日本十二支考 - 文化の時空を生きる (中公叢書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049293

作品紹介・あらすじ

日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。十二支の時空のシステムは数字の反復や積算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と、生きものや人の関係として展開してきた。列島に伝承された神話、物語、民俗、宗教などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす時空へと分け入れば、その旅の先に豊かな文化の姿が装いを新たに立ち現れるだろう。広く関連諸学の成果を摂取して、現代文明がはらむ課題を乗り越えようと企図した画期的な日本文化論。

感想・レビュー・書評

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  • 干支が「子」から「丑」に変わってもう10日もたつ。早いものだ。




    干支について注目するのは年末か新年ぐらいなので、偶然BOOK・OFFで見つけた今回の本を取り上げる。




    干支の中で特に気になるのは、今年の干支「丑」だ。NHKの「ダーウィンが来た!」という動物を取り上げる番組で「幻の野生牛」特集があった。



    鹿児島県のトカラ列島の口之島に、日本古来の牛がいる。1918年頃に連れてこられた在来牛が逃げ出し、野生化して今に至る。番組によると正確な数は分からないそうだ。




    もう一ヶ所は、山口県の見島だ。古文書によると、室町時代、朝鮮半島から渡来したそうだ。1928年に国の天然記念物指定された。




    牛で驚いたのは、胃がなんと4つもあることだ。草をえさとして生きていけるのは4つの胃を活用していたからだ。




    牛と言えば、「牛に引かれて善光寺参り」だ。飛鳥時代の644年に創建された伝統のあるお寺として現在でも多くの参拝客でにぎわう。牛がきっかけで信心に目覚めるとは意外だな。




    十二支にまつわるさまざまなエピソードが載っている。干支と日本人の深い関わりを改めて認識した今日この頃だ。

  • 十二支によって時間や空間を表現してきた日本の伝統的世界観に光を当て、十二支にまつわる様々な日本神話や伝説を紹介する。「生きとし生けるもの」の時空の再評価を目指す野心的論考。

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著者プロフィール

1968(戊申(つちのえさる))年生まれ。文化学者。京都大学法学部卒、京都大学大学院人間・環境学研究科文化・地域環境学専攻で博士号を取得。マギル大学宗教学部客員研究員、国際日本文化研究センター講師等を歴任し、帝京大学文学部教授。国際日本文化研究センター共同研究員、法政大学国際日本学研究所客員所員等。著書に『共存の哲学 複数宗教からの思考形式』(弘文堂、2005年)、『日本十二支考 文化の時空を生きる』(中央公論新社、2017年)ほか。

「2021年 『生なる死  よみがえる生命と文化の時空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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