五十坂家の百年

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著者 : 斉木香津
  • 中央公論新社 (2015年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047176

五十坂家の百年の感想・レビュー・書評

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  • 2015.9.9.読了。人喰いと呼ばれる一人の男から始まった家。人喰いは元下級武士の養子となり、そしてその地を治める藩の家老だった男を罠にはめ、その家を乗っ取る。人喰いは五十坂(いさか)と名乗っていた。その子孫の代となり公一郎の父親の代になった時は、商才があった人喰いの財産はほぼなくなりなんとか残った土地や家を食いつぶして成り立つ家になっていた。公一郎にはワガママ放題に育って瑠璃子という妹がおり、悪賢い瑠璃子の罠におち、公一郎はのちの妻、そして双子の娘、蝶子、蘭子と数奇な運命に導かれていく。話は、公一郎の時代とその娘、蘭子が七十を越え突然、自殺した時代を交互に行き来しながら、五十坂家の様々な人々の視点から五十坂家の呪われたというべき百年を振り返り謎をあぶり出していく。
    凄く、面白かった。ページを繰る手が止まらなかった。最初、白骨が出てくる場面で誰が殺されたのかはわかっていたが、最後の場面が物悲しく、心に染み入る感じだった。新聞の書評ではイヤミスと紹介されていたが、イヤミスとは思わなかった。事件の目撃者とならざるを得なかった子供が大きすぎる秘密を抱え、それからようやく解放される場面に思わず涙が出た。

  • 昔野田に住んでいたことがあったが、成田は遠い、という印象だったので、そこの伏線は全く気がつかず。

    またキツネノテブクロ(ジキタリス)といえばアガサクリスティ・・・と思っていたら、本文でも出てきてびっくり。
    でもそれ以外のキツネは知りませんでした。勉強になりました。(←なんの?)

  • 出だしが面白かっただけに、内容的にはちょっと物足りなかったかな。

  • ”人喰い”と呼ばれた金貸しの男からはじまる一族、「五十坂家」の物語。
    過去と現代の世代の出来事が、並列で話が進んでいく。

    キャラが強烈だっただけに、璃理子の最後はあっけない感じがした。
    家系図が載ってて、古い武家屋敷を舞台という設定にワクワクし、情念とか怨念とかで、おどろおどろしい雰囲気を期待してたけど・・・。
    誰に感情移入して読んだらいいのか分からなくなりながらも、さくさく読める展開は引き込まれて、結構面白かった。

  • 「人喰い」と言われた人物の子孫の物語。
    人を騙し、おとしいれ、殺人を犯した人間。
    言葉とは行為そのものを指すことがあるが、比喩的に使われることもしばしばある。
    五十坂家の人々は「人喰い」の呪いを自らにかけ、自ら進んで「人喰い」になっていったのではないだろうか。

    二葉は人と違うことについて語っている。
    「生まれつき人と違うってことは、死ぬまで孤独を抱えて生きるってことだからね。(中略)そんな風に生まれてしまったら、孤独と折りあいをつけて生きていくしかないんだからね」(228頁)

    その言葉は「人と違う」子を持つものとして理解できるような気がする。
    しかし二葉は「どうせ僕たちは人喰いの子孫だ」とし、「グロテスクに生きていくしかないのだろう」と考える。
    それは違うだろう、と私は反論したい。
    人が皆互いを100パーセント理解できないという不幸を抱えて生きているのなら、皆どこかグロテスクな存在であり、それは人喰いか否か、呪いかどうかに限られたものではない。

    生きている間は互いを理解しあえない、だから死ぬ。
    それが「愛」とは到底思えない。
    むしろその対極にあるものではないか。
    全知全能の神がいるのなら、どうして神はこんなに欠陥だらけの愚かな「人間」を作りたもうた?
    それは、「愛」が互いを理解できないところを出発点としているからではないか。
    不完全だから、愛を求め、与えるために人は生きているんじゃないのかな。
    違うかな、二葉。
    どうかその口で、答えておくれ。

  • 四世代の家系にまつわるお話。
    ミステリーと言うより昼ドラ?

    璃々子がもっと立ち回るかと思いきやあっけなかった。

  • 表紙と帯の言葉にひかれ、図書館にて。
    一人として共感も好意も持てなかった。
    胸く○の悪い(言葉が悪くて申し訳ないが、これにつきました)一族の人たちの何代にも渡る記録。ある意味タイトルに偽りなしです。最期の秘密暴露も予想でき、本当に「記録」的作品でした。

  • 五十坂家はかつて、人喰いの家と呼ばれ蔑まれていた。屋敷は大きな武家屋敷だが、そこを手に入れた男が悪どいやり方で人を潰し家を保ってきたからだ。そしてその家の子孫である双子の老女が、近所の山から飛び降り自殺した。五十坂家の秘密が今、明らかになる。

    うーん、ネタ自体は面白かったんだけど、なんかとっちらかってしまった印象。話が分散しすぎてて、どこに集中して読んだらいいのかわかりにくかった。せっかくだからおどろおどろしい空気をもっと出してほしかったなあとも。一章と二章逆でもよかったのではないかと思う。

  • 表紙に惹かれて手に取った。旧家、死、秘密、因縁、ミステリー好きにはたまらない要素。最後はちょっとしまらないかな。

  • 物語の収束の仕方が、セリフで済ませてしまった感はあるが、とにかく「期待させる」という意味で、ワクワクさせてもらった一篇。

    旧家、いわくありげな人々、犯罪、双子……嗜好にドンピシャだったからであろうか。

    死んだ三人の男の子たちのエピソードは、もっと掘り下げるべきだったのでは……!
    あれだけでは、取って付けたような感じ。

    どこまでも異常なはずだけど、それほどに感じなかったのは、想像していたより蘭子蝶子も案外普通だったからかな?
    むしろ弥生のほうがイっちゃってた。
    娘すらもというところ、もっと描写したら、蘭子蝶子がああまでおかしくなったことにも説得力があったかも。

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五十坂家の百年の作品紹介

その朝、双子の老姉妹が手に手をとり崖から飛んだ。葬儀のため集まった家族は、武家屋敷の床下から四体の遺骨とある秘密を掘り起こす…怒涛のカタルシスを呼ぶ、淫靡で切ない長篇ミステリー。

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