闇医者おゑん秘録帖

  • 中央公論新社
3.55
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044748

作品紹介・あらすじ

女の人生は一つではない。哀しい子を身ごもった女たちが闇医者をすがってやってくる。おゑんが診るのは、患者の身と心。しなやかな女の強さと美しさの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 10年も積読してしまったが、想像していたよりもずっと良かった。
    確かに女の人生は一つではない。
    でもなぜ、いつも傷つけられ、苦しむのは女なのだろう…。女しか身ごもることはできないからか。

    人生のステージによっては、しんどい一冊かもしれない。
    身ごもれなくても地獄、身ごもっても地獄。
    それは、確かにある。

    ぴたっとくっついてくる子どもたちの体温がいつもより愛おしく感じた。

  • 闇医者ったって、江戸時代に医師免許なんてなくて名乗れば誰でもなれたんだそうで、おゑんさんは裏稼業でもなんでもなく、衆目の一致する立派な助産医じゃありませんか。ときに中絶を施すんで闇を称えてるんだろうけど、妊婦に寄り添い出産を促したうえで、あくまで妊婦自身の判断を尊重してのことだからね。そりゃあもう立派なもんです。おゑんさんの生い立ちもご紹介いただきましたが、なるほど、あの時代においてグローバルな出生でござんす。一家のご不幸を悼むとともに「わたしは赦せるだろうか。赦されるだろうか」と母の言葉が染み入ります。

  • 堕胎を行う闇医者おゑん。人の汚いところもいっぱいでてくる。そんな中で、自分の足で立って、自分の考えを持って生きること。

  • 20230113

  • その昔の日本人は、性におおらかなところもあったように思いますが、それでも公にできない男女の間に宿った命は、日なたの道を歩けなかったんですね。おゑんは、そんな命に誠実に向き合って、女たちを体だけでなく心も支えようとする闇医者。彼女の来し方に触れたとき、その闇の向こうに見えるものとは──

  • 一気に読めた。

  • 2020.04.24

  • あさの作品の違った側面を見せてもらった。川獺でのミステリー的な時代小説ではない。
    現代の臨床心理学にもつながる描写が至る所に散りばめられ、面白い。おゑんは春の質問の子供がいるかについては最後まで答えなかった。読者に考えさせるということか。

  • 子を堕ろすため訪れた女たちの身と心を診る、闇医者のおゑん。女の人生は一つではない。哀しい子を身ごもった女たちが闇医者をすがってやってくる。おゑんが診るのは、患者の身と心。しなやかな女の強さと美しさの物語。

  • 6

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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