- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120045479
感想・レビュー・書評
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聞き手が上野さんて凄いな。東日本大震災を受けての対談なんだけど、今のこの不穏な空気感で読むとまた興味深い。なんならそこから10年経っても何も変わらない日本が悲しい
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2011年の原発事故を受け、上野千鶴子が12人の女性たちの対談録。対談相手は、髙村薫(作家)、瀬戸内寂聴(作家、天台宗尼僧)、永井愛(劇作家、演出家)、国谷裕子(キャスター)、田中眞紀子(前衆議院議員)、辛淑玉(人材育成コンサルタント)、浜矩子(経済学者)、加藤陽子(歴史学者)、中西準子(環境リスク学者)、林文子(横浜市長)、澤地久枝(ノンフィクション作家)、石牟礼道子(作家)というバラエティ豊かにして珠玉の面々。
特に面白かったが、加藤陽子、中西準子との対談。どこか一歩引いたような感じを受けてしまった。いわゆる知と理と論で成り立つ学者の世界だからこそ説得力があるところに、女性的な視点(この場合、なれ合いにならなかったり、学者バカにならないという意味)が絡まることで、思い切りよく斬新で裏付けのある話が生まれてくる感じがした。対して、作家の話はおしなべて観念的というか、一歩引いているような感じがしてしまった。
もともとは「婦人公論」に連載されたものだとか。果たして日本の他の雑誌でこのような企画が成り立つだろうか。男性を読者対象に入れている雑誌では成り立ちにくいし、天下国家や社会的な課題に日ごろから触れている雑誌でないとまた成り立ちにくいのではないかと思う。その点で「婦人公論」は稀有にして貴重な雑誌だ。 -
雑誌「婦人公論」での連載対談をまとめた本。
すべての言葉がすんなり沁みるように入る。
本当に第二次大戦の総括をしないと、日本のこの責任逃れと先送りの宿痾に変化が現れようがない。
私自身、政治的なことに対して、どう判断するか?と考えるとき誰かの意見にめちゃくちゃ左右される。
そして“わかりやすさ”に流れる軽薄もの。そっちは絶対注意と戒めても、思考の土台となる根っこがないもんだから揺れまくる。
自分のバカさと教養の無さが大きな原因だが、それでも、あの戦争のときのデジャブか?とも思える3.11後では「何が失敗で、誰に責任があって、何がどうだったのか?」という総括は歴史授業で絶対にやらないといけないと強く感じる。
未来を創る上で絶対必要だ。
日本という国は、また民を守らず棄てる、と語るこの対談の女性たちの声を権力の中枢にいる男どもは本当にどう聞いてるんだろうか。
-髙村薫
-瀬戸内寂聴
-永井愛
-国谷裕子
-田中眞紀子
-辛淑玉★
-浜矩子★
-加藤陽子★
-中西準子
-林文子
-澤地久枝★
-石牟礼道子★
★読んだことない方もあり読みたいのと、改めて読み直したいのと。