- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044236
感想・レビュー・書評
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初出 讀賣新聞夕刊(2005年3月~11月)単行本化に際し大幅に加筆。
久々に手にとった重松新刊作品。重松作品、以前は発売日に買って胸を高鳴らせながら読んでいたのが本当に懐かしく思いました。
廃校が半年後に迫ったニュータウンにある東玉川高校、通称トンタマで学ぶ高校生四人組の半年間を綴った物語。
例えば近年の重松作品の傑作と言われている『とんび』のように圧倒的な感動を求めて本作を手に取ると肩すかしを喰らうかもしれない。
重松さんの他作のようにある問題提起(たとえばリストラやいじめ)を読者に投げかけるとか、そういうスタンスで書かれた作品じゃなく、いろんな問題(社会的な問題、家族の問題、恋愛)を重松さんなりに人生の通過点として青春小説として無難にまとめた作品のような気がする。
上記以外の登場人物でもっとも個性的であると言えるジン先生のキャラもそんなに際立ったものだと思えないが敢えてそう書いているのでしょう。
そのあたり新聞連載ということも影響しているのかなと思ったりもする。
紅一点のムクちゃんはネタローにはもったいないような気がすることをつけ加えておきたい、男性読者の方是非確かめてください(笑)
重松さんの作品の中では爽やかな作品だと言えるかもしれないが、多少主人公であるネタローがはっきりしない奴だなと思って読んだ読者も多いだろうと推測する。
ただ、仲間の大切さを謳っている点では読者に伝わることは間違いのないところであり、涙頂戴なしでも筆力の高さを窺い知ることはできますがたとえば重松作品を20冊以上読まれているような方には物足りないと感じるかリラックスして読める作品なのでしょう。
作中で何度も使われる“レッツ・ビギン!”という言葉に集約されるように、どちらかと言えば、中年読者が過去を懐かしく振り返るような作品と言うより、若くて夢のある読者の背中を押してくれる作品だと言えそうですね。
私は少しビターで爽やかな青春小説としてまずまずの評価をしたいと思う。
そして未読の重松作品も手にとりたいなと思っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了した重松作品の中で一番ニタニタしながら読んだ作品
軽~く読めて楽し~くてがんばろーって気持ちになる
今まで読んだ重松作品は心の《内》にグッとくる【静】の作品が多かったのですが
この作品は
『やろうよ!考え込むのであれば!!やってみようよ!!!」
っていう【動】の作品
《外》にむかって行動してみようよって感じ
こういう重松清も好き!!
一番印象に残った言葉【ダシ】
隠し味の【ダシ】
社会において黒子のような人物も大切だってこと
縁の下の力持ち・・・いなけりゃ困るよね、味気ないよねって
http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-215.htmlより -
廃校になる高校の最後の生徒達の『レッツビギン』
ピエロさんに教わり、ジャグリングやディアボロをしながら、何を始めるのかを考える。ゆる〜い青春モノ。重松清で泣くぞ〜、と思って読むと肩すかしをくう。 -
久しぶりの重松作品
廃校になる都会の高校の最終卒業生
普通に平々凡々な彼が その高校の一期生の教師は
赴任して来ることで 色々な事象が動き出した。
恋に受験に 変わっていく様が重松作品らしい
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何かを諦めかけた人へ、そっと背中を押してくれる本。
他人にとって「で?」って事でも、自分にとって大切だと感じたことなら全力でやりきること、それを大事にすること。
そんなことを教わった気がする。 -
最近心が沈みがちだったので、前向きな作品を。
いくつになってもこの作品の登場人物のようには生きられないだろうけど、そんなクサさの中にも刺さる言葉があるから油断できない。年をとるにつれて、刺さり方が鋭くなってきた気がするな… -
郊外のニュータウンにある廃校が決まった高校の青春群像.他の重松作品に比べ少し陳腐かな.
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煮え切らない主人公。ある事から目覚めて行くのだが、それまでのトンネルが長い。