整理学: 忙しさからの解放 (中公新書 13)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121000132

作品紹介・あらすじ

付: 参考文献

感想・レビュー・書評

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  • (参考文献)
    (全般的な問題)
    美と集団の論理 中井
    美学的空間
    決定と計画 ブロス
    能率学原論 上野
    Communication; social matrix of psychiatry, bateson
    (多忙なる現代文明)
    現代 シーグフリード
    孤独な群衆 リースマン
    Neurosis and human growth, horney
    (記憶から記録へ)
    コミュニケーションの歴史 ホグ弁
    現代人間学 
    (分類の原則)
    図書館経営実務入門 木寺
    How to use the library, broening
    論理学原論 コーエン
    ファイリング基礎講座 三沢(マネジメント 1963)
    (事務処理の技術)
    オートメーションと社会の発展 リリー
    第二次産業革命 ウィーバー
    事務処理 梅棹忠夫
    秘書 梅棹?
    事務処理革命における女性の役割 川喜田
    (「いれもの」の問題)
    新しい住宅 RIA
    人工頭脳 バークレイ
    思想と行動における言語 ハヤカワ
    (ダイナミックな整理)
    自然と生命のパレード
    the explaining metropolis
    数学から図表へ 城
    帳簿のない事務 渡辺
    (整理の本質)
    技術の歴史 フォーブス
    なんのために働くか フーラスチエ

  • 1963年の本。つまり60年前に情報を整理する人たちがこういう事を考えたり実践していたのね、ということを知ることができる反面、この5-10年のクラウドや色々なアプリを使った外部記憶インフラによって我々のアタマの使い方が60年前とはだいぶ変わっていることを実感する。


    終盤の「秩序とは熱力学の第二原則を人為的に撹乱すること」という記述は普遍的で印象に残った。

  • ●つまるところ、整理(「さがしものの」の苦労を回避する方法)の肝要は、記録せよ、そして分類せよ、とのこと。本書は、そのことについて延々と書いているだけって感じの印象を受けた。

  • 久しぶりに、加藤秀俊さんの「常識人の作法」を読んで、昔、よく読んでた頃を思い出し、「整理学」(1963.5初版)を再読しました!「人間が情報をどうさばくか」、これが整理学の核心であり、「図書館の知識の分類」、これが整理学の基本であると。懐かしいです。そして、私にとっては、温故知新、今なお新しい「本質」と思います(^-^)アリストテレスは知識を「真善美」に。そして「真」を「物理、数学、形而上学」、「善」を「倫理、経済、政治」、「美」を「詩、修辞学、美術」に。美しい分類ですね(^-^)

  • 「整理」をするために、根本的なところから固めていきたくて。
    一度だけだと理解が甘いので、もう一度読みたい。

    情報は紙などの乗り物で蓄積される/片づけはその場しのぎ的なものととらえて、動かすことを前提とする/スクラップも可変的にカード化

  • この本が書かれた昭和38年とは、翌年に東京オリムピックを控へ、日本中が沸き立つてゐた頃。わたくしはまだ生まれてゐませんが。
    高度成長の真つ只中で、当然経済活動も活発化し、情報も無差別に飛び交ひはじめた、さういふ時代であります。
     
    ひつきりなしに、問答無用で我が身を襲ふ資料や書類。特に当時は今のやうに「ペーパーレス」なんて概念はほとんどなかつたでせうから、紙の洪水の中で仕事をしてゐたのでせう。
    当時のサラリーマン映画やドラマの中で、上司が部下に「これ、明日までに頼むよ」などと言つて、山のやうな書類をドスン!と机に乗せるシーンがしばしば見られました。いはば紙の量=仕事量で、多忙な人ほど、その整理の必要性が高まつてゐたのです。

    そんな時代背景の下、著者と友人たちとの雑談の中で、「整理学」なる造語が誕生します。
    言い出しつぺは誰なのか判然としないさうですが、まあそれはどうでもいい。とにかく、この夥しい量の資料をなんとかせんといかんね、といふ発想が当然出てきます。

    そんな昔の話、現在のIT社会とやらに何の役にも立たんよ、と思ひますか。たぶんさうではないと、わたくしは勘考します。何故なら、本書では「記録」「分類」「いれもの」に注目してゐるのですが、これらは最新のメディアでもやはり重要なファクタアとなつてゐるからです。
    そして、著者の次の言葉に象徴される、整理の「本質」は未来永劫変らないのではないでせうか。

    「...あらゆる「整理」は暫定的なものである。(中略)「忙しさからの解放」といっても、ラクな解放感をうけとっていただいては困る。整理は、人間にとっての、楽しい、そして無限の苦役の一つなのだから」(「まえがき」より)

    さう、整理は面倒くさいなあといふ面があるのと同時に、楽しみでもあります。本書でその楽しみ方も伝授して貰ひませう。

    では御機嫌好う。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-130.html

  • 昨今流行の「整理・収納」の整理かと思いきや,少しはずれているような気もする。というよりこちらの方が今の時代を先取りした「整理学」なのだが。
    今ではその内容も陳腐化してしまってはいるが,この世で遣り取りされる様々なことは全て整理というものによってなされている,という考え方は実に面白い。

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「整理」について、割と根本から書かれた本。
    個人的には、著者の先見の明に驚いた。
    この本が書かれたのは今から50年近くも前だが、この本で指摘されている問題は今ますます重要になっていると思う。

  • 50年近くも前に出版されているところに面白味を感じて手に取った一冊。
    これがなかなか名言がありました。
    「おしゃべりがとまらない病=一般的過剰活動」の例をひき、現代人とどれぐらい差があるだろう?との問いから始まるわけですが、普通にマルチタスクで仕事して、遊びのことも考えて、家族や家庭matterを処理して、その間に、人ともしゃべるけど、人がいないときはバンバンツイートする・・・人って、もしかして病気?
    みたいに興味を引き付けられます。
    その後も、「秘書というと『社長と女秘書』的な、いいかげんな好奇心のイメージでみられることが多いが、それはまったくのインチキなるイメージであって、本来的に、秘書は、高級な事務処理専門職、とりわけ情報処理専門職なのだ」とか、今でも相槌打ちたくなるようなポイントが!

    情報社会、「似ているもの」を見つけてきて、分類して、命名して、記録していく、という「整理力」は必須、と改めて反省しました。(ブックコンシェルジュという仕事も「整理学」のひとつだなぁと、個人的には灌漑ひとしお)

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著者プロフィール

加藤秀俊(かとう・ひでとし) 1930年東京生まれ。社会学博士。一橋大学(旧制)卒業。京都大学人文科学研究所助手、同教育学部助教授、学習院大学教授、放送大学教授、国立メディア開発センター所長、日本育英会会長などを歴任。現在、中部大学学術顧問、世界科学芸術アカデミー会員。 著書に、『加藤秀俊著作集』全12巻、『メディアの発生』『メディアの展開』(中央公論新社)など多数。

「2016年 『加藤秀俊社会学選集 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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