発想法: 創造性開発のために (中公新書 136)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121001368

感想・レビュー・書評

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  • KJ法の技法の解説とその具体的手法の概論を述べた著書。日本人が考案した,いわゆる質的研究手法の代表格。著者曰く「無の哲学」的アプローチである。ブレイン・ストーミングからKJ法,そしてPERT法への流れが如何に効果的かが解説されている。KJ法にには,KJ法A型,つまり図解の作成,KJ法B型,つまり文章化が存在し,それらの流れによって,KJ法AB型,KJ法BA型に分類できるとのこと。著者は,KJ法AB型がKJ法BA型より有効であると述べている。フィールド・ワーク(著者のいうところの野外科学・探索)に基づいた研究を行い,データ分析する場合には,このKJ法も1つの手段であろう。しかし,今日,質的研究手法には様々な技法が提案され,また各技法の解説書も刊行されている。データ分析,特にコーディングのテクニックとしてはKJ法よりもGTA(Grounded Theory Approach)の方が優れていることは否めない。

  • KJ法

  • KJ法という発想法の解説本。
    要するにブレーンストーミングで出た意見を
    まとめるためのものだという認識で良さそう。

    ブレーンストーミングで意見を出す

    出た意見をカードに書く

    カードをグループごとにまとめる

    まとまったカードを図にする(KJ法A型)

    図を元に文章としてまとめる(KJ法B型)

    PERTで計画を立案

    というのがKJ法の流れらしい。

    ブレーンストーミング→KJ法→PERT
    という流れを本の中で何度も推奨していたので、
    加藤 昭吉「計画の科学」もこの本の後に読むべき。

  • KJ法の使い方の本です。

    チョット古さは否めませんが、問題解決手法を深く理解したい人は読んでみても良いのではないでしょうか。

    ただ、現在はもっと解りやすい本があると思うので、必読とまではいかないでしよう。

  • KJ法創始者で知られる川喜多二郎氏自らKJ法を解説する本。KJ法が体系づけされまでのいきさつから、その実行法の解説、など語られています。チームで仕事をするときに、KJ法を使えば、なるほど生産性が上がるだろうと納得しました。この方法はきわめてデジタルと親和性がよさそうです。コンピュータが個人レベルにまで普及する20〜30年も前にこんな手法が確立されていたのはとても面白いです。それも日本人の手によって。良書。読むべき本です。

  • 文献レビューを行う卒論の方法論を泣きながら探していた時に、ふと見つけて買った本。遡ること2年前。いやはや時間が経つのは早いもので。当時は読んだ気になってたけど、実際にはまったく使いこなせていなかった…と4か月前ゼミで卒論を発表して思い知らされる。ということでもう一度読み返してKJ法を行なった2011夏@定山渓。簡単に見えるけど奥が深すぎるKJ法。その概要が良く理解できますよ。とりあえず初心者はA型だけで充分なはず!

  • KJ方の原典を、と思って読んだが難解でとりあえず最後まで読んだ感じ。自然科学における野外調査の膨大な情報を捌くための、かなりマッチョで知的忍耐力が必要とされる方法だという印象。

  • 発想法
    ●問題に関係ありそうなことを全て吐き出し、それらを構造付けて組み立てる。さらに、その構造を一行見出しで圧縮して表現する
    ●問題に関係する情報を集める際に最初に働く人間の能力は、理性ではなく感情のようなもの
    ●ブレストではとにかく多くの量を出し、そのアイデアや意見を結合して発展させる
    ●ブレストの結果をグループ編成する場合、まずは小さいグループを作って、次第にまとめて大きくする
    ●複雑すぎず単純すぎないグループを作成することで発想が刺激される
    ●図解と文章での説明は、それぞれ空間的関係認知と鎖状に論理でつなぐ関係の認知にあたり、相互にチェックしあう力を持つ
    ●ブレストには実施前に必ず不安があり、そこを乗り越えて道が開けた時にこそ、「わかった」という喜びを感じる
    ●討論の際に調子はずれの遊離した印象を与えたアイデアこそ、問題を考え直す取っかかりになる
    ●図解した一部にフォーカスして討論を集中させることで総合的に発展させる

  • 1997,5,22と日付あり。KJ法を活用して…ということをしていたので、それをちゃんと理解するために購入した本。書いてある内容は使い方と応用。

  • マインドマップの変形版みたいな印象を受けました。
    問題に関する「科学的」認識や、欧米人と日本人の考え方の対比等、細かな造詣が深く。表層的な発想本では無いと感じた。

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著者プロフィール

1920年(大正9年),三重県生まれ.1943年,京都大学文学部地理学科卒業.大阪市立大学助教授,中部大学教授などを経て,KJ法本部川喜田研究所理事長,元社団法人日本ネパール協会会長,ヒマラヤ保全協会会長.理学博士.昭和53年度秩父宮記念学術賞,マグサイサイ賞,経営技術開発賞,福岡アジア文化賞受賞.著書に『続・発想法』『野外科学の方法』『KJ法』ほか

「2019年 『まんがでわかる 発想法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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