あなたはまだなにも知らない

  • 41人登録
  • 2.83評価
    • (0)
    • (1)
    • (3)
    • (2)
    • (0)
  • 5レビュー
  • 中央公論新社 (2013年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120045554

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

あなたはまだなにも知らないの感想・レビュー・書評

  • 一人の特別な女性の特別な物語、なのだけど、私達の誰もが多かれ少なかれ、普遍的なものを抱いている。
    この作品も例外でなく、私自身の感情をぴたりと言い当てるような言葉に何度も出くわし、はっとした。
    文章はかなり読みにくいけれど(推測でしかないけれど、訳のせいではなくて元々がそうなのだろう)、読ませる力がある。
    一つの話というより、場面ごとにパラパラと降って来るような作品だった。

  • 請求記号:953/Mou
    資料ID:50073829
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  • 『パリに戻ってからは、島でみた家が頭から離れなくなった。それは私の中に見ず知らずの他人の肉体の如く棲み付き、私が意図的に残しておいた空白の細胞さえも勝手に植民地化してしまい、我が物顔でそこにいた』

    息を吐く暇も与えない言葉の流れに、窒息しそうな苦しさを覚える。この川の流れの行き着く先はどこなのか、それが気になるような心持ちがして読み継ぐのだが、実際のところそれ程興味が湧いている訳でもない。流されているのか、自ら流れを切り裂いて泳いでいるのか、どちらとも決めかねる心地で、ふらふらと漂うように読み進める。

    この言葉の連なりを読み進めるには、少なからぬ意思の力が必要であるとも思う。その力は一体どこから湧いてくるのか。それがもやもやとした違和感に根ざしたものであると気づけば、ヴィルジニー・ムザの文章を読む速度は一気に加速する。言葉が頭の中に無理やり作り上げようとする素描に身構える必要はないと、ただその言葉の流れの中にある淀みや矛盾の生む違和感に身を寄せるのみであると覚悟するだけだ。

    遺書を思わせるようなこの文体の小説が、物語として残す印象は極端に少ない。しかし、其処彼処で描写される風景や場面の心象は、まるで優れた写真家の残す映像のように鮮やかな残像となって留まろうとする。その鮮やかさは、被写体に内在する美しさというよりも、シャッターを押すものが心象を風景に投影して作り出すものであるのは言うまでもない。そして恐らく、そのような投影を可能にする力は、自身の中にある激しい葛藤が生み出すものなのだろう。ヘルムート・ニュートンの写真の中の淫靡さが被写体となった女性の中に潜んでいるものではなく撮影する側の投影するものにある、と作家がいうように。そして、それを観るものが、そして文章を読むものが、そこに自らの葛藤を更に投影して、鮮やかさは増幅されるのだ。

  • 私には合いませんでした。

  • 読売新聞(2013/11/10)の著者来店にて紹介。

全5件中 1 - 5件を表示

あなたはまだなにも知らないを本棚に「積読」で登録しているひと

あなたはまだなにも知らないの作品紹介

限りない孤独と、自分の特異性を受け入れ生きていかなければならない女。彼女はその逆境から救われ、自分を受け入れてくれる男と巡り合えるのか。彼女を取り巻く世界は、楽園なのか、それとも地獄なのか。フランスでベストセラーとなった衝撃の作品。

ツイートする