Sの継承

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著者 : 堂場瞬一
  • 中央公論新社 (2013年8月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120045301

Sの継承の感想・レビュー・書評

  • 50年前のテロ未遂事件と、その未遂事件を50年後、実現しようとするテロリスト「S」と警察の攻防を描く。
    旧軍が開発した毒薬「S」を使って、テロを起こす目的は一緒だが、50年の歳月で、テロを起こす背景が激変している時代を、1部と2部で分けて描かれている。
    50年前の事件は、あまりにも時代が遠すぎて、読んでいても、なかなか理解出来ないけど、後半に入り、ネットを使った犯罪に変わっていき、一気に読むスピードも上がった。政治的思想に同感するところは一切ないし、解決に至るプロセスも若干雑だと思うところもあるけど、事件の時代背景を読むと思えば、それなりに面白い話だった。

  • 読み応えあった。
    政治的な主義主張の硬さと、現在起きている事件のスピード感が混ざって、読みやすかった。
    ただ、官僚専制主義?の実現可能性をもっと深めて欲しかった。
    国重さんの晩年の行動や思想がどうなったのかが気になった。

  • 1963年、東京オリンピック開催前の準備に沸き立つ時代。国家を揺るがすクーデターが計画されていた。戦争終了後、会社を経営し潤沢な資金を持っていた国重は国をただすという正義の名の下、クーデターを計画する。
    武器は「S」という毒ガス。核兵器と同じで使用せずに国家を揺さぶろうとする。メンバーはわずか7人。
    国重はメンバーの中の過激な思想を持つ2人に迫られていた。強行すべき。しかし、国重は工藤という公安警察官に作戦の妨害を依頼する。
    2013年、一人の若者が同じく国家を正すという名の下、クーデターを計画する。武器は「S」。
    同志はネットで募った。東京の10か所に毒ガスを仕掛けた。首相を人質にとり、議員総辞職と憲法改正を要求し、国会議事堂前にワンボックスカーで立てこもる。タイムリミットは12時間。警視庁捜査一課の峰脇は犯人に迫る。

  •  著者は、福島原発事故後の原発反対デモと、50年前の安保反対運動を重ね、大衆がどれだけ大勢集まって大声で社会変革を叫んでも何も変わらないことの苛立ち、政治のふがいなさからこの作品を書いたのだろう。
     だから、前国会議員を辞職させ、憲法も改正し、直接民主主義の社会を妄想する。
     50年前、日米安全保障体制によりアメリカの属国となることを止めるため、旧陸軍が開発した毒ガスを使って革命を起こそうとしたグループがあった。が、実行直前、その計画は止められた。
     だが、時が流れ、そのメンバーの一人が若者にすべてを教える。老人となった元革命家は同志が必要と説くが、友達もいない教え子はネットを使えば一人でできるととし、2013年、50年前の計画をトレースした革命を一人で起こす。

     正直、ちょっとクドイ。そして、結末がいただけない。あまりにあっさりと解決しすぎる。著者は政治的な怒りを書くことに力が入り過ぎ、終わらせ方が分からなくなったのではと思ってしまう。
     ガスの設置場所が50年前と同じなので見つかってしまうとか、ネットで犯人の素性が公開されると大衆が引いてしまうとか、スマホで起動する仕掛けを基地局を停電させることで止めるとか、なんかご都合主義で残念。
     そんな底の浅い、虚栄心の強い青少年が大勢いそうな気はするが、大仕掛けの物語の結末としてはさみしい。

  • テロから革命を起こし、日本ではろくに機能していない議会制民主主義に変わる、新たな仕組みを作る。明治以降この国は大筋では議会制民主主義を続けている。しかしそれが国のためになっているかというと大いに疑問であることは確かだ。Sという旧軍が開発した強力だが取扱が容易な毒ガスを復活させた理系学生が時代をまたいでこの国の仕組みに挑戦し、国家を恫喝していく様は緊迫感があり面白い。しかしクライマックスにかけては疑問符がついてしまう。なぜ共犯者が次々と自首や暴露をしていってしまうのか、主犯が19歳というだけで、共感者が一斉に引いてしまう(仮に35歳なら火は消えないのか)ものか、Sを最初に創り出した主犯の師が最後になって実行を躊躇した理由はなにか、そして1千万円かけて気密防弾車に改造した車がリアウインドウのみ施工していなかった事が事件解決の端緒となるが、余りにご都合主義的だ。最後に希望は残るにしても、結局は権力の維持装置である警察と、それに守られた政府が勝者となる結末にも落胆させられた。途中まではミステリにおいて今年最高に面白かっただけに残念である。

  • 新しい日本を目指して、革命をもくろんだ男たちがいた。
    「武器」によって、対応に苦慮する警察の苦悩。
    ボリュームはあるが、現代に戻ってからは、スピードに乗れる。
    ただ、過去も現在も、思想的に頭でっかちで、国民の支持を得られる気がしなかった。

  • 9月-9。3.0点。
    650頁の大作。50年前の未遂事件と、現代の事件。「S」を
    名乗る現代の犯人。繋がりは何なのか。
    現代編に入って、一気読み。前半は少しまどろっこしい。

  • 題名は地味だが、テーマは過激だ。革命思想が50年の時を越えて引き継がれ、ネットという強力な遂行手段によって現実化する。ネットがリアルな世界に革命をもたらす力を持っていることは、アラブの春で実証されているけれど、本書はその脆弱性も見事に描いていると思う。ネタバレになるので詳しくは書かないが、これからの(或いはすでに現実化されている)社会の姿を示唆しているようで、とても興味深いと感じた。

  •  いくら正義を述べても、一つの武器で社会は変わらない。
     そのことを表している。
     どこかの首相は、口先だけで、のっぴきならない状態を作ってしまった。
     武器よりもごまかしの方が、何倍も始末におえない。

  • 読み進めるのは難しかった。あまり何も起こらなかったから。
    工藤の飄々とした雰囲気は面白かった。
    年齢のせいで日和っただけか、年齢を重ねた事で見えてくる事があるから革命を辞めたのか。革命や思想って変わってしまうものだし、一番いい時で止めておけないのがせつねぇな。

  • #読了。50年目のクーデター未遂事件が、時を経て2013年に甦る。国会議事堂前に、毒ガスとともに車に立て篭もった犯人の要求は。。。500ページ超に及ぶ長編だが、50年前の未遂事件部分が不完全燃焼の様な気が。現代に入るとスピード感があり、一気に読めた。

  • 主義主張は横に置いといて、、、
    主人公が国会前でどうしたかったのかが分からない
    せっかくネットを使うなら隠れてやったほうが効果があるだろうに...

  • 借りた時に、思わず笑ってしまったぐらい物理的に分厚くて、重い。
    内容もこれだけの厚みなら、もっと緊迫した展開になるかと思ったけど、そうでもない。
    武器としての毒ガスも、最初はオッと思ったけど、あらためて思い直してみると、貧者の核爆弾かということで、目新しさもなかった。
    最後の部分を書きたくてここまでの長文にしたのなら、少しやりすぎかなて感じでした。

  • 最近の堂場作品では1番だけど、登場人物の描写が中途半端かなぁ…

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    1963年、五輪前夜に人知れず計画されたクーデター。2013年、警察を翻弄する連続毒ガス事件。時空を超えたふたつの事件を繋ぐミッシングリンクは白骨死体と「S」。その正体とは!?

  • 60年代の計画編、現代での実行編。
    電車での移動時間に読むには丁度よい軽い読物。物理的には重いが。

  • 分厚い…が、最初の現代編は「おっ」と思い読み続けるがすぐ60年代編へ…ちょっとかったるいが我慢していけば読み続けられます。

    また現代編に戻りますが、ソコからはあっという間に読み終わります。

    結局1人ではどうにも出来ないし、そんな孤独な人間が日本を変えようと考えますかねぇ~疑問に思います。

  • ページ数ほどの中身はない。

  • ひさびさに本読んだ。ちょっと長かったけど面白かった(´ω`)

  • 公安関連かと思ったら違った。
    50年前の計画も人選含めて甘さが目立つ。

  • まあ結局、底が浅い計画なんだよねえ~
    ただ、成功しないことは当たり前の結末と思って読むんだけど、もう少しちゃんとしてるかと期待は持たせてくれたので、長さはさほど感じなかった。
    しかし、今も昔も変わってないんだねえ、日本は。困ったもんです。
    あと、単行本で600ページ近いのは勘弁して欲しい。とにかく重い!

  • なっ長い…
    そして、計画が今ひとつ中途半端な感じでした。
    結末も、最後のは要らなかったかな…

  • なるほど。最後にきて題名の重さがジンときた。堂場さんの心の奥にあることなのかと思ってみたりw にしても第一部は必要なのかなあ。二部だけで充分に堂場ワールドだけど。同じ世代じゃないととっつきにくいし途中リタイヤしないように娘には二部だけ読むように言うつもり。

  • 序章を読んでこれはおもしろそうだと・・・だが第一章は初めのうちは良かったが、政治色の強い反社会的な思想についていけない気持ちになった。古い話で、面白みがない。
    で、第2章は再び現代、第一章があってこその第二章なのだ。
    革命を起こす思想は受け継がれていく。思想を受け継ぎ犯行に及んだ犯人と警察との攻防は、ネット社会を反映したものとなり興味深かった。

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Sの継承の作品紹介

1963年、五輪前夜に人知れず計画されたクーデター。2013年、警察を翻弄する連続毒ガス事件。時空を超えたふたつの事件を繋ぐミッシングリンクは白骨死体と「S」。その正体とは!?

Sの継承はこんな本です

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