マザー・グースの唄: イギリスの伝承童謡 (中公新書 275)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121002754

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  •  1972年に出版されたマザー•グース研究の草分け的な論説文。
    北原白秋(→「まざぁ・ぐうす」に注目していたところがやはり凄い)等の日本語訳と、原文を比較できるように載せてくれ、とても面白かった。

    ●童謡の持つ力 ...意味はわからないのにリズムで覚え、頭のどこかに残っている点。
    (例:とうりゃんせ、ずいずいずっころばし、かごめかごめ...)
    ●英語圏の文化に触れる(映画を見る、英語の勉強をするetc.)なら、マザー・グースは外せない点
    (どんぶらこ、といえば桃というような、辞書には出ていない共通認識)
     ➡︎古くは中世以前まで遡れる欧米人の感覚で普遍なものが歌の中に沢山あり、それが現在でも表現の中で普通に使われている点
    ●この様な口承口伝のものを収集し本にまとめた先人研究者の苦労や重要性(時間が経つほど遡るのが不利、時代に合わないものが修正されたりする)と敬意

    以上をふまえて、マザー・グースの生命力であるナンセンス、不気味、韻を踏むリズムの面白さなどの奥深い、けれど軽快な魅力を味わえる。

  • 英語圏ではなじみ深いMother Gooseに関して解説した本。アガサ・クリスティや『鏡の国のアリス』にMother Gooseがよく出てくるとは感じていたが、新聞の見出しにも使われているとは知らなかった。英語を読むうえで欠かせない知識だと感じた。

  • マザーグースにハマった…。確かに外国人がずいずいずころばしに出会ったとして、「ごまみそずい」や「とっぴんしゃん」という歌詞を辞書で引いても出てこないだろう。英語はあまり変化がないとはいえ、辞書は役立たないかもしれない。私はヘイディドルディドルが好き。

  • 生き残りが極めて厳しい新書の世界で、半世紀近く前の発行から版を重ね続ける「超」ロングセラー。
    知っているのと知らないのでは天地の差が出るマザーグースの一端を丁寧に説明する名著。

  • 「イギリス人の心の風景」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=K23636

  • 英国童謡学の入門書として他になかなかお目にかかれない中、貴重で興味深い。事例が多いだけでなく、唄の解釈も充実しており素晴らしい。

  • マザー・グースを数十篇紹介。北原白秋と谷川俊太郎の日本語訳の比較も交える。
    イギリスの歴史や文化など、背景と唄の強い関係性について言及。マザー・グースがイギリス(やアメリカ)の人々の思考の土台部分にしっかりと埋め込まれていることに気づく。私たち日本人に馴染みある『不思議の国のアリス』についても『そうなのか!』と面白さを再発見することができそうだ。個人的にはコック・ロビンの唄について知れたことがよかった。

  • 英語圏文化の土台にあるものといえば聖書、シェイクスピア、そしてこのマザーグース。辞書を見ただけではわからない、その生活に根付いた言い回しの由来はとても興味深かった。多くの例が挙げられる中で印象的なのは、どれも巧みな韻回しで何となく口ずさんでしまいたくなるその響きの良さ。そして、多くの唄が真面目なふりをして裏であっかんべーをしている様な、シニカルでナンセンスな内容となっていることだ。音韻が意味を裏切り、言葉が好き勝手に踊り出している唄の数々。もしかしたら、今の日本語は少しだけ生真面目すぎるのかもしれない。

  • 面白かった。

  • マザーグースが気になっているときに見つけたので購入。
    原文と日本語訳付きでマザーグースについての考察が進む。
    若干、訳が硬い印象が受ける。

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