時計まわりで迂回すること - 回送電車V

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043499

感想・レビュー・書評

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  • 変質していくことと、そうでないこと、それらが共存していること、について考える。

    いつのまにかぼくは堀江敏幸を長い期間にわたって読んでいる読者になっているようであり、だからこそ感じることもあるのか、という、ただたんにああ!というだけの驚きだけでなく、少しずつ変容していく著者のすがたをなんとなくだがつかんでいるのかなあ、と思っている。

    直近に刊行された小説である『なずな』で感じた(よい意味での)違和感と、それによって見せられた「その先」のような、わずかな、でもわずかとは言えない著者の心境の変化をとまどいながらも受け止めて読んでしまっている身からすると、この本についても同じような感覚を抱いてしまい、著者の持つ感覚と、(著者がかつて持っていた、というようにしかもはや感じられなくなってしまった)いまのぼくの感覚の違いにはさびしさも感じてしまうのだが、こういうところも、存命の作家の書きものを読む上での楽しみなのかなあ、とは思う。まあ、すこしずつ、変容しているように感じる、くらいなものなので、だいたいはああ、やっぱりこのひとらしいなあ、とは思うのだけれど。

    なんだかよくわかんないことを書いてしまった。眠いからか。

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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