残念和食にもワケがある - 写真で見るニッポンの食卓の今 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050169

作品紹介・あらすじ

2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。日本が世界に誇るべきものと言われるが、では現実の家庭ではどのような和食が作られているか。20年にわたって食卓を調査してきた著者によると、和風の煮物、和え物、煮魚はほぼ“絶滅危惧種”であり、白いご飯やみそ汁までも消えつつある。盛りつけがラクで洗い物が減るからと「お子様ランチ」さながらワンプレートで食事をする大人たち、果物やトーストした食パンを「硬い」から食べない子どもたち……。そこには、バラバラの好みや都合、気分を尊重する、“新しい家族”の姿が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 現代家庭のリアルな食生活を詳らかにする内容がたいへん興味深い。だが、どうしても「責められてる感」を感じてしまった。調査協力した主婦のコメントが必要以上(と私は感じた)にくだけた口語のままだったり、食卓写真のうつりが酷かったり。これらをストレートに読み取ると、家庭料理の担い手(=主婦)に悪い印象を抱いてしまうのでは。現状の批判や「和食」の復権は意図しないとまえがきにあるが、意図せずともそのようになってしまっていると思う。
    こちらを読むのであれば、土井善晴著「一汁一菜でよいという提案」も併せて読むことを薦める。 

  • みんなの飾らない食卓風景。やきそばにご飯、麦茶・ビールはあるけど、味噌汁はない。煮物は給食で初体験する子供たち。お浸しも知らない。食べたことないから、食べられない。和食は今や家庭料理からは絶滅しつつあって、料亭とか外食でしか食べない。
    そもそも他の本で読んだけど、一汁三菜って、お手伝いさんがいる家庭向けの献立なんだって。

  • 残念。もはや料理ではなくセットアップ。

  • 日本の家庭で食べられることが少なくなってきた和食。
    実際の写真とともに現代日本の食卓を鑑みる。

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  • ◆7/17オンライン企画「食のミライ」で紹介されています。
    https://www.youtube.com/watch?v=jCW1km6G9LY
    本の詳細
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2017/10/005016.html

  • 写真が残念なのと文章で驚きと戸惑いを煽っているから「え!?」って思うけど、多かれ少なかれどこの家庭でも日本食の崩壊はあると思う。

    確かに読み進めると「えーこんな事になってるの!?」って思うけど、自分や実家を振り返ると確かに少なかれどあったなぁという事に気づくんじゃないだろうか。

    めんどくさかったり食欲がないときは小皿にご飯を盛っちゃうし、魚料理はかなり意識しないと食卓に出ないし(魚高いし)、酢はほとんど使わない。
    焼きそば食べたあとに物足りないと食パン食べたりするし。それが崩壊っちゃ確かに崩壊だけど、もはやそれを意識する事すらない。
    それにクウネル『ただいま食事中』の洒落臭い食事写真だって一汁三菜の人なんてほとんどいない。ランチプレートを使ったおしゃれな食事風景なんてカフェでは日常あふれているし、家庭料理だけ見て、こんな事に!?なんてちょっとナンセンスじゃない?とも思う。

    まぁショッキング度と「まったくもう」って気持ちを味わいたいのなら最適だと思うし。食卓の変容という資料としては価値はあると思う。

  • ふむ

  • この作者が長年続けている日本の過程での料理の記録の最新版
    親から子への料理の伝承がなくなっていることが如実に表されている

  • 和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、実はそんな「和食」は日本の家庭では絶滅危惧種になっているということを改めて明らかにした本。
    我が家の食卓だって一汁三菜の三菜ってご飯とおかず二品?という状態。味噌汁とおかず三品、和え物、煮物、焼き物って説明しても、そうなんだと感心されるだけ。本書に紹介されているより、魚を頻繁に食べているし、炭水化物ON炭水化物みたいな食べ方もあまりないし、ましな方とは思うが、それでもそんなものだから、世間の平均は推して知るべし。
    有名人がブログで食事をアップして、マナーがどうとかでたまに炎上しているが、異常に細かい人が炎上させているだけで、世間的にはそれが普通と言うことだろう。逆に、驚くほど凝った料理を披露している人は、かなり例外的な人か、他所行きのお化粧をしているだけということだろう。
    女性が普通に働くようになって、時間と手間をかけて食事を作らなくなったということの帰結で、残念で寂しい気もするが、それが時代の流れで仕方ないと受け入れるしかないのだろう。巻末に「食事の支度は女性がすべきもの」と考えているわけではないと、一生懸命説明しているところが、時代の流れを感じさせる。そう書いておかないと、激しく文句を付ける人がいるんだろう。

  • 今どきってホントにこんなんなの?と驚くような食卓が多かった。
    20代の若い家庭ならまだしも、30代後半や40代の主婦でもびっくりするような事を言う。
    「一汁三菜」を「汁物をお野菜を3種類」って言ってたり、「煮物は肉じゃがしか作ったことがない」とか。
    箸をあまり使わなくなってきたっていうのにも、驚いたし、家庭で子供に箸の使い方をちゃんと教えてないってのにも驚いた。
    驚いてばっかりだ。。。
    日本人としては、箸の使い方くらいは子供のころにしっかりと教えてほしい。「どんな持ち方でも、基本食べれていれば大丈夫」とか「自分なりの持ち方でも、食べているからいいと思う」とかあったけど、やっぱり箸がきちんと持てない大人は恥ずかしいと思う。

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著者プロフィール

1953年北海道生まれ。法政大学卒。大手広告会社勤務等を経て、現在大正大学客員教授、日本能率協会総合研究所客員研究員。1960年以降生まれの人びとを対象とした20年に及ぶ継続的な調査研究に基づき、現代の家庭や社会に起きるさまざまな現象を読み解くことをテーマにしている。著書に『変わる家族 変わる食卓』『「親の顔が見てみたい!」調査』『普通の家族がいちばん怖い』『家族の勝手でしょ!』『日本人には二種類いる』など。第2回辻静雄食文化賞受賞。

「2017年 『残念和食にもワケがある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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