僕とおじさんの朝ごはん

著者 :
  • 中央公論新社
3.47
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本棚登録 : 478
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047008

作品紹介・あらすじ

ぐうたらで無気力に生きるケータリング業者の水島健一。先輩の忠告も、派遣先で問われる不可解な薬の存在も軽く受け流してきたのだが、ある少年と出会い、それらと真面目にかかわらざるを得なくなる-。少年が最後に下した決断に、水島はどう向き合うのか!書き下ろし感動長篇!「生きるということ」「残されたものの哀しみ」とは。究極の問いに挑んだ、桂望実の最新作!

感想・レビュー・書評

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  • 人生最高のひと皿をありがとう
    読み終えて帯のこの言葉が胸に沁みます。

    ぐうたら無気力でバツイチ44歳
    ケータリングの料理人・健一は腕はいいが面倒な料理はしない。見栄え重視で仕事をこなす。
    そんな無気力中年オヤジが英樹と出会い少しずつ変わっていく。
    ずっと健一を気にしてくれる先輩がいいます。
    「お前は憎めないぐうたらだ」と…
    ホント憎めないオヤジでしたよ。
    タイトル…読後は意味がわかって切ないです(>_<)

    桂望実さん2冊目かな?
    どちらも素敵な作品でした♪



    • おびのりさん
      いろんな作家さん読むねえ。どこで見つけるの?
      図書館散策?
      いろんな作家さん読むねえ。どこで見つけるの?
      図書館散策?
      2023/03/27
    • みんみんさん
      これは確かブグAI君オススメだったかな?
      オススメから作家の作品一覧から
      あえて別のを選ぶ\(//∇//)笑
      これは確かブグAI君オススメだったかな?
      オススメから作家の作品一覧から
      あえて別のを選ぶ\(//∇//)笑
      2023/03/27
  • 桂望実さんの本は2冊目。
    1冊目が『嫌な女』
    こちらはかなり好みだったので、他の本も読んでみたいと思い、手にしたのがこの本。
    『嫌な女』のイメージを引っさげたまま読み始めたら…
    全然違うの!
    違うんだけど、これがまた好みで。

    ラストはとても切なかった…

    桂さんの本、もっと読みたい!

  • 読み終えて、ふうと息をつく。

    表紙とタイトルから、
    坂木司さんのホリデーシリーズ(大好き♪)をイメージしてました。

    誰とも深くかかわらず、面倒くさがりでやる気のない健一。
    ケータリングサービスを生業としながら、
    その仕事ぶりは、どれだけ手抜きをして、出来あいの物を見栄え良く盛り付けられるか。

    その健一が遭遇した事故現場で、寛子を助けたことから少しずつ変わっていく。
    というか、妹と親友の死にまつわる後悔のようなものから無気力になってしまっただけなのかもしれない…。

    そして、”僕”、英樹との出逢い。
    生まれた時から、その人生のほとんどを病院で過ごしてきた英樹。

    もうね、ここからの健一と英樹と、その両親の関係がとてもいいんですよ。
    健一のお弁当が、いつしか英樹のためのものに変化していったり、
    英樹が美味しそうに食べるのを見て喜ぶ母親の姿とかね。

    「もう疲れた」と尊厳死を望んだ英樹。
    残される両親の気持ちを思うと、胸が締め付けられるようです。
    「生きてさえいてくれればそれでいい」
    それが結果として、子供を苦しめるだけだとわかっていても、
    そう願わずにいられないのが親なんでしょうね。

    後悔のない別れなんて、たぶんない。
    どの道を選択してもずっと後悔はつきまとう。
    あのときこうしていれば、こうしなければって…ね。

    できればこのまま、奇跡が起こって欲しいと願ったのですが…。


    一心不乱に鰹節を削り、だしを採る健一。

    この食事が最後の晩餐になっても後悔しないようにと、
    食べてくれる人のために、心を込めて料理する。
    その姿をキッチンの傍らで見つめる、息子の司。

    この世に生まれた価値のない命なんて、絶対にない。
    英樹と出逢えたから、今の健一の姿がある。

    本を閉じ、表紙のトーストと目玉焼きとオレンジジュースを見た途端、
    せつないけど、温かなものが胸の中に広がりました。

    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは!
      いつもいいね!をありがとうございます♪

      この作家さんの本を読んだことがないのですが、杜のうさこさんのレ...
      杜のうさこさん、こんにちは!
      いつもいいね!をありがとうございます♪

      この作家さんの本を読んだことがないのですが、杜のうさこさんのレビューを読んで、ぜひ読みたいと思っています。

      私も坂木司さんのホリデーシリーズ大好きです!
      なんだか、とっても嬉しいです♪

      これからもどうぞよろしくお願いします。
      2015/09/27
  • 見た目重視、できる限り調理の手を抜いたケータリングサービスが面倒くさがり屋の健一の仕事。そんな健一が病院のリハビリ室で難病の少年・英樹とその両親に出合い。。。。
    まあ、英樹が登場したあたりで(数パターンあるにしろ)おおよその結末は見えて来るのですが。しかし英樹の両親の造形が良く、しかもこちらの予想を部分的に上手く覆し、最後まで気持ち良く(もちろん切ないのですが)読ませて貰いました。
    桂さん、色んなパターンの小説を書かれますが、こうした少年がらみの物語は当たりが多いようです。

  • どうしてかな、すごく入ってきた。
    すごく理解できた、書かれていることに呼応するみたいに。
    このタイミングで、手元に来てくれたことに感謝したいくらい。

  • 年齢の違う2人の心の通わせが良かった!少年を縁として、健一と少年の父が一緒に出かけるのも楽しそうだった。こういう関係の広がりもあるんだなぁ。少年との付き合いを通して、手抜きばかりのケータリングだったのが、丁寧に料理をするようになった健一。

    健一が少年に言った言葉
    「生まれてきただけで意味がある。親にとっては、生まれてきてくれたというだけで、幸せを運んでくれるんだからな。そこにいてくれるだけで充分なんだ。思っていたような子どもにならなくても、問題を起こしたとしても、自分の子どもとして生まれてきてくれただけで それだけで充分なんだ」が、心にしみじみと残った。

    また、「思うようにはいかないな、人生というのは。だが、それが人生だと思えるようになったよ」との秋山先輩からの言葉も心に響いた。

    若い友人との別れは寂しいが、明らかにいい影響を受けた。林望実さんの作品はほぼ初めてなので、他も読んでみたい。

  • 子の題名は いつ出てくるんだろう。
    やっと 後半に出てきましたね。
    僕によって おじさんが 変わっていく。
    この作家の 他の本も 読んでみたくなりました。

  • テキトーに生きてた「おじさん」の再生と成長の物語。ってとこで、最終的にはまあまあなラストだけど、180ページくらいまでの展開、あれ、ほんとに必要??「おじさん」の背景とか、キーになる「薬」の伏線とか、必要なのはわかるけど、なっがいよ!もうちょっとコンパクトにできたんじゃないかなー。サボテンのおじさんの話とか、食中毒の話とかなくてもよくない?
    最終的には面白かったけど、無駄に引き延ばされた感満載のため★2つ。

  • 感想
    普段と違う人との出会い。何かをもたらす。もしかして昔の夢を思い出すかも。少し形は違うかもだけど。もう一度向き合う準備ができるかも。

  • 無気力なケータリング業者のおじさんが病気の少年と出会い少しづつ変わっていく。料理の腕前が確かなのに、いかに楽して作るかを考えていたがいつしか丁寧に作るようになり、少年に最後の晩餐を頼まれる。時が経ち少年が星になる。ぐうたらなおじさんが段々と変化していくのが面白かった。おじさんが涙もろいところもとてもいい。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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