鬼神

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 69
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049514

作品紹介・あらすじ

山で生まれ育った坂田公時は、武門の頭領・源頼光に従い都へ上る。初めて知る「身分の境」に戸惑う彼は、ある日、鬼の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では、民の糧である獣たちが姿を消した。頭目の朱天は仲間たちのため、盗みを働く決断を下す。都と山。人と鬼。陰謀と希望-。交わるはずのない思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!

感想・レビュー・書評

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  • これは、この国にまだ神と鬼がいた頃の物語。
    平安中期。源頼光と「頼光四天王」渡辺綱・卜部季武・碓井貞光・坂田公時と大江山の鬼 酒呑童子の交流と戦い。
    中央にまつろわぬ民を「鬼」と呼び、私欲のために理不尽に排除しようとする藤原道長
    まつろわぬ民を「式神」と呼び、使役する安倍晴明。 
    ただ、平穏な生活を守りたかった山の民の長「朱天」
    その板挟みで葛藤する武の棟梁「源頼光」そして坂田公時。
    「朱天」や「頼光」の清々しさにくらべ、道長・清明のゲスっぷりがまさに「鬼」
    同じ舞台では「童の神」がありますがこちらの方が好みかな・・・

  • 平安時代のお伽話かな。。
    坂田公時(足柄山の金太郎)の鬼退治。。鬼もカッコよし。

  • 酒呑童子を討伐するといった、平安時代を舞台にした時代小説。名前を聞いたことのある有名人や、頼光四天王など個性豊かな登場人物が織りなす軽快な展開が、良かったと思う。面白い小説だった。

  •  平安時代、都では、辺鄙な地に潜む村人を”鬼”と呼んで恐れていた。
     足柄山の金太郎こと坂田公時を主人公に、安倍晴明、源頼光、藤原道長など歴史上の人物が登場し、大江山に住む村人たちを征伐する話。

     迫力のある出だしから期待したが、史実に忠実に合わせようとしているためか、陰陽師が使う式神や人並みはずれた力を持つ人物は登場するのに、単なる田舎の村を征伐する話になってしまった。筆力はあるのに、世界観を自ら狭めているようで惜しい。

  • 面白かった…!!
    頼光と四天王の話。大江山の鬼退治。
    芥川龍之介の「桃太郎」を思い出した。

  • 源頼光と四天王による鬼退治をもとに,道長,安倍晴明の策略と鬼と呼ばれた人々の潔さと真っ直ぐさに,坂田公時は悩む.大江山伝説に隠された真実の在りどころに興味がそそられる.

  • 漫画を読むように一気に読める。
    面白かった。
    他の方のレビューを見て、ふつふつと湧いて来たのは「ヤマケン読みたい!」という衝動。山本兼一『役小角絵巻神変』を!(ただのヤマケン好き)

  • どっかの書評で激賞してたから読んでみたんだけど。

    どってことない?
    いわゆる羅生門の鬼のあたりの話だが、まつろわぬ者どもを鬼と呼ぶ、と言った瞬間に、選択できる展開。
    キャラも、少数を除けば魅力を感じないし、それもある程度ステロタイプを出ない。

    サクサク読めたのは良かったけど。
    読み方が浅いのか、頭腐ってんのか、よくわかんない。

  • 書き下ろし

    源頼光の鬼退治伝説を基にした物語

    藤原道長が銀鉱のある大江山を手に入れるため、そこに住む山の民を「鬼」として追い詰め、家司源頼光に殺戮させる。

    頼光に足柄山から連れ出された怪力の坂田金時は、大江山に遣わされ朱天という長と信頼関係を結び、戦うことになって苦悶する。
    主の頼光も朱天と戦って相手を認め、自領の山に移るよう説得する。朱天は金時と一騎打ちし、自分が負けたら頼光に従うよう里人に言い残して破れる。
    血生臭い戦闘場面には吐き気がする。

  • 陰謀渦巻く平安時代。源頼光率いる武人たちと、鬼と呼ばれた大江山の民。二つの思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!

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著者プロフィール

1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼無頼(ぶらぶら)ッ!』『兇』『勝負(ガチ)!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、『戦国BASARA3 伊達政宗の章』『NARUTO-ナルト- シカマル新伝』といった、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される。’21年から始まった「戦百景」シリーズ(本書を含む)は、第4回細谷正充賞を受賞するなど高い評価を得ている。また’22年に『琉球建国記』で第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著書に『清正を破った男』『生きる故』『我が名は秀秋』『戦始末』『鬼神』『山よ奔(はし)れ』『大ぼら吹きの城』『朝嵐(あさあらし)』『至誠の残滓(ざんし)』『源匣記(げんこうき) 獲生伝(かくしょうでん)』『とんちき 耕書堂青春譜 』『さみだれ』『戦神(いくさがみ)の裔(すえ)』および『THE LEGEND&BUTTERTLY』(ノベライズ)などがある。

「2023年 『戦百景 大坂冬の陣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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