- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120049514
作品紹介・あらすじ
山で生まれ育った坂田公時は、武門の頭領・源頼光に従い都へ上る。初めて知る「身分の境」に戸惑う彼は、ある日、鬼の噂を耳にする。一方、神の棲まう山・大江山では、民の糧である獣たちが姿を消した。頭目の朱天は仲間たちのため、盗みを働く決断を下す。都と山。人と鬼。陰謀と希望-。交わるはずのない思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!
感想・レビュー・書評
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これは、この国にまだ神と鬼がいた頃の物語。
平安中期。源頼光と「頼光四天王」渡辺綱・卜部季武・碓井貞光・坂田公時と大江山の鬼 酒呑童子の交流と戦い。
中央にまつろわぬ民を「鬼」と呼び、私欲のために理不尽に排除しようとする藤原道長
まつろわぬ民を「式神」と呼び、使役する安倍晴明。
ただ、平穏な生活を守りたかった山の民の長「朱天」
その板挟みで葛藤する武の棟梁「源頼光」そして坂田公時。
「朱天」や「頼光」の清々しさにくらべ、道長・清明のゲスっぷりがまさに「鬼」
同じ舞台では「童の神」がありますがこちらの方が好みかな・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平安時代のお伽話かな。。
坂田公時(足柄山の金太郎)の鬼退治。。鬼もカッコよし。 -
酒呑童子を討伐するといった、平安時代を舞台にした時代小説。名前を聞いたことのある有名人や、頼光四天王など個性豊かな登場人物が織りなす軽快な展開が、良かったと思う。面白い小説だった。
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平安時代、都では、辺鄙な地に潜む村人を”鬼”と呼んで恐れていた。
足柄山の金太郎こと坂田公時を主人公に、安倍晴明、源頼光、藤原道長など歴史上の人物が登場し、大江山に住む村人たちを征伐する話。
迫力のある出だしから期待したが、史実に忠実に合わせようとしているためか、陰陽師が使う式神や人並みはずれた力を持つ人物は登場するのに、単なる田舎の村を征伐する話になってしまった。筆力はあるのに、世界観を自ら狭めているようで惜しい。 -
面白かった…!!
頼光と四天王の話。大江山の鬼退治。
芥川龍之介の「桃太郎」を思い出した。 -
源頼光と四天王による鬼退治をもとに,道長,安倍晴明の策略と鬼と呼ばれた人々の潔さと真っ直ぐさに,坂田公時は悩む.大江山伝説に隠された真実の在りどころに興味がそそられる.
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漫画を読むように一気に読める。
面白かった。
他の方のレビューを見て、ふつふつと湧いて来たのは「ヤマケン読みたい!」という衝動。山本兼一『役小角絵巻神変』を!(ただのヤマケン好き) -
どっかの書評で激賞してたから読んでみたんだけど。
どってことない?
いわゆる羅生門の鬼のあたりの話だが、まつろわぬ者どもを鬼と呼ぶ、と言った瞬間に、選択できる展開。
キャラも、少数を除けば魅力を感じないし、それもある程度ステロタイプを出ない。
サクサク読めたのは良かったけど。
読み方が浅いのか、頭腐ってんのか、よくわかんない。 -
書き下ろし
源頼光の鬼退治伝説を基にした物語
藤原道長が銀鉱のある大江山を手に入れるため、そこに住む山の民を「鬼」として追い詰め、家司源頼光に殺戮させる。
頼光に足柄山から連れ出された怪力の坂田金時は、大江山に遣わされ朱天という長と信頼関係を結び、戦うことになって苦悶する。
主の頼光も朱天と戦って相手を認め、自領の山に移るよう説得する。朱天は金時と一騎打ちし、自分が負けたら頼光に従うよう里人に言い残して破れる。
血生臭い戦闘場面には吐き気がする。 -
陰謀渦巻く平安時代。源頼光率いる武人たちと、鬼と呼ばれた大江山の民。二つの思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる!