漢字百話 (中公新書 (500))

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著者 : 白川静
  • 中央公論新社 (1978年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005007

漢字百話 (中公新書 (500))の感想・レビュー・書評

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  • 読むのに大変時間がかかった。

    慣れ親しんでいる漢字の中に隠されている謎。

    白川静は「口(サイ)」という発見によって、
    わたしたちが見ていたけれど視えなかった物語を詳らかにする。

    殷の時代の呪術的思考を、
    表意文字である漢字から読み解くさまは、
    ホームズもかくやの推理力で、
    かの時代の生活が眼に浮かぶようである。
    その碩学の前には唯唯敬服するばかり。

    「呪術」というと眉をひそめる人もいるかもわからないが、
    そもそも「ない」ものを「ある」とする思考のことなのであるから、
    例えばおじいさんが亡くなった時に遺体に話しかけたりするのも、
    「愛」という形のないものを信じているからでこれと地続きだと言える。

    もっと言えば「常識」や「国家」なんていうのもそうで、
    吉本隆明風に言えば「共同幻想」なのである。

    わたしはこういう、
    「ない」を「ある」とする思考こそが人間を人間たらしめていると考えている。

    また、
    甲骨文や金文のキッチュな造形に心惹かれるのは、
    岡本太郎的に相通じるものを感じるからかもしれない。

    ふむ。

    もはや本のほぼ全てと言っていいほどの蛍光の黄色。
    これ線引く意味あるのかしらん、なぞと。

    最後に、
    国語問題について考える時、
    語義の体系的な習得という点は、
    伝統的な意味においても合理的な意味においても、
    大いに検討していったほうがよろしいのだろうね。

  • くー。やっぱり大変でした。
    読めたとは言えない、再読前提!

    直前に読んだ松岡正剛『白川静』があったから、補足されて非常に良かった。
    漢字から文化を辿ってゆくことは、自分が今使っている文字を改める機会になる。
    巫女、媚女、蔑むの繋がりや、犬や鳥の扱いなど、なかなかゾクッとさせられる。

    そういえば水戸光圀の圀は、則天武后の時代に作られた文字だったのですね。へー。

    端々に当用漢字についての批判も見られる。
    文語から口語へ、そして漢字制限とローマ字。
    日本って言葉の豊かな国だけれど、だからこそ歴史に流され失われたものも多い。
    多くの人がそれに抗いながら、今がある。
    考えさせられる。

  • [ 内容 ]
    太古の呪術や生活の姿を伝える、漢字の世界。
    厖大な資料考証によって、文字の原始の姿を確かめ、原義を鮮やかに浮かび上がらせる。
    「白川静の世界」入門に絶好の、刺激的な書。

    [ 目次 ]
    1 記号の体系
    2 象徴の方法
    3 古代の宗教
    4 霊の行方
    5 字形学の問題
    6 字音と字義
    7 漢字の歩み
    8 文字と思惟
    9 国字としての漢字
    10 漢字の問題

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • この漢字百話 (中公新書 (500))は新書でありますが、その内容の濃さは最近の軽い新書の比ではありません。内容は深く濃く、そしてとても理性的です。漢字の成り立ち、漢字の意味、そしてその背景にある古代人のドラマを余すところなく凝縮した一冊です。普段何気に使っている漢字の中に、これほどまでの“思い”が詰まっていることに、感動を覚え、漢字の文化圏に生きていることへの感謝と喜び、そしてそれをまた受け継いでいくことの大切さを感じることができます。
     タイトル通り、漢字にまつわる100の物語が収録されていますので、一日一話ずつでもゆっくりと読み進めてみたらいかがでしょうか。

  • 古代中国の文化や、漢字自体に興味がある人には面白いかも。

    漢字を通して、中国の古代文化に触れられるのがうれしいというか、

    熱いwwwwwww

    たとえば、「道」という字の歴史について、

    「他民族の生首を吊るして、道を進む」

    という呪術的な行為から形成されたとか。

  • 漢字は数が多く学習するのが大変なものであるから簡略に、という考えで内閣が出した当用(常用)漢字は古典、他の漢字使用国との文化的切断が問題。そこを埋める本。

  • 漢字のお話。一つ一つを丁寧に的確に説明している。ぱっと開いて読むだけで楽しい。漢字大好き。

  • あとがきが印象深かったです。

  • 内容は面白いのだが思い込みや検証不能な記述も多く、学会では賛否分かれているという。
    漢字の元となる甲骨文字や金文文字の時代の資料はあまり残っていないので、そこまでたどると思い切った説が必要なのだろう。
    読む側としてもその辺を汲んで鵜呑みにせずに読みたい。

  • 「眞」の恐ろしい元意。李白・杜甫・白楽天らの使った漢字の数が約4500文字であるなど。著者の本はおどろおどろしい宗教・呪術の説明が続くのは苦手ではありますが、後半はそういったことから離れて、日本における漢字の問題を取上げているので、後半は読みやすかったです。万葉時代の「思う」「想う」「念う」「懐う」などの意味の違いは微妙なニュアンスを使い分けていたわけで、そういったきめ細かさが失われていくのは、人の心にも影響していくように思います。

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