- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120047398
感想・レビュー・書評
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4人の女の他には、からすと河童(のミイラの姿を借りた魂)と守衛所に住む山田さん、ストーカー、空き巣、内装業者が登場しますが、基本的には杉並のお屋敷の敷地周辺で起きる密室劇でした。ひとりひとりは凡庸な日常を送っているようでも、同居人のもたらす小さな出来事に巻き込まれ、実際のところ4人で凡庸に暮らすとは困難であることだと思いました。細雪をあわせて読もうと思ったら、結構な長編なのですね。ひとまず映画を観ようかなと。
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あの家に…なんて誰の物語かと思ったら…
序盤は細雪を期待して読みだしたのになんだ?この設定かつ展開は?と腑に落ちなかったが、カラスが出てきて鶴代の過去を語る辺り、もう期待するのもやめて、素直に読みました。
三浦しおん、単純に面白い場面をつくってコメディタッチにもりあがりますが、あまりにファンタジーがすぎちゃうのは苦手なので、お父さんの登場は残念でした。
現代版細雪なんていわれるなら、よほど関西弁にでもしたらよかったのに。
杉並区ありきなのかな? -
他人の優しさ、家族のかけがえのなさ、そんなことを改めて感じる一冊。だらだらとしているようでしっかり引き込んでくれた、しをん先生、さすがです。でも、作者や主人公らと同年代じゃないと面白みがわからないかも。
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善福寺川ちかく、古くからベッドタウンとして開発されてきた街に立つお屋敷を舞台に、そこに住まう4人の独身女性たちの春から夏にかけて、数ヶ月間が描かれる作品。さすがにうまいなぁと思う。ボキャブラリーというかリズム感というか。
敷地内に鬱蒼と茂る木々、食べきれないほどの収穫をもたらす菜園、鎧戸と木枠の窓がついた昭和の木造建築、正門脇には使用人の住まい!(思ふに文化的な生活の表象というのは使用人さんの存在があってこそではないか?) 共同生活の単位が核家族やそれに近い血縁関係のなかに収斂してしまうよりまえの時代の生き方と、望むと望まざるとにかかわらず独身の人びとの任意に基づくホームシェアリングという比較的新しい時代の生き方とが交差しているのもまたよい。
というわけで「こんな家に住みたいなぁ」と思いながら次の瞬間には「彼女たちのように人並みかそれ以上のこころの細やかさを発揮して他人さまと日常をともにするなんてムリ」と確信してしまうのでした。。 -
細雪と同じ名前の四人が暮らす物語
途中から突拍子もない話へと変わりますが(笑)それはそれでアリかなと思わせる一冊
独身の男女が増えています。理由はさまざまなようですが、そんな独身オンナが集まる一軒家ってのも これからあるかもしれません
お互いに知っている人同士がシェアするアパートとかね。 -
しをんさんが書く、同居4人の女の物語。
どんな風になるのだろうとドキドキしながら読みました。摩訶不思議な展開もあり、読み終わった後はそうなのかと思いますが、この展開が、読後時間がたつにつれてそうなのかと思わされます。
母と娘、女友達、女一人で生きていくということ。様々な視点が盛り込まれていますが、自然体で納得して読めました。佐知や雪乃に共感してしまう。二人のように気の置けない人と一緒に住むのも老後の形としてありなのかもしれない。そんな人と出会うこと自体、難しい気もする。 -
現実的かと思いきや、どっこい、だいぶファンタジーだった。
案外ありえそうなファンタジーというか、誰もが考えたことのありそうな「ありえない」ファンタジー。
たとえばカラスが地域を見守ってたり、死者が自分を見守ってたり。
誰かが無くなったときに「星になったんだよ」とか、何か悪いことをした子供に「おてんとうさまがみているよ」とか、そういった話をしたときみたいな。
そんなファンタジーがたまに顔をのぞかせて、女四人が暮らすという、ただの自称を彩っていた。
主人公とその母親は嫌いというより、近づきたくない人種のように思えた。
自分が知っている“武蔵野の金持ち”もこんな感じの人たちだった気がする。
なんとなく古臭く、自分は常識的だけどすごいことをしていると自負しているあたりが。
女を四人集めると面白くなるというデータがあるんだろうか。
『セーラー服美少女戦士セーラームーンSS』における“アマゾネス・カルテット”しかり、『セックス・アンド・ザ・シティ』におけるキャリーたちしかり。
そのうち3人は好きになれなくて、1人だけ悪いところがあっても「彼女の考え方に賛成だ」となるのは何故なんだろう。
今作における“1人”は、私の場合、雪乃だった。
ドラマ原作と知って読んでみたし、なかなか面白かったのだが、肝心のドラマが配信していない。
過去には配信されていたようなので、再開してくれたらと思う。 -
古い洋館に住む4人の女性。前半はのんびりした日常が描かれていましたが、後半からの方向転換が凄まじい。表現が素晴らしくて場面がリアルに感じられた。