閉じこめられた僕 - 難病ALSが教えてくれた生きる勇気

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049538

感想・レビュー・書評

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  • 最初にアイスバケツチャレンジはテレビを見て感動したが、
    やはり一時のパフォーマンスだなと冷めた感じで、思ってました。

    しかし凄いのは、著者は決して批判しない行動することに意義があると言われてるのが印象にあります。
    自分も寄付を去年様々な団体にしましたが、優しい言葉で励まして頂けた気分になります。
    途中自ら寄付をSNSを通じてする場面には、涙が出ます。
    最高の瞬間は回復することなのに読みながらその現実を私は最後まで、自分ならもっと早くに諦めてるのでは、と著書の優しさ強さが、文章から伝わり日々の何気ないことができるありがたさを教えて頂きました。
    私も今年50歳を迎えて少なからず身体も弱ってきて、死を迎えるのだとその事は考えた時勇気出して生きようと思いました。
    ありがとうございました。

  • 2020年10月9日読了。

  • 【どう生きるかを決めることで人生は豊かになる】

    藤元 健二さんの初著書

    僕自身も心がけ、とても大切なことだと思っているが、『自分がどう生きるか?』を決めることで人生は豊かになるということを改めて教えてくれた。
    つまり、どんな状況であれ、自分がしあわせに生きると決めれば、しあわせな人生になるということ。

    しかし、言葉に書くのは簡単だけど、容易ではない。ましてや、健二さんがALS発症から5年弱の人生でそれを決め、そう意識して生きるということは想像を絶する。それはご本人だけではなく、ご家族のご苦労も計り知れない。でも、苦しみ挫折しそうになりながらも何とか乗り越えられてきたのは愛の力だと感じる。

    僕が健二さんにお会いしたのはわずか一回だけ、しかも交わした言葉は二言三言だけだ。でも、そのわずかな時間の中で健二さんは愛の塊みたいな人だと感じた。

    その愛が著書の中にも表れ、シリアスな状況なのに時には笑いさえ漏れてしまうページがある。

    前置きが長くなってしまったが、一人でも多くの人に読んでもらい、何かの きっかけ にしていただきたい。

    きっと、天国の健二さんも喜んでくれる。
    そう願い、祈らせていただく。

  • 著者の藤元健二さんは、お会いしたことはないのだが、Facebookを通じて互いに知るようになり、何よりも同窓同期という間柄もあり、特別な思いででFacebookへの投稿をフォローしていた。
    同世代ということもあるし、ビートルズが好きなところなどお互いの共通点もあり、物理的には離れているのだが、とても身近な存在だった。
    ただ、残念なことに、藤元さんは、この本が出版されると同時に他界。出版記念パーティを前にして。そして彼の遺稿としてこの本を手に取る。

    ALSについてはアイスバケツチャレンジでだいぶ浸透し、私自身もその病について基本的な知識はあると思っていたのだが、病にかかっている本人の赤裸々の想いを読むにつれ、この無慈悲な病の恐ろしさを改めて認識。
    アイスバケツチャレンジは、この病の存在・認知から、を目的にしていると思うのだが、その意味でも、ALSについて多くの人に知ってもらうためにも、この本を多くの人に読んでもらいたい。

    この本を読んでいると、医療機関の対応、看護の問題等、ALS患者に対するインフラ面の改善が現在進行中のことに気付かさせる。
    その改善に向けてのメッセージ、情宣の意味でも大切な本だと思うし、彼の意志を無駄にしてはならない。

    本著は、単に病床の状況を知らせる、ということではなく、ユーモアも含めて、読者を惹きつけるものがある。彼の表現の豊かさ、文才にも感嘆し、その意味でも惜しい才能を失ってしまった。

    紛争、難民、自殺、いじめ等々、「生きる」ことや「命」が疎かに扱われるニュースに多く接することがある昨今、必死に「生きよう」としている彼の叫びや思いを感じることは、見失っている大切な何かを気付させてくれる。
    彼の発するメッセージは、純なものを更に絞り込むような純粋さがあり、人生を送る上での価値観、指針のようなものを与えてくれるのだろう。

    最後に、ALSへの治療法が明らかになることを祈ってやまない。そして自分にできることは些細なことであっても疎かにしない。

    以下引用~
    ・身体の動きをすべて奪われ、一見人間らしい営みはすべてできなくなる。ところが内面的にはより一層人間らしくなっていく。精神的な営みは、より活発になっていく。
    ・人間が人間になるには、あいだ、間が必要で、それは愛だ、と思うのです。人と人の間をつなぐもの、それがコミュニケーションであり、コミュニケーションは愛だと私は思います。
    ・人を少しずつ理解して
    だんだん好きになっていくことをやめた
    探りを入れない 疑わない
    そんな時間はもったいない
    いきなり大好き
    I love you more

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