村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

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著者 : 村上春樹
  • 中央公論新社 (2017年3月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049675

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事の感想・レビュー・書評

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  • 1980年代初め頃から、ほぼ同時代的に彼の翻訳したものを読み続けて来たけれど、先に息切れしたのは私だった(笑)
    読むの追いつけないほど訳すって凄すぎる。
    後半の柴田先生との対談を読むと、翻訳が楽しくてしょうがない様子がよくわかる。
    翻訳作業は「究極の熟読」。写経と同じで、いちいちぜんぶ引き写している、本当にいい勉強になる、と。

    また、アンソロジーや短編集が好きな村上さん、最近の電子書籍の短編ばら売りに、「あれはどうかな」と言っていた。確かに一冊の書籍にする際にどんな作品をどんな順番で入れようか、すごく悩んで時間をかけているはず。「総合的な成り立ちを大事にしていかなくちゃならない」って、同感。

    カタログとしてもわくわくが止まらない、素敵な本です。

  • 良書。盟友柴田元幸との対談もよいが、村上春樹の翻訳家としての全仕事について、なぜこの本をその時期に自分が翻訳しなければならなかったのか、という村上自身の現時点での見解が紹介されている点に何よりも価値がある。原書の写真も全てカラーで紹介されており豪華。ああ、これ読んだなとか、これ読んでみようとか、次に繋がる本であり、最良のブックガイドである。印象的だったのは、村上春樹の中で、(知ってたけど)、フィッツジェラルドとカーヴァーは特殊な位置づけであること(改めてカーヴァーを読み直してみようと思った)、カーヴァーの全翻訳は愚作も含めて翻訳しなければならないので辛かったとの点である。4月27日発売のインタビュー集「みみずくは黄昏に飛び立つ」もとても楽しみ。MONKEYで川上未映子のインタビュワーぶりが素晴らしかったからである。

    以下備忘録
    【小話】
    ・「空飛び猫」シリーズは、村上春樹の読者に勧められて翻訳したが、その読者とは、ポスドク時代の福岡伸一であった(!)
    ・中央公論の山荘で缶詰になっていたとき、朝から仕事をする村上春樹と、朝まで仕事をしていた橋本治が、朝のひとときを源氏物語(!)の話をして過ごしていた(源氏物語の何を話していたのだろう?)
    ・早川書房は翻訳部門が充実しきちんと校閲をしてくれるため、柴田元幸がアドバイスしていない。

    【読んで面白かった村上春樹の翻訳小説】
    ・Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選
    ・誕生日の子どもたち

    【今後読もうと思う村上春樹の翻訳小説】
    ・ワールズ・エンド(世界の果て)ポールセロー
    ・極北 マーセル・セロー

  • 彼の翻訳本は殆ど読んだことが無いのだけれど、ご自分が訳したいものを楽しんで訳すというスタンスとの事で一冊一冊の本の説明とか経緯とかが楽しんで読める。カラーもきれい。

  • 間違って二冊買ってしまった。ああ。

  • タイトルどおりの、
    村上さんの翻訳のほぼ全部の仕事(35 年で 70 冊くらい!)をまとめたもの。
    翻訳した英文テキストと訳書の写真、そしてひとつひとつ全部にコメントがついている。
    柴田元幸さんとの対談もたいへん興味深く読んだ。
    とてもすてきな一冊。
    村上さんにはぜひ長生きしていただいて、
    これからもいい仕事をしてもらいたい。

  • 解説付きのビブリオグラフィかな、くらいなイメージで手に取りましたが、すごくおもしろくて、いろいろと考えさせられました! 良い方向にビックリした本です。
    村上春樹の仕事録、っていうより、「本好きの人が好きな作品について語る本」っていう感じの本でした。文学に対する愛にあふれていて、読んでいる私も幸せな気分に。

    昔は、「本についての本」って、正直言って全然おもしろくなくて好きじゃなかったけど、最近の「本についての本」ってすごくおもしろくて驚きます。桜庭一樹さんの本とか、翻訳者が翻訳について語る本とか。
    この本の最後に、都甲氏(って誰か知らなかったんですけど・・・)が、「教養主義の終わり」について述べておられたけど、確かに、昔の「本についての本」って「教養主義」な匂いがしたな、と思ったり。いやー、いい時代です。こういうのも広い意味でインターネットのお陰なのかな。価値観を多様にしたって意味で。ネットって本の敵みたいに思われているけど。

    カーヴァーの作品は、映画化されたものを先に見て、それらがあんまり好きじゃなかったので、短編を1、2作読んだきりずっと敬遠していました。
    でも、この本を読んで、居ても立ってもいられず、まっすぐ本屋に行って「足もとに流れる深い川」をその場で立ち読み。うおぉ、おもしろい!と震えました。映画監督たちが彼の作品を映画化したがる気持ちがちょっと分かった。映画みたいに脳裏に映像が浮かびます。でも、残念ながら、というか、当然ながらこれは文字で読むべき作品だと思った。すごいなぁ。
    ぜひ「大聖堂」とかちゃんと読んでみたい。

    てことで、いくつか読みたい本リストが増えました。うれしいな。
    フィリップ・ロス(おしゃべり)とか、カポーティ(始まりがキラキラ)とかの印象を語ってるのを読むと、そうそうそうそう、分かる分かる、と、彼らの作品でまだ未読のものを読みたくなってウズウズ。

    とにかく読んでいて心踊る本でした。

  • 村上春樹の翻訳した本の一覧もさることながら、柴田元幸さんとの翻訳に対する対談が面白い。全翻訳読破しようっと。

  • 先日、村上春樹さんが翻訳したマイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』をはじめて読んで、まさにハートを貫かれてしまい、これに気をよくして彼の翻訳したティム・オブライエンの作品を久しぶりに読み直してみると、これまた素晴らしい……。そんなこんなで彼が翻訳した本はいったいどのくらいあるのかしらん? 

    なんと70冊! 翻訳本の集大成。一冊一冊丁寧に撮影された翻訳本とオリジナル本の写真が美しい、翻訳にあたっての思い出やコメントはとても興味深く、未読本にもがぜん親近感が沸きます♪ なんといっても翻訳家の柴田元幸さんとの対談がよかったな~。

    そういえば、奇しくもこの本と同じころに発刊されたポール・オースター。柴田元幸訳の『冬の日誌』&『内面からの報告書』は、64歳のオースターが半生を回想した面白い作品。村上さんもそうですが、もしかすると人は還暦を迎えると自分の活動をひととおり振り返り、もじどおり心機一転、またあらたな人生を歩み始めるのかも。いいですね~。

    忍耐を要する翻訳を趣味のように心から楽しみ、優れた作家から貪欲に学んでいこうとする村上春樹の自然体がなんとも印象的で、そんな彼の生き方に元気をもらいました。ということで、私も面白そうな未読の翻訳本に挑戦してみよう~♫

  • 村上春樹が翻訳した作品について語る本で、村上春樹翻訳の本はチャンドラーの翻訳を中心に数冊しか読んだことが無くて、こんなにたくさん翻訳していたんだ、と改めてびっくりした。もっと村上春樹翻訳の本を読んでみたいな、と思った。

  • もし世の中に「翻訳の神様」みたいなものがおられるとすれば、
    僕はたぶんその神様を祀った神殿なり神社なりを、
    どこかに建てなくてはならないのではないか。
    いつもそのように考えている。 ーーーー村上春樹

     村上春樹といえば、言わずと知れた大小説家だ。決して寡作でもないのに、これまで70冊もの本を翻訳してきたという。…天才を超えて変態だ。村上春樹3人いる説でも唱えたくなるけれど、本書を読むと本当に翻訳を心から楽しんでやっていることがよくわかる。他の人が努力しているときに、笑いながらやってるんだから敵うはずがない。
     訳文は古びる、重訳に対する考え方とか、読んでて面白かった。
     ペーパーバックに手出そうかな。途中で心折れるだろうけど。。

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