おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are
- 中央公論新社 (2016年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120049187
感想・レビュー・書評
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もっと軽いタッチの話ばかりと想像していたが、途中から展開が変わってきた。
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面白かった〜!言い回しが面白くてにやにやしてしまった。
・なぜもう死んでいるんだ。悪いやつらがのうのうと死んでいることがこの上なく悔しい。
・恋とか、恋愛とか、本当に意味がわからない。これまでが異常だったのだから、少子化なんてもうしょうがないじゃないかと思う。皆、目が覚めてきたのだ。いざとなったら、皆で滅びればいいよね。
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何だかもう、幽霊たちが楽しい!おばちゃんたちは強い!色んなパワーに溢れていて、幽霊も生きている人も、キラキラしている。
色々大変なことはあるけど、幽霊になって楽しいと、死後もいいなぁ、何か夢があるなぁと思いました。汀さんと一緒に私も働けるといいんだけど! -
落語や歌舞伎などをモチーフに、現代のあらゆる女たちのワンシーンを切り取った短編集。
生きてる人間とそうでないタイプのいろいろが半々の割合で働いてる謎の企業シリーズが好きです。 -
元気な幽霊たちのお話。
状況やオチがよくわからないまま読み進めたら巻末にそれぞれの短編のモチーフになった怪談や演目が載ってた…
これを巻頭に載せてくれてたら、ちゃんと調べて読んだのに…残念。 -
短い話がたくさんあった。
読み初めはイマイチ物足りない、もっと深く掘ってくれたら面白そうと思ったが、後半微妙に繋がり面白かった。
「ひなちゃん」が良かった! -
最初のおばちゃんから飛ばしていて笑った~。
「毛」の力って!
それにしても、自分のお墓の前で「千の風になって」を歌っちゃダメだよ、おばちゃん!
おばちゃん以外にも牡丹燈篭のお露やら八百屋お七やら、有名な亡者(?)たちが、生まれ変わったりそのままの姿だったりで、今の世で能力を発揮して生きているストーリーがどれも面白かった。
汀さんや茂が働く謎の会社もいい。
この作家さんの本、制覇したくなりました。 -
おばちゃんたちの生態がさまざまに書かれている本かと思って手に取ったが、間違ってはいないけれど、おば…のあとに「け」が抜けているような気もする。
けの力は大切にしないとね?
生きている人も死んだ人も、同じく世の中に紛れ込んでいるらしい。
17編のショートショート。
わけのわからない会社は最後までわけがわからなかったが、汀(てい)さんが良かったなあ。
汀は「みぎわ」とも読むから、水と陸地の境目…あの世とこの世の境目、三途の川に関係してるのかしらとか、妄想を膨らます。
なんや、ピンポン鳴らしてから来るんかい!とか、
自由に出し入れできるんかい、とか、
お札はホームセンターで買えるのね、とか、
それって特技なんだ!?
同じ会社なんだ?!
などと楽しく突っ込めるのだが、なぜか昔から女性はさまざまな理不尽に耐えてきたんだなあ、と考えさせられる部分も多い。
しかし、生身から開放された彼女たちはパワフルだ。
二人組のセールスレディの話術のテンポが最高に可笑しかった。
お線香の名前がすごいわね。
落語や怪談に元ネタがあり、巻末に記されています。 -
不思議な小説です。
220頁で全17作。平均すれば1作10数ページの掌編。
同じ「何をしているのかよく判らない会社」を舞台にしているものが半数強。とは言え、登場人物と会社が共通なだけで、話は全部独立しています。ただ、全編を通し「おばけ」が出てくるのが最大の共通点です。それもなんか変わった「おばけ」達で(「うらめしやー」が一発ギャグとか)、ホラーなんかじゃありません。様々なシガラミに少し疲れた人の前に、妙に生き生きとしたお化けが現れて、何となく解決として行く。奇妙にトボけた可笑しみの中に、生き辛さに至る小さな棘が隠れていたりします。
面白いのですが、何作か続けて読むと何故か強烈な眠気に襲われます。何故でしょうね。ですからちょっとづつ何回にも分けて読了です。松田青子さん、初めての作家さんですが、なかなか個性的な面白みが有ります。
2021年度、世界幻想文学大賞・短編集部門を受賞作だそうです。