大帆船時代―快速帆船クリッパー物語 (中公新書 542)

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著者 : 杉浦昭典
  • 中央公論新社 (1979年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005427

大帆船時代―快速帆船クリッパー物語 (中公新書 542)の感想・レビュー・書評

  • 帆船小説の読み始め、特殊用語に右往左往していた頃、この著者の海洋文庫『帆船』(舵社)にはずいぶんお世話になりました。ただ、あちらは淡々とした解説。ところが本書を読んで、「ああ、この著者さんは本当に帆船が好きなんだなあ」と実感。とくにカティ・サークは、まるで命があるかのような描きっぷり。船長も船員も、みな彼女の点景のよう。まだ、ご存命なのか、気になります。
    イラストや巻末の詳細な図も最高です。

  • ●構成
    クリッパー誕生す
    お茶とアヘンと
    ティー・クリッパー・レース
    カティ・サーク物語
    ウール・クリッパーの活躍
    生き続ける帆船たち
    --
     古代から長く人類の歴史上で活躍した船は帆船であろう。19世紀後半に汽船にとって変わられるまで、様々に形や大きさを変えながら、海上の運輸・交通を助け、人類の発展に寄与してきた。この帆船の、究極の進化形と言えるのがクリッパー型帆船である。
     クリッパーは、18世紀末にアメリカのボルチモアで建造されたクリッパー・スクーナーを起源とする。19世紀の50年代から70年代初頭までがクリッパーの黄金時代であり、中国からヨーロッパに茶を運ぶティー・クリッパーとして活躍した。クリッパーの速度や運行日数(特に中国からロンドンへの復路)を競いあうクリッパーレースもこのころが最盛期であった。やがて汽船の発達やスエズ運河の開通により、茶の輸送に関しては汽船の方が短期間で輸送できるためにティー・クリッパーは廃れていった。ティー・クリッパーは、オーストラリアの羊毛をヨーロッパへ運ぶウール・クリッパーに振り返られ、ここでも速度や航海日数が競われたが、最終的には帆船は衰退してゆく。
     本書は、商船であるクリッパーの歴史を、カティ・サークをはじめとした著名なクリッパー船を紹介しながら綴ってゆく。黄金期のクリッパーレースは抜きつ抜かれつのデットヒートであり船員のみならず船主や町の人々まで熱狂したことや、ティー・クリッパーからウール・クリッパーへの転換の過程などにも詳細に触れられており、クリッパーという船についての分かりやすく丁寧な本である。巻末に帆船の基礎知識として各帆船の分類やマスト・ヤードの呼称などの附録が付いているのも嬉しい。

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