小泉今日子書評集

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120047794

作品紹介・あらすじ

2005年〜2014年『読売新聞』書評欄、10年間に小泉今日子が読んで書いたおすすめの97冊。

感想・レビュー・書評

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  • なんてたってア~イドル ♪

    なんてたってア~イド~ル ♪


    そう、小泉今日子は絶賛、アイドルだった!
    (って過去形になっている~、ごめんなさい!)

    リアルタイムでキョンキョン♡のアイドル時代を見ていた私。
    彼女がデビューした1982年といえばアイドル全盛期。
    正統派アイドルが主流だったこの時代、彼女だけは少し違うと感じていた。
    そうそう、突然、ヘアースタイルを”刈り上げ”にしたりね(笑)

    そして現在のキョンキョン♡。
    とても素敵に年を重ねている女性のひとりだと思う。
    自然体なその姿に、憧れさえ覚える。

    そんな彼女が読売新聞の読書委員だったとは…
    つい最近まで知らなかった!
    読書委員の任期は本来二年なのに”余人をもって替え難い”、ということで五期10年も続けていたなんて。

    この本には2005年から2014年の10年間、97冊の書評が収めらている。
    その読書の幅の広さに驚かされた。
    まだ読んでいない本、知らなかった作家さんも多数。
    そんな中、自分が読んだ本の書評があると嬉しかったり。

    ”余人をもって替え難い”という彼女の書評。
    私もうん、うんとうなずいた。
    普段、新聞で目にする書評は、階段一段分上から「君、君、おすすめの本があるから読んでみたらどうだい」と言われているような感じ。
    一方、彼女の書評はまるで、同じテーブルで目の前にいるキョンキョン♡が語ってくれているような。
    とても身近…
    そんな感じがする書評だと思う。

    この本を読んで、読みたい!と思っている本が多数。
    しっかりメモしている。

    彼女に書評を書くようにすすめた久世光彦氏。
    最初の書評が載った日にFAXを送っている。

    書評読みました。うまくて、いい。感心しました。kyonがだんだん遠くなるようで、嬉しいけど寂しい。あなたの書評を読むと、その本が読みたくなるというところが、何より素晴らしい。それが書評ということなのです。

    実際、私はその本が読みたくなっている。
    キョンキョン♡の書評は素晴らしい!ということか。

    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんばんは~♪
      こちらにもありがとう~(^^♪

      ほんと、キョンキョンは年々、良いよね!!
      あの潔さも好きです♪
      ...
      杜のうさこさん、こんばんは~♪
      こちらにもありがとう~(^^♪

      ほんと、キョンキョンは年々、良いよね!!
      あの潔さも好きです♪

      この本に【きなりの雲】の書評もあるんですよ~
      あっ!杜のうさこさんのレビューで読みたいと思った本だ~!と、嬉しくなりました。
      もう、絶対、絶対、読みます!!

      ほんと、どんどん読みたい本が増えていく~
      HELP ME~!(笑)
      2016/03/23
    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      実は私読売新聞だったのでリアルに読んでいました。
      本当にキョンキョンの書評は読みたくなるものばかりで大変で...
      こんばんは(^-^)/

      実は私読売新聞だったのでリアルに読んでいました。
      本当にキョンキョンの書評は読みたくなるものばかりで大変でした。
      気取らない言葉でわかりやすいですよね。
      私も何冊かすぐに読みました。
      懐かしいなぁ。
      紹介ありがとうございました。
      2016/03/29
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは♪

      コメントを頂いていたのに、お返事もしないままでごめんなさいね~!!

      けいたんさんはリアルタイムでキョ...
      けいたんさん、こんにちは♪

      コメントを頂いていたのに、お返事もしないままでごめんなさいね~!!

      けいたんさんはリアルタイムでキョンキョンの書評を読まれていたのですね~
      私も何冊かメモしています^^
      キョンキョンの書評、ほんと魅力的ですよね♪
      2016/04/16
  • いつも思うんですが、文章って人柄がなんとなく出ますよね。
    読んだことのある本の場合、その感想でどんな方か想像したりして。

    一番印象的だったのが『ツナグ』
    動物でもいいのならと考える小泉さんを、とても身近に感じてしまうのです。
    ましてオプションで人間の言葉を話してくれたら、なお嬉しいなんてね。
    そして「今なら迷わず、小雨ちゃんに」と願う気持ちも痛いほどわかる。(小雨日記、好きでした。)

    スポットライトを浴び、いつも美しく輝いていても、
    不安や淋しさを抱える一人の同世代の女性としての姿が、
    この書評を通して透けて見える気がします。
    そしてご自身、それが少し恥ずかしいと…。

    ところが「でも生きることは恥ずかしいことなのだ。」とピシャリ!
    彼女のこういうところが好き♪

    「手離したい記憶は無い。」
    そう言える生き方に、とても憧れます。

  • 詩集を読んでいるような錯覚に何度も陥いるほど、リズム感があり、短い文章の中に刺さる言葉が散りばめられていました。読んでみたくなった本も沢山ありました。また、既読の本も読み手によって様々な解釈があり面白いなと思いました。

  • ずっと読んでいたくなる書評。
    小泉今日子さんが今まで読んだ97冊の書評がロートーンながらも温かみのある文章で書かれている。
    目の前に彼女がいて語りかけてくれているようなそんな感じがしました。
    読んでいるうちに小泉今日子さんをなんだか身近に感じて、とても好きになりました。
    文章の空気感がなんとも心地良くて、大事に大事に少しずつ読みたくなる一冊です。
    終わるのが惜しかった。
    また書評を書いてほしいと心から願っています。

  • 「桜風堂ものがたり」(村山早紀)の読了後、どうしても読みたくなって手に取った。

    本を読むようになったのは売れっ子スーパーアイドルだった10代後半のころだという著者。
    「本を読んでいる人には声をかけにくいのではないか」からだという。それだけ人と接することに疲れていたのだと。

    だが、本との出会いが彼女の人生をより豊かで、新しいものにしていく。

    10年に及ぶ読売新聞日曜版の書評欄に掲載された書評の数々。

    彼女が読みたい、伝えたい本を通して、そのときの彼女、そしてそれぞれの書評につけられたこの本の出版時点での彼女のコメントが掲載。

    本を通して、書評を通して、コメントを通して、一対一で対話をしている気分になるとても贅沢な体験ができる。

    働き続ける女性として。

    結婚して離婚してひとりで生きている等身大のひとりの人として。

    悩みながら、その時々の気持ちをつづりながら、彼女自身が新しくなっていく10年間の過程。

    書評が明らかにうまくなっていく様がいい。
    ただ文章が上手になるだけでなく、年代が進むにつれ、何を考え、何を感じたかが手に取るように、心の奥のほうに響いてくるようになってくる。

    後半になればなるほど、むき出しの彼女が表現されていて、書評がどんどん面白くなってくる。


    「人と話をするのは大切なことだと思う。自分ひとりじゃ辿り着かない方向に行き着くことが出来るのが会話なのだと思う」

    「話す言葉とかも確実に変わっていると思います。あと、何かを人に説明することがうまくなっている気もするなあ。十年前より知った言葉もたくさんあるし、いろんな人に会って、いろんなお話も聞いている。とても勉強になりました」

    本が好きな人にも。
    本なんか読まないよという人にも。
    かつて彼女のファンだった人にも。
    あまちゃんのお母さん役から入ったという人にも。

  • 書評で一番大事なのは「この本を読みたいと思わせること」だと思うのだけど、これがなかなか難しい。
    私も半年間だけど地元の文芸誌で書評の仕事をさせてもらったことがあるのだけど、決められた文字数で本の内容と感想をお知らせするというのは、簡単そうで実はそんなに簡単じゃない。
    そういう意味で小泉今日子さんは上手な書評家だと思う。物書きではなく本職は女優だという下地も良いのかもしれない。気負いなく、うまく書こうという感じもなく、素直に綴られているように思えたから。
    短い書評の冒頭で、子どもの頃のエピソードだとか、39歳から48歳(書評が読売新聞に掲載されていた時の彼女の年齢)の独身子ども無し女性のリアルな感情が綴られた後に、本の紹介に入るという構成が時々見られるところも良かったし、連載をまとめて書籍化する時に新たに加えられたコメントがそれぞれの書評の後にあるところも良かった。

    この書評を読みながら、気になった本をアマゾンの欲しいものリストに入れていたら、あっという間にリストの量が増えてしまった。
    書評にしてやられ、影響されまくっている。書き手としてはきっと大成功だ。
    個人的には既読の本も多数紹介されていたので、本の好み、ちょっと被ってるのかな?とも。
    だからこそ未読のものをリストに入れまくってしまったのかも…

  • ブクログのレビューでこの本を知りました。
    小泉今日子さんが、書評?クリエイティヴな活動を地道にしてらっしゃる印象はあったけれど、新聞の書評…。あまり結びつかなくて。

    どちらかと言うと、TVで拝見する小泉さんは、疲れた笑顔をなさるなあ…ということが頭にあってあまり好きではなかったのです。

    で、単純に。

    けれど彼女は、どんな本を選んで、どんな感想を提示したのだろう…と、そこに興味があり読んでみました。

    好きじゃないから、読んでみたのです。
    レビューが印象的だったこともあって。

    そしたら…淡々と綴られる文章は、さらっとした麻の布のような手触り。

    選んでらっしゃる本も、流行りすぎないけれど女性らしいな…と思うような小説を選ばれていられることが多くて…。

    私が既読だった本は、90点以上の本の中で5冊ほど。全く趣味の違う人の本棚を見せてもらった感じでした。

    そこで感じたのは、同性の、今の空気の流れとか感性に敏感で、若い世代が主人公のものも、手にされることが多くて…。

    難読なものは選ばないけど、書評欄では異色だっただろうな…ということでした。どちらかというと小泉さんが、ご自身の内面をみつめるための水鏡が、本を読むという行動で。

    その様子に、世間一般の等身大の女性の姿を、新聞側は見ていたから、彼女の意見を載せ続けたと感じました。

    私が読まないような本のことを取り上げたところも
    きちんと読みましたし、この中から何冊か、読んで
    面白かったらいいな…と…。

    全部読破だ!みたいな勢いで読まなかったのが逆に幸いし、これは読んでみようか…というのが数冊見つかりました。

    本棚の表示を、ナチュラルな明るい色にして登録した時は良いと思ったけど、たぶん読まないと思った本を外し…。

    気分を変えて。

    すれ違って行きそうな恋人のことは、心の片隅で気にしながら…落ち着かない日曜日をどうにか過ごすには、さらり、ざらりとした感じの小泉さんの文章、似合っていたと思います。感情過多な文章や、明るすぎるものは、きっと。こんな日は疲れたでしょうから。

    こんな本もあるけど、どう?くらいの距離感が、とても良かったと思います。

    あなたはこの中から、どの一冊をお選びになりますか。

  • 読売新聞の日曜日の書評欄にキョンキョンが書いたものを集めた書評集。
    新聞の中でキョンキョンが始めた時は、「あれ?」と思ったし、毎回ちゃんと見るわけではない日曜の書評欄で見かけるキョンキョンは、まずホンの選択が子どもっぽく思えたし、その書評もお歴々の中では幼く感じられた。

    でも、この書評集を開いてみると、その書評は的を得ていると思えるし、何より私が「読みたい!」と思う本、内容紹介だらけだった。

    この仕事を受けた経緯も掲載されていて、そんな裏話的なことを読むのも楽しかった。キョンキョン、キョンキョン。素敵な女性だと思う。

  • 素直な人だなあ、というのがいちばんの感想でした。読売新聞読んでないので読書委員をされてたのも存じ上げず、歌手としてのイメージが強かった。

    まず印象的だったのが本の選び方。もちろん独断でなんでも選べたわけではないようだけど、それでも選び方に個性が出ていた。ライトなものも、エンタメも、売れ筋も、ディープなのも、実用書も。選んだことへのコメントもとても素直に綴られていてびっくりした。芸能人で、美人で、といろいろイメージがある中、歳をとっていくことや健康への関心でこの本を選んだとか、家を買うことに関心があったのかもとか、変な見栄がないのだなあと。それでいてプライドがないわけでなく、肩の力が抜けていながら女優としてや大人として、女性として、離婚した元妻として、堂々とまっすぐに語っていてすごい人だなあと思った。

    「自分だからできること」を見つけ、できる人ってすごいなあと思うけど、本当にすごい人って血眼になって自分のやるべきことを探さないのかも。年齢や経験を重ねてもたくさんのことに取り組むフットワークの軽さを持ちながら、意地汚さのようなものがこれっぽっちも見えない。いろんな場面で物事をよく見つめて、歳や能力が自分より下であってもさらりと時には周りに任せ、自分のやりたいことややるべきことがあったときには、卑屈にならず傲慢にならず、逃げずに向かっていく。きっと様々な苦労をされたんだろう。やりたいことができなかったこともあったんだろう。だからこそ身につけたであろう力を、気負わず発揮するその姿勢は、歌がどうとか見た目がどうとかももちろんだけど、この姿勢だからこそ長い間輝いていられるのだなあ、と、読書だけ追いたくて買った本でそんなことまで感じました。わたしもいつか、そんな素敵な大人の女性になりたい。

  • 小泉今日子の生い立ちからの実体験と、その時々の思いや関心を絡めて綴られており、担当記者の言う通り「余人をもって替え難い」書評となっている。
    書評は勿論だが、特別インタビューでの、書評員になる経緯とか、読書委員会のサロンとか、興味深く読んだ。
    電車の中など、スマホが席巻されている現代ではあるが、そのような風潮とは一線を画し、やはり本を読む女性は魅力的だ。

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著者プロフィール

【小泉 今日子】
神奈川県生まれ。1982年『私の16才』で芸能界デビュー。以降、歌手・俳優として、舞台や映画・テレビなど幅広く活躍。2015年より代表を務める「株式会社明後日」では、プロデューサーとして舞台制作も手掛ける。文筆家としても定評があり、著書に『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチ・パブリッシング/第33回講談社エッセイ賞)、『小泉今日子書評集』(中央公論新社)など多数。

「2023年 『ホントのコイズミさん WANDERING』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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