国が亡びるということ

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制作 : 佐藤 優 
  • 中央公論新社 (2012年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120043710

国が亡びるということの感想・レビュー・書評

  • 震災復興、TPP、ギリシア危機、中国・ロシア・北朝鮮との付き合い方…小泉政権下ではともに対極の陣営に組みしていた二人が語る『これからの日本と世界』について。僕はこれを読んで竹中氏への認識を改めました。

    はじめにひとつお断りしておかなければならないことがあって、今まで僕は竹中平蔵教授のことを『小泉政権下で新自由主義政策を推し進め、格差社会を生み出した張本人の一人』と思っておりましたが、この対談を読んで、そういった認識は『誤解』であったのだなと思いました。

    本書は竹中平蔵氏と佐藤優氏、小泉政権下では相反する立場であった人間が対談という形式で『現在』の政治や国際社会を語るというものです。竹中氏は経済から、佐藤氏は外交・インテリジェンスからそれぞれ異なった視座から語られる言葉の一つ一つが非常にスリリングな内容となっておりました。

    竹中氏の消費税増税の是非をめぐる発言に始まって、小泉政権の行った政策から喧々諤々となっているTPP参加の意義。これをロシアや中国はどのように見ているのか?さらには世界的に見た日本の官僚の『低学歴』についても衝撃的なことが語られ、過去問を解くことに特化し、指定された時間内で答案に再現する力のみに長けていても、それは『入場券であって十分条件ではない』という話や、中世のスコラ哲学における『悪魔論』を引き合いに出して現在の民主党は『正解を知っているからこそ、「間違い」ばかりを選んでエラーを積み重ねている』というパンチの聞いた皮肉には思わずにやりとさせられました。

    さらには現在世界でもっともホットな話題であろうイランとイスラエルの問題では佐藤氏のインテリジェンス能力の真骨頂が発揮され、裏ではさまざまな国やインテリジェンス機関が動いていることや、ヨーロッパにおけるギリシャ問題も竹中氏は経済の視点から、佐藤氏は地政学、世界史的な立場から解説されてあり、ギリシャは東ローマにルーツを持った国で『ローマ法』の伝統を持っていないという点で厳密には『ヨーロッパ』ではない。という分析は新鮮でありました。

    『人間という動物が常に成長をしてきたのは、殺し合いをせずに生き残っていくための英知なのです』という最後のほうで語られている言葉がとても印象に残っていて、『喰うか喰われるか』の国際社会の中でどのように生き残っていくかという問いにヒントを与えてくれるものであると思います。

  • 佐藤勝さん、最近よく目にするので購入。
    彼の言うインテリジェンス層というのは私と直接繋がり在る人々では当然ないのだが、そういう人たちの考えに興味はある。
    のだが今併読している読書の技法によればそういう高度な知識を自分のものにするためには基礎土台があるのが前提なので、私はやはりそこから組みなおさないとこの本だってキチンと理解出来てないわけよね、と思いながら読み終える。
    ギリシアの経済危機が単なる数字の問題でなくて、西暦三桁代の頃から繋がる、宗教や価値観の違いから端を発しているとは思いもしなかった。
    ロシアは地球温暖化を歓迎しているとか、米英はイランの核開発阻止のため要人の暗殺すら躊躇無いラインにきているとか、何それ陰謀論?虐殺器官のネタ?みたいな事が、本気で書かれている。
    そしてそれが遠い国の話でなくて、日本も否応無く対処していかなくてはならない問題なのだという。
    となると、自分の頭の空っぽさがやばいんで無いかと今更焦る。
    今の国政の話もずばずばと出てくるが、最終章は自立と成長を求める内容。そういう本を最近よく目にする。己の力でこれから来る難問、状況を切り抜けていかなくてはならない、そのために成長し続けなければならない。

  • この二人…噛みあうのかと思っていたら、しっかり噛み合っていた(笑) 新自由主義という経済政策はないという竹中さんの言葉は、あたり前なのだけどハッとさせられる。橋下市長をファシズムではなく、マッカーシズムで分析する佐藤さんの見解も唸ってしまった。

  • ○経済学者の竹中平蔵氏と作家・評論家の佐藤優氏との共著対談本。
    ○(少し古いが)民主党政権における財政、金融政策や外交政策の誤りについて、具体的な解説を行ったもの。
    ○自民党政権に移った現在であっても役に立つ、かなり深い内容。
    ○両者の知見の深さが感じられる。

  • フォロワー有坂丁さんのレビューを読んでの本棚登録。きっかけありがとうございます♪

  • 2013/03/15:読了
     佐藤さんという人は、誰とでもこういう対談集を出せるんだなぁ。
     「小沢革命政権で日本を救え」 は、副島隆彦さんとの対談だったし、
     今度は竹中さん。

     佐藤優というのは、対談相手にとって、心理カウンセラーみたいな
     ものなのかもしれない。

  • 歴史の勉強や古典を読むことは今の社会や政治を考える上で、大切と思わされる。といっても、経済学の古典を読みこなす力も時間もないので、こういった本でそのエッセンスに触れることができたのがよかった。新聞をもう少ししっかり読むようにしようと思いながら読了。

  • ふぅん、今の日本はこんな状況なのか、と読んで感心するだけの私が悲しい。

    大学では、特に理系は、企業からお金を集めている。その企業からの要求に素早く応えなければならないから、応用ばかりが重んじられて、基礎が疎かになっているって聞いたことがある。
    でも、アメリカでは、ちゃんとその基礎のところに重きがおかれている。

    要は、重要なものは何か、が分かっているかいないかなのかな。

    何れにせよ、教養0の私は悲しくなるので、これから頑張る。

  • 世界を冷静に見るためには教養が必要であることを痛感。
    本質的なことを議論できなくなっている日本の状況、
    現在の世界情勢を違った角度から見ることが出来た。
    大きな”ダイジ”なところで打ち手を間違えている状況を
    早く脱するためには一人ひとりが基本に立ち返りきちんとした
    議論を積み上げていくことが必要なのだろう。
    成長は目的ではなく人類が生きていくための英知であること。
    というのは慧眼だと思いました。

  • 竹中平蔵ってそういう人なのね。
    大人じゃん!

  • ポピュリズムとデモクラシーの決定的な違いは、「リーダーがみんなの言うことを聞く」のか、「リーダーがみんなを説得する」のか(竹中平蔵)

  • 経済学者の竹中さんと元外務官僚の佐藤さんの、現在の日本についての対談。幅広い見識を持ち、日本の政治を内から外から見てきた二人の対談だからこそ、結構な辛口仕上げに。

    内容もさることながら、佐藤さんの発言の節々から、日本人には「教養」が足りないんだなと痛いほど感じる。これは自分にも当てはまること。まだまだ勉強が足りない。

    知的欲求を刺激されたい人は、読んでみることをお勧めします。

  • 人としての当然の自助努力を怠ったまま、社会に対して文句ばかり宮日するような傾向にある
    本質的な議論ができないというのが日本社会の最大の問題点
    受験勉強では変化に対応できない
    今のヨーロッパは西ローマ帝国の末裔 ギリシャは東ローマ帝国
    ギリシャは古代ギリシャ人と関係ない 今のギリシャを建国したのは黒海沿岸のロシア帝国に住んでいたギリシャ人
    ギリシャの国債をフランスとドイツの銀行が大量にもっている。ヨーロッパが直面しているのはギリシャという一刻の財政危機ではなくて、ヨーロッパ全体の銀行危機
    危機に直面した時の対応 1 なるべきことを正しく実行する 2 なすべきことを、全く、あるいは不完全にしか実行しない 3 してはならないことを実行する 4 してはならないことを実行しない
    ロマン・ロラン 英雄とは自分のできることをした人である ところが、凡人はそのできることをしないで、できもしないことを望んでばかりいる
    2012/2 官邸で政策作成のキーパーソンは斎藤つよし官房副長官
    リーダーというのは何をする人なのかを突き詰めて考えると、社会や組織に異質なものを持ち込める人なのだと思います。
    相手の主張を認めた上で、ただこうしたほうがよりよくなると指摘するのがクリティーク
    ポピュリズムとデモクラシーの決定的な違いは、リーダーがみんなのいうことを聞くのか、リーダーが皆を説得するのか
    一個人の独立なくして、一国の独立はない
    チャーチル 成長はすべての矛盾を覆い隠す

  • 本質的な議論ができないのが、日本の最大の問題点という、竹中氏の指摘が通底にある一冊。続編も読みたい、佐藤優さんと竹中平蔵さんの対談本

  • 経済、国際政治から見た日本のあり方について、すごい考えさせられる本。自然を含めた地球に対してのあり方、を考えられる人にもう一人混じってもらいたかった。

  • 対談のキッカケは「はじめに」にある竹中氏に貼られた新自由主義というレッテルや誤解を剥がし伝えたい欲望から来ている
    お互いがレベルの高い実務者なので読んでいる側も痛快で面白く目が離せない内容で爽快感すらあります

    日本の官僚社会は世界の中で見るとあきらかな「低学歴社会」です。 竹中氏P.64

    もし、経済を成長させることを諦めて、「分配」の仕方でものごとを解決しようとするならば、これは熾烈な闘争になることを覚悟しなければなりません。人間という動物が常に成長を希求してきたのは、殺し合いをせずに生き残っていくための英知なのです。 佐藤氏P.199

    TPP・官僚の劣化・欧州問題・北朝鮮・イラン・外交・小泉時代・橋下徹どこから見ても読み応えがあります

  • 今の日本で僕が注目する人同士の対談。しかも、出たのが最近なので野田内閣含めて、今の日本をどう考えているか、今後どうあるべきかを知るには非常に適した一冊だった。
    ギリシャの地政学的な性質が理解できれば確かに現状も理解できる。橋下さんも外交、国防について実際の行動を起こしていない(大阪市長なので起こせない)ので、国政に出た時の評価は未知数である。佐藤優氏や手嶋龍一氏らを外交ブレーンにすればよいのに、と思った。インテリジェンスの強化に着手していただきたいかな。

  • 以前地元で佐藤優さんの講演を聴いた事があった。佐藤さんと竹中さんの対談を出版した本とのこと、書店で目に付いたので読んでみた。佐藤さんの目から見た竹中さんという人が、少し分かったような気がした。

  • 経済、政治、社会って面白い。
    興味を持ったのがもっと早ければよかったのに。
    けど、勉強してみようと思う。

  •  新自由主義の権化と目されてきた竹中平蔵氏と佐藤優氏の対談。この対談は佐藤氏から持ちかけたという。佐藤氏が竹中氏の著作を読み進めるうちに、氏の経済理論は決して新自由主義に凝り固まったものでは無いことを説いている。

     対談中で、縦割り行政の弊害の一例として、戦中の陸軍による空母建造のエピソードを佐藤氏が紹介している。

     大阪の橋下市長に関してはその行政手腕を評価しつつ、自治体から国政へとコマを進めた時に、国の安全保障についてどういう対応をするのか?それまでは、無闇なレッテルを貼るべきでは無いと、二人とも傍観の構えだ。

  • やるべきことをやる。未来の為に自分自身を高めて
    今の時代にあうように必死に生きていく事をメッセージに
    していると思う竹中さんはいつもいい。
    「自助努力」「自立」「そして助け合い」

    最後の佐藤賢の文もいい。

    「人間は自分が食べる分以上の価値を作り出さなければ
     ならない」というのが古典は経済学からマルクス経済学に
     継承された労働に対する基本的な考え方です。人間という
     動物が常に成長を希求してきたのはころし合いをせずに
     生き残っていく為の英知なのです。

    そしてチャーチルの言葉もいい。

     「巨大な利益をあげている企業を悪徳企業とは思わない。
      損失をだしている企業こそ悪徳企業である」

    深い。。

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国が亡びるということの作品紹介

震災復興、TPP、ギリシア危機、中国・ロシア・北朝鮮との付き合い方…、いつからだろう?日本で「当たり前」の思考が「当たり前」と受け取られなくなったのは。

国が亡びるということはこんな本です

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