ダーウィン論―土着思想からのレジスタンス (中公新書 479)

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著者 : 今西錦司
  • 中央公論新社 (1977年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121004796

ダーウィン論―土着思想からのレジスタンス (中公新書 479)の感想・レビュー・書評

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  • 内容的にはおそらく間違いだし古いが、土着思想からのレジスタンスというのがユニーク。

  • (1977.10.02読了)(1977.09.24購入)
    副題「土着思想からのレジスタンス」
    *本の帯より*
    四十年の蓄積が培った独自の進化論を携え古典を再検討する
    カゲロウ幼虫を材料に用いながら、生態学から分類学を通して社会学へと向かってゆく中で、著者は独自の進化論を培ってきた。一方、進化の道筋を、個体間の生存競争による自然淘汰と説明するダーウィンの思想は、一世紀の間、長い安泰を誇り今日なお進化論の主流にある。彼我の理論の分岐の原点を訪ねるべく、『種の起源』の精細な再読を試みた本書は、相異なる二つの自然観の対決であり、著者の中心テーマの見事な集約である。

    【目次】
    第一章 ダーウィンとのかかわり
    第二章 ダーウィニアン・ドクトリン
    第三章 ドクトリンの崩壊
    第四章 自然淘汰を否定したところは同じだが
    第五章 種は変種から生じたか
    第六章 優占種に変種が多く生まれるか
    第七章 ダーウィンとラマルク
    第八章 環境はどのように取りあげられたか
    第九章 ふたたび大進化の舞台へ
    第十章 ダーウィンとウォレース
    第十一章 むすび
    あとがき
    グロッサリー

    ☆今西錦司の本(既読)
    「人間以前の社会」今西錦司著、岩波新書、1951.08.05
    「アフリカ大陸」今西錦司編、筑摩書房、1963.10.25
    「人類の祖先を探る」今西錦司著、講談社現代新書、1965.07.16
    「人間社会の形成」今西錦司著、NHKブックス、1966.04.20
    「私の自然観」今西錦司著、筑摩書房、1966.06.20
    「人類の誕生」今西錦司著、河出書房、1968.03.10
    「学問の建設」今西錦司・下村寅太郎著、日本ソノサービスセンター、1969.02.01
    「私の進化論」今西錦司著、思索社、1970.05.01
    「生物社会の論理」今西錦司著、思索社、1971.03.15
    「自然と山と」今西錦司著、筑塵書房、1971.07.15
    「日本動物記1 都井岬のウマ・飼いウサギ」今西錦司・河合雅雄著、思索社、1971.10.01
    「日本動物記4 奈良公園のシカ・動物園のサル」今西錦司著、思索社、1971.12.01
    「生物の世界」今西錦司著、講談社文庫、1972.01.15
    「今西錦司座談録」今西錦司著、河出書房、1973.03.10
    「そこに山がある」今西錦司著、日本経済新聞社、1973.07.19
    「人類の進化史」今西錦司著、PHP研究所、1974.03.25
    「今西錦司全集第7巻ニホンザルの自然社会・ゴリラ」今西錦司著、講談社、1975.03.12
    「今西錦司の世界」今西錦司著、平凡社、1975.06.25
    「進化とはなにか」今西錦司著、講談社学術文庫、1976.06.30
    「私の霊長類学」今西錦司著、講談社学術文庫、1976.11.10
    「山岳省察」今西錦司著、講談社学術文庫、1977.09.10

  • ダーウィンの自然淘汰説に異をとなえつつ、ダーウィンの進化論を批判的に紹介した本。

    適者が生き残ること(自然淘汰)によって新種が生まれ、生物は進化していくのだというダーウィンの仮説に対して、今西さんは「種はあらかじめ、どの個体が生きのこっても種の維持存続に支障をきたさないように段どりしている」のだと考える。そこには、種の中でどの個体が生き残るかを決定するのは、(ダーウィンが主張したように)個体差の優劣なのではなくって、「運」なのだという前提がある。

    それはそうじゃないかなあ、と思う。


    今西さんの進化論がダーウィンの進化論と異なる、もうひとつの点は、今西進化論においては、種と個体とは別のものなのではなくって、それだから種が変化するときには、どの個体も同じように変わるはずであって、一個の個体、あるいは一組の男女を種の起源と考えなければならない理由はない、としているところ。

    それもそうじゃないかなあ、と思う。


    あと面白かったのが、個体数の多い、いわゆる「優占種」と、個体数の少ない種との個体数の分布をグラフ化すると、きれいな曲線になるらしい。これを無機化学者の西堀栄三郎さんに話したら、地球上にある物質の配分も似たようなものになるだろうと言われたとか。

    そこで今西さんいわく、「そういうことであると、ある地域にすむ生物のなかに、個体数の多いものとすくないものとができるのは、生存競争というような生まぐさいこととはおよそ縁のとおい、なにか生物にも物質にも共通したほかの原因に、よるものであるのかもしれない」。

    うーん、なんかちょっと「生物学」らしからぬ方向に行きそうな、宇宙的な発言。

    今西進化論の最大の特徴は、次のように、進化というものを、個体とか種とかよりも大きなシステム全体の変化(歴史)としてとらえる視点かもしれない。

    (以下引用)
    「進化といっても、それは三十二億年まえにこの地上にはじめてあらわれた生物の、自己発展でないか。すると、進化の結果、いかに生物の種がふえたところで、もとは一つのものから発展したかぎり、それらの種のすべてをふくんだ生物全体社会というものには、この三十二億年を通じた、一つのシステムとしての自己同一性がなくてはならない。そして、この点だけに着眼したならば、進化というのはわれわれの身体の成長にも比すべき、一つのシステムの成長ではないのか」。
    (引用おわり)

    うーん、なんかこーゆーの好きです。
    でも、こういうのは「自然科学」の分野では異端視されてしまうのだと今西さん自身が語っている。やっぱりなあ。

    ダーウィンの「機械論的」な進化論と違って、今西さんの進化論は、どちらかというと「定向進化説 orthogenesis」といって、生物自体に進化への意志? というか進化する力が内在している、という説(いまでは廃れている、ということになっている)に依っているのだそう。

    ふーん、なかなか面白い。

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