日本の神々 (中公新書 372)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121003720

感想・レビュー・書評

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  • 日本神話についてこういう研究のし方もあるのかと新鮮な感覚を覚えた。10年ほど積読にしていたが、読み始めたら面白くて一気に読んでしまった。

    初版が1974年だから、本書の内容のいくつかは今では古くなっているものもあるかもしれない。

  • 記紀神話に登場する神々、特にイザナギ・イザナミ、スサノヲ、アマテラスといった主要な神々の「記紀以前の」原像を解き明かした書。これらの神々が元々どのような存在であったのか、また記紀(宮廷)神話に組み込まれるにあたってどのような変貌を遂げたのかを、歴史学・民族学・比較神話学の手法を用いて考察・解説している。
    著者は記紀にて描かれる宮廷神話を、複数の地方神話が中央の政治的理念の下パッチワーク的に融合されたものとしており、イザナギ・イザナミやスサノヲ、アマテラスも元々は一地方の神々であると指摘している。即ち、イザナギ・イザナミは淡路島周辺地域の始祖神、スサノヲは紀伊・須佐地方のマレビト的性格を有する海洋神、アマテラスは伊勢にて祀られていた(男性の)太陽神であって、これらの神々の信仰が中央と接触し造り替えられていったとする。記紀神話が純粋に自然発生的な神話体系でない事は以前から知っていたが、神話の統合・改変がこれ程までとは思わず大いに驚かされた。これらの神々の信仰圏の広がりに海人集団や出雲の巫覡集団の活動を見出す点については保留したいが、巻末の「神話」の定義を含め多くの点で示唆を与える書であった。
    非常に興味深く、また面白い本だが、難解な所もあるのであらかじめ日本神話(特に記紀)に関する知識を入れておくとよい。
    追記(2013年4月30日):本書の初版が刊行されたのは荒神谷遺跡が発見された9年前(1974年)であり、出雲地方に関する学説が古いものである事を注記しておく(その為★を一つ減らしました)。

  • 1974年初版。手元にあるのは2002年版。
    いつの間にか購入していたのだ。

  • タイトルまんま。
    勉強したい方の入門書というかんじ。
    特にアマテラスとスサノオについて書かれています。
    日本神話をちょろちょろ学んでるよ~ていう方向け。

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著者プロフィール

1922~2002。國學院大學文学部卒業、同大学大学院修士課程修了。天理大学、立命館大学、奈良大学等で教授職を歴任。専攻は神話学、宗教学。文学博士。著書に『日本神話の新研究』『古代伝承と宮廷祭祀』『日本神話の謎』『大和国家と神話伝承』『古代信仰と神話文学』等のほか、「松前健著作集」(12巻・別巻1)がある。

「2016年 『日本の神々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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