近代絵画史 上: ゴヤからモンドリアンまで (中公新書 385)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121003850

感想・レビュー・書評

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  • 絵はいっぱい見てるけど美術史にうとい、って人にぴったりです。

    何冊か買いましたが、これが一番情報量が適切。
    少なすぎず、多からず。
    (ここから自分の関心に沿って、いろいろと他の本を読んで適宜追加・修正していくくらいの量)
    とりあえずこれを読んで一通りの入門知識は身につきます。

    ただ写真はモノクロだし少ないので、ある程度いろいろ絵は見てる、って人か、横に写真いっぱいのほかの入門書とかを置いておいたほうがよい思われる。

    やっぱりある程度の背景知識があったほうが絵を見るのってずっと楽しいねー
    今まで素通りしてきた絵を再発見です。

  • 名著だがカラー版が出ているのでそちらを買った方が良い。

  • 印象派の時代が、更に好きになった。溢れる光の表現の洪水が、どこように変遷したのかおかげでまた少し理解出来た。当時のフランスに行く事が出来たら、感性のぶつかり合いが眩しいだろうな。

  • 近代絵画史 (上)

  • 高階秀爾『近代絵画史』中公新書 読了。近代絵画に焦点を当てて。独特で個性的な表現手法は、表現とは何か煩悶した結果が体現されたものであり、著名な作品はその果ての産物といえよう。絵画史の表舞台に名を残しているのは悉く当時の反主流派であることは興味深い。画集を片手に携え読みたいところ。
    2016/01/18

  • ★評価は読了後に。
    緑本だけに所々時代を感じさせる言い回しはありますが、当方のようなど素人に噛んで含めて説明したしてくれています。印象派の歴史的位置付けが個々の画家を整理することで腹に落ちてきます。しかし、並べて読むとマネという存在が際立っているように思うのですが、是如何。

  • ドラミっちの推薦本。絵画の近代化はいつから始まったか、そもそも近代の絵画とは何か。文は堅いけど、内容はコンパクトにまとまってる。フランスアカデミーのお作法に従わなかった印象派が、新しい社会に受け入れられてきて、その後いろんなアンチ印象派がわやわや出てきて、絵画の枠が広がったのが近代化ということで、やっぱり印象派革命からはじまったのだ。そこで、いい年号暗記法を思いついたよ。「第一回印象派展、今後の絵画にいい話(いいはなし=1874年)」。

    【問題】近代絵画の幕開けとして19世紀後半に起こった、写実主義~印象派~反印象派、の流れの中心となったフランスの画家を5人挙げ、その位置付けをを示しなさい。

    【回答例】決まった正解はないけど、例としては、クールベ、マネ、モネ、スーラ、ゴーギャンの5人。クールベとマネが現実をとらえる作品で、古代を理想とするアカデミーに精神面と技法面から対抗し、これを受けてモネたちが筆触分割の明るい写実「印象派」を開拓した。さらにスーラがこれを点描で極限まで追求したのに対し、ゴーギャンは逆にベタ塗りに転換して内面表現を重視した。印象派以降の絵画は、「決まった様式のない」多様な近代芸術となった。

    【関連年表】
    1855年 クールベ、パリ万博前で個展『レアリスム宣言』
    1863年 マネ「草上の昼食」がサロン落選展で物議
    1874年 モネら、第一回印象派展を開催
    1884年 スーラら、第一回アンテパンダン展を開催
    1891年 オーリエが批評『絵画における象徴主義~ポール・ゴーギャン』を発表

  • 201308読了

  • 西洋美術史の流れがよくわかる。ただし写真はモノクロ。

  • 近代絵画史を分かりやすく解説している入門書。

    著者は、既存の主題にとらわれず制作の「自由」を徹底的に主張したゴヤに、絵画における「近代」の始まりを見ている。さらに、ダヴィド、アングルらの新古典主義と、ドラクロワらのロマン主義の対立、クールベとマネを経て、印象派に至るまでの流れが簡潔にたどられ、後期印象派、ゴーガンとゴッホ、さらにロートレックとナビ派までが扱われている。

  • 主に写実主義から抽象主義までの近代絵画の歴史を取り扱う。著者は昨年文化勲章を受章している。写実主義から始まりロマン主義、印象派さらに、後期印象派が目に見えるものの限界を突破し、象徴主義、フォービズム、キュビズムに至り近代絵画の多角的な広がりを丹念に説明していく。

  • (1975.04.08読了)(1975.02.26購入)
    *表紙の帯より*
    近代の西欧美術を概観して最もスタンダードな〝読める〟通史
    人はしばしば、思いがけない絵に接してとまどい、時にはこれが絵画かとさえ疑う。しかし、一見わけの判らぬ抽象画や不気味なシュールレアリズムの作品も、決して画家の気紛れや偶然の産物ではない。ルネサンス的世界像の崩壊に伴い、近代絵画の流れの中で生まれるべくして生まれてきたのである。このような状況を、十九世紀初頭から第二次大戦まで、代表的画家の業蹟と美学的理念、表現方法を通じて明らかにする。(本巻は、ゴヤからボナールまで)

    【目次】
    序言
    第一章 近代絵画の始まり
     ゴヤ
    第二章 ロマン派の風景画
     ターナー、コンスタブル、フリードリヒ
    第三章 新古典主義とロマン主義
     ダヴィッド、アングル、ドラクロワ
    第四章 写実主義の擡頭
     コロー、ミレー、ドーミエ
    第五章 近代性の追求
     クールベ、マネ、ドガ
    第六章 印象派の登場
    第七章 印象派の画家たち
     モネ、シスレー
    第八章 印象主義の超克
     ルノワール、セザンヌ
    第九章 新印象派
     ピサロ、スーラ
    第十章 象徴主義と綜合主義
     ゴーギャン
    第十一章 ゴッホの時代
     ゴッホ
    第十二章 モンマルトルの画家たちとナビ派
     ロートレック、ボナール

  • 非常に有益な書であった。

    その理由は、絵画の流行・表現方法の変遷を歴史の流れとして掴むのに効果的な働きをしてくれたからである。

    紹介されている画家たちも有名な人物ばかりで助かった。
    それは、ゴヤ、ターナー、コンスタブル、ダヴィッド、アングル、ドラクロワ、コロー、ミレー、ドーミエ、クールベ、マネ、ドガ、モネ、シスレー、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、スーラ、ゴーギャン、ゴッホ、ロートレックなどである。

    フリードリヒは知らなかったので勉強になった。

  • 上下巻再読。概説だけに一読では分かりづらいところもあるけれど、個別の画家について絵をみたり本を読んだりした後に、整理の意味で読み直すと流れがすっきりする。

  • 近代とは何か?それを絵画を通して、明晰に語ってくれる。
    一人ひとりの画家、一つ一つの作品についての解説としては十分ではないが、絵画における近代というテーマを俯瞰するには、完璧だ。

    頭の中がすっきりと整理される。
    唯一絶対の美が幻想に過ぎないと分かった近代では、様々な芸術が苦悩とともに百花繚乱のごとく咲き栄えていく。

    しかし、紹介されている作品が白黒なのと、本文で言及される絵画全てが載っているわけではないので、本書を理解するためには、西洋絵画についての幅広い鑑賞経験が求められるだろう。

  • [ 内容 ]


    [ 目次 ]


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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  ここでいう「近代絵画史」とは、フランスを中心とした西欧の絵画史のことです。念のため。
     上巻は、絵画における近代とは何かという問いに始まり、ロマン派のゴヤからナビ派のボナールまでを扱う。
     「ロマン派」・「新古典派」・「印象派」・「象徴主義」など、それぞれ独立したグループとして存在するかのように捉えられがちな絵画史の流れを、歴史的背景を織り交ぜながらわかりやすく解説している。どのグループにも、前の時代の絵画に対する美学上・表現技法上の反抗があり、その反抗からこそ、新時代が生まれていくということがよくわかる。
     また、著者の簡明かつ豊かな日本語は、ただ文章を楽しむためだけでも読むに値する。

  • 上下巻。絵画鑑賞入門。とにかく歴史から入る、というこのスタンス。

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著者プロフィール

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

「2024年 『エラスムス 闘う人文主義者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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