小泉今日子書評集

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047794

感想・レビュー・書評

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  • 小泉今日子が読売新聞の読書委員を務めていたときの書評集。読んでいてついつい引き込まれた。とてもよい文章だと思った。

  • p.129 昭和二十年夏、僕は兵士だった
    忘れないということが、静かな怒りのように私には思えた。

  • こんなことを言っては失礼だが、小泉今日子という人を見直した。彼女がこんなに感性豊かで物事を深く感じることができて、それを自分に引き寄せて考えられる人だったとは知らなかった。読みたい!お思わせる本が何冊もあったのだから、彼女の書評はお見事でしょう。

  • 新聞の誌面に掲載されていた書評は、毎週楽しみしていた。それで興味を持つ本も多かったので、図書館で借りてみた。確かに、共感できたり、新たな本の発見にもなったが、こういうものは、週に一回、一つずつ読むのがいいのかもしれない。

  • この本は意外にもとても素敵(笑)。書評を通した自己開示、選んだ言葉で綴るエッセー。何より文体が快い。キリリとしまった短い文章、実に波風好み。読売新聞掲載の10年間分(2005~2014年)。「本を読むのが好きになったのは、読んでいる人には声をかけにくいのではないかと思ったからだった。忙しかった10代の頃、人と話をするのも億劫・・・ふて腐れた態度をとる勇気もなかった・・・無理して笑顔を作る根性も無かった・・・どうか私に話しかけないで下さい。そんな張り紙代わりの本だった・・・」(「はじめに」)で、小泉氏の境遇というか立場をさもありなんと想像。「たくさんの本に出会った。(書評を)読み返すとその時々の悩みや不安や関心を露呈してしまっているようで少し恥ずかしい。でも、生きることは恥ずかしいことなのだ。私は今日も元気に生きている。」(「同」)で作者の真っ直ぐさ感じた。

    紹介している97冊は、小説や童話、随筆、詩集、対談など多彩。最後が読書交流会でも紹介されたマンガ『逢沢りく』(ほしよりこ作:文春文庫)。人前でしか泣けない14歳の主人公りくと無力だった自分を重ねながら、「人の温かさに触れた時、人前だろうと1人だろうと、うわ-んと大きな声で心から泣けたなら、それは大人になるための二度目の産声かも知れない。」と終える。そして号泣したと書く。たくさんの困難に出逢いながら生き抜いてきただろう対応力・賢さ考える。そういえばこの方、不倫の人と言われていたなあ。こういうのやっぱりどうでもよいことだなあ。

  • 小泉今日子さんと言えば女優だと思う方が多いかもしれないが、私の年代では「小泉今日子」ではなく「キョンキョン」であり「アイドル」なのである。良い年をしてキョンキョンでもないだろうと言われるかもしれないが、友人などと話をしていても「小泉今日子?あーキョンキョンね」という感じだ。

    私が10代後半から20代前半の頃はアイドル全盛期で、やれ聖子ちゃんだのタノキントリオだのミポリンだのと、テレビや雑誌で様々なアイドルが登場しては盛り上がっていた。そんな中で、私自身は好きなアイドルがあるわけでもなく、どちらかというと忌野清志郎やツイストなどのバンドの世界に傾倒したり、小説で言えば星新一や遠藤周作や司馬遼太郎などの世界などにどっぷり浸かったりするという毎日だった。

    しかし、その中でも小泉今日子さんは私の中では別格で、他のアイドルに比べて存在感があって「あー、なんだかとても素敵な人だな」と思っていた記憶がある。歌も上手で話も上手くて、雑誌のインタビューなどを読んでいても他のアイドルとは少し違う感じを受けていた。まあ、単に密かなファンだったということなんだろうと思う。その後、ドラマや映画などで女優として活躍されるようになったが、同年代で同じ時代を生きているという意味でも気になる方だった。

    さらに、彼女の書いた文章を読んだ時に良い意味で「あれっ?」と思うことがあって、それが日頃から読んでいた新聞の書評だったのがさらに意外だった。本好きとしては彼女の書評を読むのがとても楽しみだった。

    小泉今日子さんが書かれた「小泉今日子書評集」。2005年から2014年までの10年間、読売新聞日曜版に掲載された書評97本が収録されている一冊だ。小説やエッセイ、ノンフィクションなどあらゆるジャンルから選ばれた書籍に対して、小泉今日子さん独特の感性で綴られた書評を読んでいると、書評自体がとても短い物語のような感覚で体の中に入ってくる。不思議な読み応えを感じる一冊だ。

    もともと、読売新聞に連載されていた頃から小泉今日子さんの書評は目にしていたのだが、当時は私自身が仕事もプライベートも忙しかった時期だったこともあり、日曜版を前にしても数回に一度目を通すぐらいの頻度でしか読んでいなかった。しかし、その程度しか読んでいないにも関わらず、小泉今日子さんの書かれる書評は毎回記憶に残っていて、それに惹かれて読んだ本も多々あった。それはきっと、単に本の内容を伝えるだけではなく、ご本人自身の中を通った感想や彼女の世界観とともに紹介されるからこそだろう。

    今でも毎週日曜日には読売新聞日曜版の書評を漏れなく読んでいるが、いろいろな方の書評を読むたびに世の中には面白い本がたくさんあるのだということを知らされる。そうやって熱心に書評を読むようになったのは小泉今日子さん、いやキョンキョンのおかげだなと思う。

  • 人の書評は面白い。小泉今日子なら尚更、無条件で信頼してしまう

  • 210603*読了

    お友達のゆうこさんに貸してもらった本。
    読売新聞の書評欄に10年間掲載されたものから選ばれた書評たち。ほとんどが小説です。

    キョンキョンってこんなに読書好きだったんだ!と、急に大女優が身近に感じられました。
    本をよく読む人であり、言葉を大切にされる方なのだということがよく伝わる言葉選びや文章がとても好もしかったです。

    2005年~2014年に掲載された書評なので、最新刊では全くないのだけれど、やはり厳選された小説なだけあり、何冊も気になる本があって、ブクログの読みたい本リストにどんどん追加してしまいました。
    自分が読んだことのある小説も複数あり、キョンキョンの感性だとこんなに素敵な文章で感想が書けるのか…とうっとり。

    女優ならではの経験や悩みもあれば、40代(当時)の女性としての思いもあって、等身大のキョンキョンが本を読んで感じたことが、たくさん詰まっていて素敵な書評集でした。

  • 書評を書くにあたり、評判の高い小泉さんの書評を拝見したかった。
    良い意味で私とはレベルが違い過ぎて、書くこと自体の参考に。という目的は果たせなかった。
    でも、この本で読んでみたいなと思う本にも出会えました。

  • この本は何かの雑誌で紹介されていて、気になっていました。
    キョンキョンが書評?
    書評といったら、日曜の新聞の真ん中らへんに載ってる、小難しい単語と抽象的な言い回しで作品にイチャモンをつけるアレじゃん。
    と思っていましたが、この作品を読んで、書評のイメージが180度変わりました。
    実際のところ、書評の善し悪しは私にはわかりません。でもこの作品を読み終えたあと、ブクログの読みたいリストはこの書評集で取り上げられた本で溢れかえっていました。
    キョンキョンの書評集は、そんな読書欲をかき立てる作品です。

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著者プロフィール

【小泉 今日子】
神奈川県生まれ。1982年『私の16才』で芸能界デビュー。以降、歌手・俳優として、舞台や映画・テレビなど幅広く活躍。2015年より代表を務める「株式会社明後日」では、プロデューサーとして舞台制作も手掛ける。文筆家としても定評があり、著書に『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチ・パブリッシング/第33回講談社エッセイ賞)、『小泉今日子書評集』(中央公論新社)など多数。

「2023年 『ホントのコイズミさん WANDERING』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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