下戸は勘定に入れません

著者 :
  • 中央公論新社
3.25
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本棚登録 : 292
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046148

感想・レビュー・書評

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  • お酒を飲み、条件が整えば、同席者とともに過去にタイムスリップしてしまう古徳教授。こういうファンタジー設定は西澤さんらしい。連作短編でラストには大団円。ギスギスしたことになりそうな出来事が起きているのに、そうならないのも西澤さんならではなのかもしれない。

  • ユルユルのタイムスリップミステリですが、読後感はすごくさわやかでこの世界にずっと漂っていたい。そんな思いをさせる作品でした。
    最近の西澤保彦作品のようなどす黒い感じはなかったのは良かった。
    二話目の三角関係の関係性の推論はさすが西澤保彦って言う黒さはかいまみえました。
    近年の作品では読後感さわやかすぎでした。
    読後感は「七回死んだ男」以上にいい。

  • あまり実用性のないエスパーが、その特異環境でロジカルな謎解きを行う、著者専売特許みたいな短編集。
    あらすじは西澤保彦なら馴染みあるものだが、同じタイプの作品中でも印象に残る面白さ。
    今回、連作短編ということもあって「能力・状況設定」「謎の発露・発展」「論理的な議論・解決」がとにかくスタイリッシュに納められている。突拍子もない話を、60ページ程度で、違和感はなくむしろ馴染みあるくらいに話を進めるセンスはとんでもない。
    この美点は、全編をひとつの長編として捉えたときも有効で、大前提が既に奇抜なのにも関わらず、よくまぁというほど派手にストーリーを転がす。
    ラストがいくらなんでもズルい収束だが、中年のタイムスリップものであり、面白可笑しい青春小説の側面も持つ良作。
    4

  • 出てきたウィスキーを飲んでみたいと思いましたw 悲しい出来事などもあるが、最後のハッピー感が良かった。

  • おもしろかった。
    のんだくれ×超能力
    んでもっておっさん×美女
    とゆー西澤さんのオハコ展開。
    なぜあんなパーフェクトちっくな女性が
    自殺願望だらけのおっさんに魅かれるのかは、
    神のみぞしる。

    あいかわらずこの人の怒涛の推理展開の部分は
    読んでてどどどど~~って感じがしておもしろい。
    いっちゃん最初に読んだのは麦酒の家でしたが、
    あれと同じカタルシスがありますなー。

    まあ、息子の彼女と寝取る(言葉通りの意味で)父とゆー展開はいくらなんでも「それはない。」と思うが・・・。

  • 安定の西澤節、少しの謎と少しの恋の要素がうまく絡みあってる感じ何も考えずに読めるのがいい

  •  二つ目までは、少しシリアス。
     それを過ぎると、ちょっとトーンが。
     華やかで、微笑ましいのも良いんじゃないの。

  • ストーリーのキーアイテムとして酒が出てくる。そのため、ミステリーはあまり読まないジャンルではあるが、酒好きとしては取っ掛かり易かった。
    主人公の母親、主人公、さらに親友の娘と世代を越えてタイムスリップが登場人物達の運命を変えていくのがおもしろかった。

  • 西澤保彦らしい連作短編集。
    過去に一緒にお酒を飲んでいれば、その相手と同じお酒を飲むと過去へタイムスリップしてしまう体質を持つ主人公。
    学生の頃の友人と再会し飲んで過去へタイムスリップし、友人と当時の自分の恋人が密会する場面を目にしてしまう。だが友人も何かに気がつき動転していた。
    タックシリーズでもあるが、飲みながら推理するこの形態はアクロバティックで面白い。色々と強引さはあるもののオチも良く出来ていて読了感は二日酔いどころか爽やか。

  • 条件が揃うと、同じ条件の過去へと
    道連れと一緒にタイムスリップ。

    な、連続短編集。
    しかもこの短編、ひとつ終わる毎に
    1日経っている状態。
    ある意味、濃い年末です。

    しかし主人公、いい年なのにここまで飲んでも
    翌日まだ飲んでいる…。
    肝臓強すぎですw
    とかいう前に、これほどまでに条件が一致するような
    飲み方をしている方が問題あり?

    まさかの出征の秘密から始まって、まさかの繋がり。
    あらびっくり、とかいう問題ではありません。
    しかもあの最後。
    この物件でいいのかと騒ぐよりも
    まぁいっか~な空気が…。
    主人公だけが慌ててる感じが面白いw

    死にたい願望のために生まれた誤解は面白かったですが
    結局、冷蔵庫の中身は誰がどう補充を??

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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