Red

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著者 : 島本理生
  • 中央公論新社 (2014年9月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046544

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Redの感想・レビュー・書評

  • 「夏の裁断」が思いのほかよかったので、こちらを手に取る。ざっくりと20代の頃、付き合っていた男性鞍田と再会し、かつての自分を取り戻していく。いわばピカレスク小説。
    前半は上質なオンノベを読んでいるような感覚に陥ったが、後半ページをめくる指がゆっくりになりぐっときた。
    ヒロイン燈子の旦那真を、ボヴァリー夫人の旦那に重ね合わせて読んでました。
    作中燈子をこじらせ女子と揶揄する場面があったが、流され女子だよ、と突っ込んでました。
    それにしても、「夏の裁断」は、文芸作だったんだな、とつくづく思った。

  • 自分をわかってもらおうとすること、相手をわかろうとすること、ちょっとした思いやり、この夫婦にはこれらが決定的に欠けている!(偉そうに言えないが)
    「人生はほんの一瞬でも本気になれたら十分」という小鷹さんの持論は、ちょっとわかる気がする。エピローグを読んで物足りなさを感じながらも安堵した。翠ちゃんに幸あれ。
    これ月9でやればいいのに。いや、木10かな。
    ★塔子サン、スキだらけで流されすぎ!!

  • ただの欲求不満の主婦のはなしじゃねえか!

  • 不倫小説という触れ込みで手に取ってみる。
    確かに不倫という行為が中心に話は進みますが、不倫はきっかけにすぎず、主人公の女性としての(という表現にモヤモヤしつつ)再生が描かれていた気がします。

    軽いタッチで序盤が始まり、気づいたら一気読み。面白かったです。

  • よかったです。読み応えあります。
    性描写にはちょっと辟易しますがそれは私が男性だから女性のそういうのはあまり聞きたくないからかもしれません。
    元愛人との最初の恋、夫との離婚協議の結果、これらの内容をあえて語らないことで論点がはっきりしていいです。
    私小説みたいな感じ?キャリアとは仕事+プライベート人生その元を指示しますけど、小説家にとって小説とは人生そのものと=プライベート、プライベートの体験をさらけ出すものなのでしょう。

  • 官能的ってほどでもなかったな。
    うん、妻だったり母だったり
    いろんなカテゴリが付随したって
    人はそう変わらないのかも。
    自己肯定感が低くなる気持ちはわかる。
    みんな歪んでるものだ。

  • 「リトルバイリトル」「ナラタージュ」以来久しぶりにこの方の小説を手にとりました。なかなかインパクトのある表紙と帯。透明感のある小説を書く人だな~と上記2作を読んで思っていたので、なぬ、官能の世界!?と。

    最初、塔子は主婦として母としてなんて隙だらけで男のいいなりでだらしがないんだろう?と思ってイライラのしっぱなし。こんな女、いるの?みたいな。イヤイヤいいつつどんな男でもホイホイついていって受け入れちゃう。大嫌いなのよ、こういう上品そうなふりして尻軽な女。
    あ~薄っぺらな内容だな~…なんて思った。
    が、中盤以降。塔子のその男にあわせる、なにもいわない性格の理由がわかっていき、そして親と同居で中身は息子のまんま、子供もろくにみられず、セックスすらないがしろにして妻をよろこばせられないなさけない夫に今までたまりにたまったものを吐き出し始めた塔子にスカッ!(笑)
    結局、塔子は鞍田のことを一番愛していたんだろう、という結末、成長した娘の回想、とても切なかった。
    けれど読後感は悪くない。

  • 不倫とかセックスレスとか義両親との同居とか女性の自立とか、とかとかとか。やや詰め込みすぎかという気もしました。でもきっと同じようなことで悩んでる女性はいるだろうし、物事は全て別々の時期に起きるとも限らず、むしろ災難が一気にやってきたりもするので、ある意味リアルかも。

    島本さんの作品を全て読んでいるわけではないけれど、ダメ男とダメ女が出てくる率が本当に高いですね(笑)
    不倫が絡んでくるせいか、ダメダメな登場人物たちのせいか、ネット上のレビューでは厳しい意見も結構見かけました。私自身は割と好きな作品です。官能小説、ではないですよね。色んな要素が詰め込まれてるけど、やはり恋愛小説だと思います。どうしようもない人物ばかりだけど、ちょっと息苦しくなるような切ない文章から『ナラタージュ』を思い出しました。

    以下、ネタバレですが。
    エピローグの真の手紙はずるい。これ、自分が結婚したら気持ちが変わるかな。
    それから、馬鹿な私は、翠の「親権いらない」の件、意味をいまいち理解できてません…。

  • なるほどな。塔子の一線を越えたところは共感できないけど、義父母と同居。旦那はまるで子供。おまけにセックスレスで苛つくのは凄くわかる。そんな不安定な時期にあんな人がいれば流されたくもなるし身を任せたくもなるもの。旦那も痛いぐらい子供すぎる。結局は子供なのかなぁ…この話は子供がとりもったんだけど。それで丸く収まるのかも凄く疑問。現実にはあそこまで夫婦が壊れかけて収まるのは稀だと思う。激情の赤。女の赤なのかな。

  • 何処にでもある話。けど、私には真似ができない。なんか他所のお宅の事情を覗き見したような、変なあと味です。

  • 誰に矛先を向ければいいのかわからない不快感を抱えながら読んだ。塔子のひとりで立っていられない自信のなさ。自分勝手な旦那と暮らす家。鞍田さんとの関係もなんだかなあ…。なんだかんだ小鷹くんがいちばんまともで、良いポジションだったような。恋愛関係になるとまたうまくいかない気はする。

  •  筆者にそういうことを思わせようとする意図はなかったのだろうと思うけれども、結婚も出産もしていない私には、塔子と塔子の旦那さんの関係性が一般的なものに思えて、こんなにまで自分の人生を犠牲にしないといけないのなら、こんなにまで責任だけを押し付けられるのなら、結婚なんて、出産なんてしたくないと思ってしまった。二人目の話が出るのに、女として扱われない。女として普段扱わないのに、働き出して綺麗な格好をした塔子をセックスに誘って、それが当然のように受け入れられると思っている。何もしなくても愛されると思っているその傲慢さ。家事や育児の負担を自分にかけないことを暗黙の前提とした働くことへの許可。可愛いと言うけれど一晩だって自分の子供の面倒を見られないところ。外からの女の好意は、塔子への配慮をしないで受け入れるけれど、小鷹からの、自分を無視した塔子への好意は受け入れられない狭量さ。なんて生々しい。私が普段接している男性たちからどれも感じられるそうした要素を引き延ばしたものの塊に見えて、嫌悪感だけを持った。

     それはさておき。ああ女性らしいなとすごく感じたのは、塔子の結末が、仕事人でなく(人としての充実でもなく)、女でなく(鞍田さんとの”ハッピーエンド”ではなく)、母親として終わることが、皮肉であり、希望に感じた。良い母親でいないといけない、良い妻でいないといけない、働きたい、愛されたい。そういう気持ちを抜け出した先に、何のしがらみもなく素直に愛し愛される関係に鞍田さんとなれる状況で、娘にとって彼が緊張を持って接する他人であることを察して、選択する。
     いろいろ、満たされて、捨てて、その先に母であることを選ぶというのは、それまで良い母でいないとと自分を縛り、母親との関係でも悩んでいた描写を思うと、考えさせられる。そういうものなのか、と。それでも、そこにリアリティもある。
     冒頭に書いた通り、結婚したくない出産したくないと思ってしまう作品ではあったけれど、出産して、女性として扱われたいという気持ちを満たしきれず捨てきれずに結婚し出産しても、人としての自分の気持ちを子どものためにすべて犠牲にする気になれなくても、最終的にはきっとうまくいくのかなという希望。もちろん塔子の不倫が確固たるものとして明るみになったり、小鷹とのことがこじれたりしていたら、闇しかなかったとは思うので、がけっぷちではあるけれど、ある意味で出産するときには親になる覚悟やある意味での資格・状況に自分がなかったとしても、子どもと(必ずしも子供と過ごすという意味だけでない)年月が人を親にしていくのだなと感じた。

  • 一気に読んだ。
    切ない。でもこの人はみんなに愛されてる。
    ぜいたく。

  • 結局、なんだかんだやってても元さや。
    それがちょっとモヤモヤ感を残した。
    でも塔子のような主婦に限らずなのかも。決められた枠にはめられてる時には冒険してみたくなるってことかな。
    官能的な部分はうまく、きれいに書かれていて、嫌な感じはしなかった。
    共感もし、反論したくもなり、納得もした内容にあっという間に読み終わった。読んでいる自分に夢中になれた作品だった。

  • 久々の島本さん。

    母になった塔子は二十歳の時に不倫していた鞍田と友人の結婚式で再会する。

    鞍田は妻と離婚し独身に。
    当時と立場が変わった状態でふたりは惹かれ合い再度関係を持つ。


    塔子と鞍田二人のシーンは息を飲むほど、綺麗だった。


    夫とは表面上はうまくいってるけど、少し分かり合えない部分もあり同居によるストレスも感じつつ、娘を育てていた塔子が鞍田と再会してまた働き始めて、自分が仕事を好きだったと気づく。


    不倫はもちろんいけないことだし、娘の翠に対して罪悪感を抱いているけど、欲望のようなものは止められず。

    母や妻というカテゴリーから逸脱していく塔子。


    逸脱することを恐れていたのに、深みにはまっていく。


    タイトルのRedは、まさしく"女"の色って感じがする。


    母や妻でなく。


    塔子はやっぱり家庭を捨てられずに鞍田を切ったけれど
    それでも好きな人は鞍田だったんだろうな。


    好きな人と家庭を築けないのは辛いけど
    恋と結婚はまた別なんだな。

  • 漸く読んだ
    3時間ほどで読了

    新しいなあ、と思った
    自分の経験からか序盤何度も挫折しかけて一息ついてはめくり、また一息ついては、の繰返し

    不倫とはこうだよなあ
    始まりなんてあってないようなもんだからか終わりも見えやしない
    自分で納得する終わりを見つけない限り、ずっと中途半端なところでもがいて葛藤して苦しい

    うまくいこうがいかまいが、失うものの方が多くて、得るもんなんて刹那的な形の無いもの

    とりあえず、塔子は何故真と結婚までいけたのかな
    あのぼっちゃんと、何で結婚まで辿り着いたの?感満載の苛つくマザコン男だったな
    悪い男ではないのは分かったけれど、やはり結婚はめんどくさい家と家同士の柵やらなんやらが付いて回るもんだと思った
    その辺、真と言う夫との関係や真自身に矛盾を感じた

    鞍田さんについては……
    どうしても自分の昔のこと考えて終始苛々して疑念あったし、もやもやもやもや……塔子の気持ちに共感する部分は多々あった
    「こわい」、とかそういう心境

    つくづくわたしは終わりに出来てなくて、そこから逃げ出せてないと思った

    呪いの件、娘の翠にはあんな形で降りかかるのね
    不可抗力、たけどもそこでまた輪廻するんだなーと

    鞍田さんを重ねてしまい、思いの外こわい思いして読んだわ
    そして読後無駄に涙出そうだったわ
    哀しいし淋しい結果に終わるのね
    淋しいね、鞍田さん

    小鷹に関しては、持ったイメージを覆すキャラと分かって心底安心したわ
    良かった、あんな男で
    本当の馬鹿かと思いきや、実は登場人物の中で一番まとも、だったんじゃ?とイメージ激変

    事前に不倫の話とは知っていたけれど、ここまで露骨な表現あるとは知らず島本さんは大人の女性なのだなあ、と面食らったのは大変失礼なお話ですね、すみません←
    島本さんと同年代で昔から読んでいたので……わたしもそりゃ歳取るよね、うん
    とりあえず、内容や描写が新鮮で、「へえ、」と間抜けな感想が第一だった作品でした
    次回作も勿論期待です

    佐藤さんの本でも読もうかなー

  • 結婚して子供が生まれたら、女性というより母性が強く出るものか?
    夫には母ではなく女として扱ってもらいたい。そうよね。
    あなたのお母さんじゃないもの。
    そこへ、ちゃんと自分のことを認めてくれる人が現れたら頼りにしちゃう。
    日常にときどきの刺激、必要かも。

  • 久々に一気読みした本です。

    元愛人だった彼と再会し、不倫する話。
    『不倫』だけれど、純愛っぽいというか…
    そんな風に読ませたいんだろう書き方だな〜と感じました。

    可愛い娘がいて、格好良い旦那がいて、同居だけれど気さくな姑がいて。
    世間からは羨ましがられるような環境で。
    悩んではいけない環境というか、悩むのが罪みたいな環境で。
    奥さんは苦しいんだろうな、悩みもあるよなって共感したところも多々あり。
    仕事はするけれど育児はしてる風で、3年もレスで、奥さんが姑やその家族となんの問題もなく上手くいってると疑わない旦那…
    ちょっと読んでてイラつきました(笑)

    だからって、奥さんが不倫してしまうのが正しいわけでもなく。
    でも、面白かった♡
    主人にも読んで欲しい。
    男性はどんな感想を抱くのか気になります。

  • 愛着障害で自己肯定感の低い人は、引き合って一緒にいる事が楽だけど、自己防衛で自分の内面深くを見せる事が出来ないから苦しくて続かない。これが塔子と鞍田さんで、真君みたいに鈍感なくらいに流される方が、理解されない諦めも伴うが楽なのだと思う。愛という感情が、言葉で言うと何なのか難しい。全ては相手に対する行動で表れる。親からの影響は、その人の人格形成に深く関わる。表面的に全てが完璧でも、見えない部分は本人にしかわからないんだな。小鷹さんみたいに心の芯を癒してくれる人が、必要な時にいると楽なのかも。

  • 島本理生さん初の官能的な描写、不倫をテーマにした小説としてとても話題になった。

    期待せずに読み始めたが、レディスコミックのような安易な展開と主人公の塔子の不倫をいかに正当化するかの記述が鼻につき、いつものようにイライラしたが、話が進んでいくとどんどん面白くなって、一気に読了してしまった。

    性的な描写は確かにあるが、それだけではなくて、子育てしながら働く女性がいかに我慢を強いられているか怨嗟のような独白や塔子の従順すぎる振る舞いがその生い立ちからきていることの説明がちゃんとなされていて、共感できる部分もあった。

    何よりもこんなに突っ込みどころが多いまま、ぐいぐい読ませる勢いがすごいし、最後はこの人らしく感傷的にキレイに終わらせて満足させる力技に感服した。

  • 島本理生さんが第21回島清恋愛文学賞受賞を受賞した作品「Red」を読了。

    まずの感想だがこれが恋愛小説だろうか?というものだ。
    主人公が結婚した際に夫となった人との関係、そのまえにこの物語で再会しパートナーが居る身でつきあう事になる関係も、物語の最後にわかるのだが元鞘に納まって居る関係もすべてにおいて恋愛をしていないようにしか思えない。

    この恋愛といえない人との関係を積み重ねて行ってしまう様が今の時代のどこかを写し取っているのだろうか。そうは思えないが。授賞の理由を読んでみたい。むなしい物語の積み重ねのなかにでも設定の巧さとか何か感心するところがあれば楽しめるのだが、残念ながらこの作品は全くと言っていいほど楽しめなかった。

    ただエロい物語として達観して読もうとしてもそれにしては刺激が弱く全く中途半端だ。

    まあ買った僕が悪いのだが。

    ジャケ買いは失敗する事がまあありますね。

    ジャケットのセクシーさだけが記憶に残っている背徳感あふれないのに不満あふれる人生を送っている女性の物語をよむBGMに選んだのがChet Bakerの"Chet". いいウイスキーが欲しくなる音色だ。
    https://www.youtube.com/watch?v=KWzJGRh_Tsw

  • 作風がらしくなく違和感だらけで読みました。島本さん独特のにじみ出るような感情描写がなく、無理に生々しくしている感がしっくりきませんでした。

  • 最初の子供を妊娠して以来3年間セックスレスな上、夫は鈍感で無自覚に妻を傷つける殿様体質、そこに10年前の恋人と再会するのだから、浮気する要素がてんこ盛り。今までの島本さんの作品と比べると確かに官能描写は多かったけど、快感を知ったことで世界が変わるという印象よりも、結局は不倫だけど純愛めいている、そんな印象を持ちました。そして一線は越えたけど、エピローグまで読むとそこまで突き抜けてもいないなあと……。村山由佳さんあたりが得意そうな話で、いつもの島本さんの作品とは一味違う感じはしましたが、私には楽しめた。

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Redの作品紹介

2歳の娘を持つ塔子は、友人の結婚式で元恋人と再会。引き寄せられるように快楽の世界へと足を踏み入れていく――。島本理生の新境地

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