詭弁論理学 (中公新書 448)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 157
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004482

感想・レビュー・書評

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  • 確かにタイトルは詭弁の“論理学”で、学問として詭弁を考える、という方向で考察が進められていく。勝手に勘違いしてた自分が悪いっちゃ悪いけど、詭弁の使い方のイロハ的内容を期待してた向きには、期待外れの内容だった。もう35年も前の本だけあって、今じゃ当たり前に理解されてることを敢えて言語化してクドクド説明されてる感もかなりあるし。まあもう読まないと思います。

  • 【Impression】
    途中から頭がこんがらがってきた。
    「何かこの問題や議論に違和感を感じるが、それがどこか、なぜか、なにか」ということはよくあること、けど「言い返せない」てのはもどかしい。

    論理のパズルはさておき、「強弁」「詭弁」などの区別についての項目は理解ができたので面白かった、が、こんなことを考えながら話をする機会はなかなか無い。
    瞬時に感覚的に見抜いて潰さないとダメかなー、やっぱり弁護士って凄い賢くないと出来ないな

    【Synopsis】
    ●「強弁」・・・①相手の言うことを聞かず、②自分の主張に確信を持ち、③反対する者は悪魔であり、④言いたい事を繰り返し、⑤感情的になる
    ●「詭弁」・・・多様な種類があり総括は難しいが、根本は「健全な常識を持つことによって健全な判断力を養う」ことが対策の一つ。例えば「本質的な愛とは~」とか言い出されたら「愛」の定義を好きなように使われるので、注意。極端な二分法に対しては「中間の存在」、相殺法では「相殺されるもの同士のバランス」、消去法では「そもそも答えが存在するか」、ドミノ理論では「ドミノが発生するのは本当か」、などに気をつけて対処する

  • 伝え方の方法論的な本が売れている。池上さんのとか、佐々木圭一さんの。 私は小さい頃から口下手で、人生振り返り一度も無いかもしれない、うまく伝えられたと自信を持って言える事が。正面突破しようとせず、何か裏道的な方法があれば… と思って手にとったのが、この本「詭弁論理学」。活用・応用できるかは棚上げして、結構面白おかしく読めたし、最後の章「論理のあそび」は楽しかった。
    それにしても強弁、詭弁、それぞれのカテゴリがまた興味深い(そのようにカテゴライズした著者のセンスが面白い)。みんなそうやって話してるんだ…。 目次を見るとわかるように、強弁は、・小児型強弁 ・二分法 ・相殺法 と3つ。 詭弁は、 ・二分法(強弁とのあきらかな違い有り) ・相殺法(強弁との違いはあまり無い) ・論点のすりかえ ・主張の言い換え ・消去法 ・ドミノ理論 … とおおまかにカテゴライズされて、事細かに著者の視点で説明が書かれている。
    そして(「しかし」のほうが接続詞として適切かもしれない)、総括として、いかなる強弁詭弁も、「健全な常識 健全な判断力を養う」ことが大切とのこと。
    全部読んでみて、伝え方というよりか、詭弁強弁に遭遇した時に「それは違うよね」って言える対処法。

  • 難しい数式ものっているが、とんちみたいだった。

  • 頭が混乱する様を体験してみると良い。いかに反射的な思考で日々の情報を受け取っているか覚えておくと、何かに役に立つ。

  • 頭こんがらがる面白さ。頭の体操的な内容が大部分だけども、詭弁に対応するには…という一説には、当たり前のようでいて、見落としがちなポイントがまとめられていてスッとした。

  • この本は議論べたが議論上手に対して、「勝てなくてもいい」という前提で、議論を楽しむ「ゆとり」を身につけることを望む人々のための本らしい。ハウツーものではなく、議論の種類や仕組みを解説し、論理の遊びを楽しめるような本の作りになっている。議論になるとなんだかよくわからないうちに言いくるめられているヒトには、相手の話を理解するためのとっかかりになる本であると思う。

  • 詭弁って何だろう,と思って読んでみた。
    パズルを解く感覚で楽しく読めた。
    それにしても,三段論法って簡単だと思っていたけど,意外と難しいのね。。。
    騙されない人になるためにも,普段から論理の運び方に気を払って会話するようにしなきゃだな。

  • 本書を買ったのは、今を遡ること10年くらい前。
    たしか、その頃、中公新書でも10本の指に入るロングセラー、と聞いていたのを(かすかに)覚えている。
    奥付を見てみると、1976年に初版が発売され、今回読んだものは1998年の第41版。

    先日、新聞の片隅に中公新書の発行部数ランキングが載っていたが、そのベストテンの中に本書もランクインしていた。
    懐かしさとともに、まだ本書を手放していなかったので、久しぶりに読む事にした。

    本書は「詭弁を見破る方法」とか「ある程度の詭弁を弄してでも、自分の主張を通すためには」といった内容ではなく、「詭弁の構造を分析して、議論や論理遊びを楽しもう」という趣旨の本。
    (著者も言っているが)ハウツー本とは異なるという事を強調したいために、タイトルに「学」という言葉を使ったらしい。

    論理学の専門用語は、いくつか出てくるが、その専門用語自体は知らなくても、実例を見れば、その「理屈のこね方」は、どこかで聞いた事がある、というのがほとんど。

    人は時に意図せず、時に意図的に詭弁を弄するものらしい。
    著者が外国でつり銭を間違えられそうになった例は、落語の「時そば」の変形(悪意はなかったらしいが)
    また、本書には出てこない例だが、数年前、自衛隊の海外派遣に関して、国会で「非戦闘地域とは?」という質問に「自衛隊がいる所が非戦闘地域だ」とのたまった某総理大臣もいた。

    例を挙げて「詭弁の構造を分析」する段階で、世にはびこる詭弁のパターンをピックアップしているので、「詭弁を見破る方法」の習得には役立つかもしれない。
    が、詭弁だと分かる事と、詭弁であることを相手に認めさせる事は別。
    本書では、「そういう場合、こう切り返せ」などという事までは書かれていない。

    むしろ、詭弁だと見破る事より、間違っている点を指摘する事の方が難しい。
    簡単な例ならば、すぐに分かるが、「上級編」とことわっている例だと、間違っている点がなかなか分からなかった。
    そうでなくても、自分で考えた場合、「早とちりで、こういう勘違いをする」と紹介されているケース、そのままの結論になってしまう事がたびたび。

    たたみかけるように自説を展開する人は疑ってかかるようにした方がいいかもしれない。

    ところで、「たたみかけるように自説を展開する人達」は、つい最近、たくさん街頭に立っていた。

    今更だが、その人達の「活動」が始まる前に本書を読んでおけば・・・と思った。
    たくさんの実例を集めることができただろうから。
    いや、これからでもたくさん集められそうだ。

  • 詭弁・強弁の正体を見破って、論理的に楽しもうという趣旨の本。議論に強いから頭が良いとは限らない、ということを前提に、まず議論の内容を詭弁と強弁に分ける。まず強弁は自分の言いたいことをひたすら言う「小児型強弁」。善悪二つの概念に強制的に分離して相手を悪いほうに追い立てる「二分法」。相手の言い分を取り消してしまう「相殺法」。次に詭弁は議論そのものを横道にそらしてしまう「論点のすりかえ」。犯しやすい推論上の誤りを利用する「主張の言い換え」。おなじみの「消去法」。一つが倒れると全てが倒れるとする「ドミノ理論」。このように詭弁・強弁を分析をし、最後に論理の遊びを行う。

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著者プロフィール

野崎昭弘

一九三六年(昭和一一年)、神奈川県生まれ。五九年、東京大学理学部数学科卒業。六一年、東京大学大学院修士課程修了。東京大学助手、山梨大学教授(計算機械学科)、国際基督教大学教授(理学科)、大妻女子大学教授(社会情報学部)、サイバー大学IT総合学部教授を歴任。現在,大妻女子大学名誉教授。専攻、情報数学。著書に『電子計算機と数学』(ダイヤモンド社)、『πの話』(岩波書店)、『とらんぷ』(ダイヤモンド社)、『計算数学セミナー』(日本評論社)、『詭弁論理学』『逆接論理学』(中公新書)、『計算機数学』(共立出版)、『数学的センス』(日本評論社)、『トランプひとり遊び』(朝日新聞社)、『はじまりの数学』(ちくまプリマー新書)ほか。

「2021年 『まるさんかく論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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