人間にとって科学とはなにか (中公新書 132)

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  • 中央公論新社 (1967年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121001320

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人間にとって科学とはなにか (中公新書 132)の感想・レビュー・書評

  • 読書録「人間にとって科学とはなにか」4

    著者 湯川秀樹、梅棹忠夫
    出版 中公新書

    p77より引用
    “それで人生に目的がなければ人生が成り立
    たんかというたら、そんなことないんで
    す。人生に目的なんかなくたって生きてゆけ
    ますよ。ただ目的が出て来たときに、生き方
    が変わるということはありますね。”

    目次から抜粋引用
    “現代科学の性格と状況
     科学における認識と方法
     科学と価値体系
     科学とヒューマニズム
     科学の未来”

     日本を代表する科学者二人による、科学と
    人間との関わりについての対談集。
     当時の科学の状況についてから未来につい
    てまで、示唆に富む話が展開されています。

     上記の引用は、価値体系について語り合わ
    れた章での一節。
    朝起きて、なんの予定もなくしたいことも無
    い日は、殆どを寝て過ごしてしまったりしま
    す。もちろん、いつでもきちきちに予定を詰
    めてあっても、息苦しいでしょうが、ほどほ
    どに自分で予定を作ったほうが、寝て過ごす
    時間は減るかもしれませんね。
    普段必死に働いている人は、休みの日はずっ
    と寝ているのは、身体を休めるのが目的なの
    でいいと思います。
     科学の専門用語が乱れ飛ぶような、難しい
    ものではないので、気軽に読めるのではない
    でしょうか。賢い人の考えていることの、
    端っこが見えるようで楽しい一冊です。

    ーーーーー

  • 湯川と梅棹による対談。
    重要で興味深い論点をたくさん示してくださった。
    二人の思想的な対話を追う中でみえてきたことは「科学って、よくわからない」ということ。
    そうした高度な対話であるのにもかかわらず、いろんなことを感じさせてくれた(気になっている)のは、二人の頭のクリアさと、対談というスタイルゆえだったのかもしれないな、と思う。いずれ、面白い本だった。

    一応、いくつか気になったことを(ごく一部だけ)抽出しておくと、
    「われは仮説をつくらず」「人間を取り込んだ自然のダイナミックス」「"納得"させる術としての、科学あるいは他の方法について」「舞台裏における、イメージ的思想」「科学としての固有の価値体系」「科学のムダ・未完結性と、宗教」「知の衝動・知的好奇心」「人間のための科学?(人間中心主義?)」…

  • 学生の頃 科学技術史に 興味を持っていた。
    何故なのかは、いま 思い出せない。
    基本的には 
    『科学は幸福をもたらすと言われていたが
    現実は そうではない。科学が道具としたら、
    つかう人によって 不幸をもたらす。
    それならば、どのように科学が発展してきたのか?』
    というような 問題意識だったに違いない。

    『人間にとって科学とはなにか』
    は学生時代に読んだ。
    その頃から、私は 本にアンダーラインをつけていた。
    それを手にとりながら 『梅棹忠夫』が 対談相手なので
    再度読み直そうと思って 読んでいるのである。

    梅棹忠夫は 今西錦司の弟子で 生物と山登りが専門で
    そこから 文化人類学に まよいこんだ人だ。

    明治生まれの湯川秀樹と言う 『老荘』の素養もある 泰斗と
    どのような話が 繰り出されているのかが とても興味があった。
    本とは ふしぎな存在だ。
    随分前に読んだ本にも関わらず、いま読むと 50年近く経っているにも
    かかわらず、新鮮な刺激を受ける。

    はじめに
    湯川秀樹はいう『全体的に悲観的な傾向がつよいのに気がついた』

    というのは 科学が ある意味では 明るい未来を築くものではないと
    言う時代背景が あったのだろう。この対談は 1967年。
    高度経済成長から 公害と言う 社会的な問題が 横たわっていた。

    湯川秀樹は言う
    『老子や荘子の思想は、一方において、優れた自然哲学でありながら、
    同時に最も根元的な意味における科学否定論でもあった。』

    ふーむ。でだしからおもろいのだ。

    湯川秀樹は言う
    『人間の前に未知の世界が開かれていると思うからこそ、
    科学は進展し変貌してやまないのである。』

    デカルトはいう
    『まず自明なものから出発せよ』

    梅棹は言う
    『17世紀に確立されたニュートン力学は、人間的スケールの常識的な現象を扱っていた。論理的に一貫した理論体系が経験事実ともあっていた。』

    ニュートンはいう
    『我は仮説つくらず』

    湯川秀樹は ニュートンはそういっているが、舞台裏がある。
    密度 と言う概念が仮説的になり 質点 で乗り切った。
    それで ものの見方、考え方を高度に抽象化している。

    情報物理学
    物理学の対象は 物質とエネルギー。そして 時間と空間。
    そこから はみ出してきたものが 『情報』 だった。
    さらにすすめて エントロピーという概念へ。

    情報は 秩序を指定する。
    情報とは 可能性の選択的指定作用 と梅棹は規定する。

    生物は 存在すること自体が情報。
    生物を ものとして 取り扱いで終わるならば 進化史などはいっこうに了解がつかない。
    リプロダクション が 生物学の概念にあるが、
    それが 物理学の中に取り込めるか。
    情報 それ自体が 自己増殖する。

    ものとこころ。
    それをつなぐものが 情報である。

    湯川秀樹は言う
    『わかったやつはわかった。わからんやつはわからんでは困る。悟りみたいなことになってしまっては困る。それでは科学にならない。』

    科学が進歩することによって 人間は豊かになるのか?
    という問いかけで、確かに豊かになっている筈なのだが。
    そこから、先が見えない。

    宗教と科学の対比がおもしろい。
    宗教は 最初から 説明されている。
    科学は わからないことがあり、それを知ろうとする
    ことによって、組み立てられているが、
    いまだにわかったことがすくない。

    納得というテーマが この時点から 論議されていたことに
    おどろきますね。
    やはり、納得は 重要だ。

    知的好奇心が 原動力なのだが
    なぜ 知的な好奇心が 生まれたのだろうか。

    食欲、性... 続きを読む

  • (1970.01.05読了)(1969.11.20購入)
    *解説目録より*
    二十世紀は科学の時代だといわれる。しかし不思議なことに、人間にとっての科学の正体は今まで一度も問われたことはない。科学は今や人間を置き去りにして限りない巨大化・精密化の道をたどりつつあるかのように見える。しかし他のもろもろの文化的創造物と同様、科学もまた人間の営みの産物の一つである。にもかかわらず、人間をして人間不在の科学へと駆り立てるものは何か。また果して科学は人間にとって救済たりうるか。世界の最高頭脳と斬新な構想の持ち主が、ユニークな発想の上に立って、かつてなかった方法で自由に論じた思想的対話の書。

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    [ 参考となる書評 ]

  • 湯川秀樹と梅棹忠夫の「人間にとって科学とはなにか」という論題について対談集。湯川はいわずと知れた、ノーベル賞受賞物理学者。梅棹(うめさお)は、生態学者、民俗学者。湯川のいった「道の道とすべきは常の道にあらず」が、心に残る。湯川は、「古典を勉強したことが、物理学を修めることに大変役に立った」と言ったことがあったと記憶しているが、さらっと老子の言葉が出てくるあたり、この言はうそではないらしい。本の内容は、論題が論題だけに行き場の無い議論となっており、座談会の域をでないと思う。が、さすがに論客が一流だけに随所に慧眼と思わせる意見あり。

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