- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120044939
作品紹介・あらすじ
誰より強くあっても、すべてを知っていても、死ねば消えてしまう。それなのに、何故求めるのか。そう…。立ち向かおう。いつも、命を懸けて、ただ剣を振れば良い。生きているから、恐くなる。しかし、剣を持てば、もはや生きた心地は消える。だから、恐くない。
感想・レビュー・書評
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「鉄砲とやり合うときは、どうするんだ?」
「逃げます」
「え?」
シュールで笑える。
剣の道は、人それぞれらしい。
装丁が綺麗すぎて感動した。 -
誰より強くあっても、すべてを知っていても、死ねば消えてしまう。それなのに、何故求めるのか。そう…。立ち向かおう。いつも、命を懸けて、ただ剣を振れば良い。生きているから、恐くなる。しかし、剣を持てば、もはや生きた心地は消える。だから、恐くない。
「BOOKデータベース」より
ゼンという主人公にはどこか惹かれるところがある.強くなりたいと思いひたむきにそれを求めるところ、自分の認めるところの人には素直に教えを請うことができるところ、先入観をもたないように心がけているところ.どれも、自分も以前はもっていたように思うものだけれど、今は自信をもってもっているとは言えないものばかり.
お侍の剣の話なので、他のシリーズより多くの人が亡くなるけれど、どのシリーズよりも人間の芯の柔らかいところを扱っている話である気がする. -
剣豪シリーズの3作目。
展開というか、ゼンの正体というか出生の秘密は、何度も示唆されていたことではあるけれど、思っていた通りで、やはりな! と。
しかしそこに至る過程や登場人物が魅力的だし、削ぎ落とされた文章もこの作品世界にはぴったり。
今作では、ヤナギとの邂逅、旅館での不幸な出来事とその際の対処の仕方と気持のやり場、子供への対応や真摯な説明など、ゼンが成長していく様が描かれているのだろうが、旅館での出来事は読んでいる方もスッキリしないモヤモヤを抱えることに。
それがゼンと読者の思いをリンクさせることにもなっているのかな?
「ヴォイド・シェイパ」から始まる森博嗣の剣豪シリーズはてっきり3部作だと思い込んでいたけど、どうやらまだ続きそう。
作品世界をまだ楽しめるのはとても贅沢な時間だ。
物語最後のノギとのやりとり。
自分を想ってくれる人、生きていて欲しいと願ってくれる人、そんな人がいて、そしてその人が側にいてくれる。
きっとそれはとても素敵なことで、どうしようもない奇跡なのだろう。 -
相変わらず装丁が美しい小説です。惚れ惚れ。
山を降りたばかりのゼンと今のゼンを比べると、ゼンがいい意味で人間くさくなっていて、ゼンという人間が少しずつ形作られているようで面白かったです。
そして、ゼンの何も知らないからこそ生まれる少しズレた感覚や会話は相変わらず微笑ましかったです(にこにこ)。 -
森さんの新刊を読めるという喜び!待てるという喜び!
たぶん、この手のテーマは失敗するとすごくくどくなってしまうと思うのだけど、森さんの文章だとフラットな気持ちで読める。
このシリーズは、とても真摯に知的好奇心の原点が表現されているように感じる。
それにしても、カバーが本当に美しい。 -
シリーズ3作目
ますます面白くなってきた。
ゼンの吸収力が半端ないな。
作者は理系の教授だけあって、思考も論理的だなと感じる。そこが好き。 -
このシリーズでは一番好み。
どれも嫌いではでないけれど、初めて面白いと思いながら読んだかもしれない。