、いまいちわからない部分が多い。
本人(長女)は納得出来たのか。
長い前置きのわりには最後が物足りなかった。
新聞に掲載されていたことを知らなかった。
でも多分この調子で毎日細切れで進むとしたら、ちょっとキツイ。 -
さびれた温泉街を見下ろす湖畔にある土産物屋の三姉妹の物語。しっかり者の長女を主人公にして前半は恋愛小説っぽく、終盤は離婚して離れた母の話も加わり家族の生い立ちが描かれ、連ドラやマンガを見てるように情景が浮かぶ小説でおもしろかった。