マインド・クァンチャ - The Mind Quencher

著者 :
  • 中央公論新社
4.20
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本棚登録 : 426
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047152

感想・レビュー・書評

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  • 「ヴォイド・シェイパ」シリーズ最終巻。
    なるほど、こうきましたか。ゼンが記憶喪失になるとはね~。まあ、記憶をすべて無くすほど無にならないと剣の道は極められないということですね。

    ラストシーンはいいんじゃないの。
    ノギさんとこのまま逃避行をするのも良いし、城に戻ってノギさんを奥方様にして、良い将軍になって社会を変えるのもありだし、そして、時には町に出て、「暴れん坊将軍」になるっていうのも面白いしね。

    「暴れん坊将軍」と言えば、主人公の八代将軍・徳川吉宗が町に出るときに使っている仮名が「徳田新之助」だけど、「ゼンノスケ」は実はそこにかけているのじゃのかな?
    吉宗も、町の人たちから「シンさん」って呼ばれているし、ゼンも「ゼン」さんって呼ばれてるしねw
    まあ、ゼンとノギのその後についていろいろ想像が膨らみます。

    ちょっと、心残りなのは最後にゼンとノギのあの掛け合いがほとんど聞けなかったのは残念。これは、ラストシーンのその後は読者がしっかり想像しなさいということですね。

    この「ヴォイド・シェイパ」シリーズ。非常に良かったので、誰か映像化してくれないかな~。

  • 突然の敵襲、窮地に立たされたゼン。絶対的な力を前に己の最期すら覚悟しながらも、その強さ、美しさに胸が震える……。転換の第五巻。
    「Amazon内容紹介」より

    何かを得るためには何かを失う必要がある.確かに.何かに恐怖する心は記憶がなくなることでまっさらになる.確かに.
    記憶がなくなるにも程度の問題があると思うけど.特に重要でない記憶と引き換えに非常に重要なものを得ることができるのならば、アリだと思う.ま、程度の問題です.
    途中から、そうなんだろうなぁと思いながら読み進めていたけれど、やはり殿様だったのだなぁ.影がいるから、きっと城をしょっちゅう抜け出して、”あばれんぼう将軍”みたいになるんだろう.いいんじゃないか.

  •  このまま落ち着いてしまうのかと心配になりました。ゼンさん意外と周りの人に気遣いばかりしているので、このまま流されるのかと思いきや、最後ににんまりです。 

  • 森博嗣作品と思えないほどに圧倒的に普通の展開の物語でした。まだ続くのかな、と思うほど。
    でも、この物語の本質はそこには無いのだろうな。
    この面白さはなかなか説明できないので読んでみてほしいです。

  • 粗雑なものをそぎおとして、そぎおとし切った先に、ひとつの真理というか美しさがある。そしてそれが無でもあるという。
    意識や自我といった存在は粗雑なのか?それだと死と変わらないものが美しさとなってしまう。
    大事なのは、こんな感じの問答が人との語らいのなかで行われるということ。やはり人と人なのだ。となると、一人という状況こそが、粗雑といえるのではないか。

  • 此処にきて記憶喪失から話が始まるとは少し驚いた。最後まで完璧に記憶を取り戻したわけではないけど、そういうところは重要ではなくこれからが大事という事かな。また失うことで得たこともあり、そういう考え方はあまりしたことがなかったので少し響いた。

  • 『ヴォイド・シェイパ』シリーズの5作目にして最終巻。長らく積読本だった単行本を引っ張り出す。
    今までスローペースだった物語が、本作に限って非常に速く展開する。このラストはこれで良かったのか。悪いとは言い切れないが、結局何が言いたかったのかよくわからない。忘れることで得られるものがある。考えること、考えないこと。テーマは意識なのかなとも思ったけど、ちょっと逸れているかもしれない。
    170218読了

  • 「何かを失う事は同時に何かを得ている」というような事が書いてあって(うろ覚え)、
    人生において色んなものを失くしてきた悲しさというものは、誰しもが抱えているものと推察しますが、それを前向きに変えてくれる素晴らしい言葉だなと思いました。よくよく考えてみると本当にその通りだったり。
    物語も、始まりからそうでしたけど、きれいに終わる。大好きなシリーズです。

  • ヴォイドシェイパシリーズ-5
    まさかの記憶喪失で途中でやめられなくなった。自分とは何者であるかということ。無になって得られるもの。
    いちばん好きな巻。動きの表現がこれまでとちがう

    蔵書
    電子書籍

  • ゼンが暗殺者と戦い、記憶喪失になる。
    そこからの描写の静けさ。
    「無」から、なおさら奥深い「無」を掘り出すような描写。
    「無」・・・「静」であり、「清」であり、「生」である。
    ゼンが、鷹狩りでひそかに涙するところ・・・。
    静かで、大きな盛り上がりが特別あるシーンでもないのだけど、
    印象的だった。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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