肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))

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著者 : 鯖田豊之
  • 中央公論新社 (1966年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121000927

肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))の感想・レビュー・書評

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  • (1973.03.10読了)(1973.01.21購入)
    (「BOOK」データベースより)
    欧米人は、なぜ動物をと畜して食う一方、動物を愛護するのか?本書は、ヨーロッパ思想の原型を、歴史的・地理的条件に由来する食生活の伝統に求め、それに基づき形成された思想的伝統を明らかにし、日本とも比較しながら平易に説く。食という新しい視点で西洋の歴史を見直す、西洋史学究の問題作。

  • アフリカで生まれた人類は、色々な場所へと広がっていき、
    その土地に合った食生活をする事によって
    様々な文化や考え方を持つようになりました。

    人が簡単に移動出来るようになったり様々な土地の料理が食べれるようになり、
    インターネットで世界がバーチャルにつながる今、
    そういった風土の影響を超え人類は1つの「世界市民」になるのでしょうか?

    1966年に書かれたこの本を読んでいると、
    そんな事を考えてしまいました。

    なお、日本の戦争責任を「好戦ムード」としており、
    山本七平の「空気」(空気の研究は1977年発行)よりも前に
    書かれているのは興味深いです。

  • 1966年刊。著者は京都府立医科大学教授。◆人間中心主義の徹底、厳格な階級的断絶、輪廻思想の排斥といった西欧の基底的思想を、肉食中心・穀物従属の食生活と、これに至る植生・気候的諸条件に依拠するものとし、東西比較文明論を展開。◇肉食の淵源の叙述が足りず、相関関係or因果関係、影響範囲等、説明不十分のきらいはある。が、切り口は良で、内容はさもありなんと思わせる点も有り。◇ただ、江南等他の米作地域との比較、沖縄やアイヌなど牧畜でも穀物主導でもない地域との比較も欲してしまう。勿論、かかる問題意識の拡散には未対応。
     しかも、欧州(ことに西欧)は肉食というのが、実に根拠のないイメージに依拠するものであったかが判った(「魚に始まる世界史」)。肉食の淵源の叙述に乏しく、その点での説得力に欠ける本書の意味合いも当然に……。

  • 帯文(袖):”「豚の頭や兎の丸煮をフォークでつつくヨーロッパ人が、小鳥を頭からかじる日本人を残酷だという。」一体なぜ、彼らは動物をと畜して食う一方で、動物を愛護するのか。本書は、ヨーロッパの思想の原型を彼ら特有の食生活のパターンに求め、そのパターンによって形成されてきた思想的伝統に規制される彼らの日常生活や・・・”

    目次:はしがき、Ⅰヨーロッパ人の肉食、Ⅱ牧畜的世界ヨーロッパ、Ⅲ人間中心のキリスト教、Ⅳヨーロッパの階層意識、Ⅴヨーロッパの社会意識、Ⅵヨーロッパ近代化の背景

  • ヨーロッパでは、人間と動物の間に、はっきりと一線を課し、人間が上位である。
    人間は、家畜と常に違うというところを見せる為に、ヨーロッパでは、一夫一婦制なのであり、聖職者に至っては、異性に触れない独身が尊ばれる。
    これに対して、日本では、あらゆる物が神となる。動物も例外ではない。動物と人間の距離が、それほどないのだ。
    日本昔話を読んでも、なんと動物が出てくる話の多いことか。
    ヨーロッパで、動物は人間に食べられるために、神が作ったものだという。なんと、自分勝手な人種なんだろうか。
    日本人に産まれて良かった。

  • ヨーロッパ人の思想的背景には、動物と断絶した極端なまでの人間中心主義、社会的階層間の断絶がある。穀物が育ちにくい気候で、身近な家畜をメイン食材として屠殺してきた歴史的理由によるものである。

    昭和41年の本で、結構重要かつ基本的な西欧に対する認識だと思うのですが、その後あまり意識されてこなかったのは何故なんでしょう。漸く最近になって、のように思うのですが。

  • ■書名

    書名:肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見
    著者:鯖田 豊之

    ■概要

    欧米人は、なぜ動物をと畜して食う一方、動物を愛護するのか?本
    書は、ヨーロッパ思想の原型を、歴史的・地理的条件に由来する食
    生活の伝統に求め、それに基づき形成された思想的伝統を明らかに
    し、日本とも比較しながら平易に説く。食という新しい視点で西洋
    の歴史を見直す、西洋史学究の問題作。
    (From amazon)

    ■気になった点

    なし

  • 人獣の境をヨーロッパ人が気にしているというアイデアはもっともだが、食人に対するかの人らの観念に触れられなかったように見え、残念。

  • 西欧人の肉食の習慣から、彼らの生活意識や思想的伝統の形成を解き明かそうとした本です。

    ヨーロッパでは、高い肉食率を維持するために、人間と家畜との間の断絶を極端なまでに強調する人間中心主義が生まれたこと、そして、こうした人間中心主義が、ヨーロッパ思想の根底だということが論じられています。さらに、ヨーロッパ人の階級意識や社会生活についても、同じ観点から考察がおこなわれています。

    人びとの生活と精神との間にある種の照応関係が見いだせるというのはよくわかるのですが、本書を読むと、生活が人びとの意識を規定しているという決定論的な立場が背景にあるのではないかと感じてしまいます。しかし、肉食の習慣がヨーロッパの精神的伝統を決定しているというのは、言い過ぎではないかと、個人的には思います。

  • ヨーロッパ人は、いったいなぜ動物を屠畜して食う一方で、動物を愛護するのか…。本書は、ヨーロッパ思想の原型を、きびしい歴史的・地理的条件が生み出した特有の食生活のパターンに求め、そのパターンにもとづいて形成されてきた思想的伝統を明らかにし、それによって規制される彼らの日常生活や心理・行動を、日本とも比較しながら平易に説く。食生活という新しい視点の導入によってヨーロッパの歴史を見直す、西洋史学究の問題作。

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肉食の思想―ヨーロッパ精神の再発見 (中公新書 (92))の作品紹介

参考文献: 174-176p

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