理科系の作文技術 (中公新書 624)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121006240

感想・レビュー・書評

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  • 人文系は読め
     6章の日本人論と日本語論は怪しい:特に6.2節.しかし内容は具体的で,有用だ.論文向きに見えるかも知れないが,それ以外の文章にも利用できる.『理科系の作文技術』といふ題名だが,文科系にも活用してほしい.人文科学でまかり通ってゐるやうな文章を書いてほしくないし,読みたくもないのだ;それは飛躍的だったり,ひねくれたり,はったりやこけおどしだったり,思弁的だったりしてゐる文章のことだ.例へば,小林秀雄や吉本隆明などがさういふ風に書いてゐた.
     もっとも,今では古い部分があるので,そこは読まなくてもいい.

  • はっきり言い切る姿勢
    事実と意見の書き分け
    わかりやすく簡素な表現

  • ちょっと難しかったです。

  • 文章は、理路整然・簡潔・一義になるように何度も推敲する

  • 読むのに時間がかかった。初めの方は難しく感じたが、後になって理解が進んでいくと、前半の内容もわかるようになる。

    私はこの本を読んでから、漢字とひらがなの割合を気をつけるようになった。理科系でないし、まだここまでの技術をまとめられる文を書く機会がないので、簡単なところを実践していきたい。

    ここで述べられている技術は作文に限らず、物事を考える多くの場面で活用できると感じた。

  • タイトル通り、理科系の仕事をしている人は必ず読むべき本。特に、「逆茂木型の文章にならないこと」は気をつけるべき点。
    何度も読み返し、また作文を実践し、身につけていきたい。

    元来、「スライド」とはパワーポイントでなく、薄い板を指すことを本書で初めて知った。

  • 2020年11月22日記述

    理科系の作文技術
    木下是雄氏による著作。
    1981年9月25日初版。
    私が持っているのは2017年10月10日83版だ。
    これはもう本書は古典となったと言えると思う。

    木下是雄(きのした・これお)
    1917年(大正6年)東京に生まれる。
    1917年(大正6年)11月16日 - 2014年(平成26年)5月12日
    早稲田大学物理学科教授であった木下一彦は息子。

    1941年東京大学理学部物理学科卒業。
    名古屋大学助教授、学習院大学教授、学習院大学学長を経て学習院大学名誉教授、専攻、物理学、
    2014年逝去。

    本書は野口悠紀雄氏の「超」文章法でも紹介されていた。
    MyNewsJapanの渡邉正裕氏も本書を執筆ノウハウを学ぶ上で読むべき本のひとつに上げている。
    現代でこそ文章をいかに書くかというノウハウは多くある。
    しかし当時はまだ数少なくその意味で本書の与えた影響は今までに至るほぼ全ての文章ノウハウ本に影響を与えていると言って良いと思う。
    ただPCが個人でも使われる時代では無い時代である事、理系でのレポート、論文の書き方(当時の)が中心である為、今の人にとっては必ずしも本書で無くとも書き方が効率的に学ぶ事は出来る事に留意されたい。

    事実と意見を分ける、
    事実の裏打ちのない意見の記述は避ける、
    1つ1つの文は、読者がそこまでに読んだことだけによって理解できるように書く、
    自分のした仕事と他人の仕事の引用とがはっきり区別できるように書く

    一番大切な事はこの辺りという所であろうか。
    一文一意主義、「が」を絶対に使わないようにと指摘する野口悠紀雄氏の注意事項も参考にすれば仕事で使う文章も格段に上達するだろう。
    本を作る上で面倒なので省略されてしまいがちな索引がついている事も野口悠紀雄氏が本書を高く評価した理由であろう。
    力を入れて本書を作った証なのだ。

    他に参考になった部分

    書くことに慣れていない人は、誰が読むのかを考えずに書き始めるきらいがある。
    …読者が誰であり、その読者はどれだけの予備知識をもっているか、またその文書に何を期待し、要求するだろうかを、十分に考慮しなければならない。

    論文は読者に向けて書くべきもので、著者の思いをみたすために書くものではない。
    序論は、読者を最短経路で本論にみちびき入れるようにスーッと書かなければならないのである。
    …著者が迷い歩いた跡などは露いささかも表に出すべきでない。

    日本文学研究者ドナルド・キーン(米国コロンビア大学教授)が次のように言っている。「鮮明でない言葉はフランス語ではない」という言葉があるが、
    日本語の場合、「はっきりした表現は日本語ではない」といえるのではないか。

    原稿をいちど他人に読んでもらって、まちがっているところ、判らないところ、判りにくいところ、そのほか改良を要するところを指摘してもらうことを勧める。
    傍目八目ということばがあるが、実際、自分では当然と思って書いたことがひとりよがりであることを思い知らされたり、思いもよらぬ受け取り方をされギョッとしたり、必ず得るところがある。…読んでもらう人がみつからないときには、原稿をしばらく(できるだけ長い期間)寝かせておいてから読み直すといい。
    忘却が目を新鮮にし。
    アラがよく見えるようにしてくれる。

    飛躍のない記述をすること。
    読者は、論文の主題ならびに
    それに関連するいろいろな研究を、著者のように知り抜いているわけではない。
    著者が「これは書くまでもあるまい」と思って論理の鎖の環を1つ省略すると、読者はついていけないことが多い
    事実と意見をはっきり区別して書くこと。
    特に事実の記述のなかに意見を混入させるな。
    これに似た心得として、論文の中では、自分のした仕事と他人の仕事の引用とがはっきり区別できるように書くことが特に重要である

    まぎれのない文を書くこと。
    理解できるように書くだけでなく、誤解できないように書く心がけが大切だ。

  • 一読して無味乾燥な本だなという印象なんですが、まさにこの本が「理科系の作文技術」によって書かれてるからなんですよね。

  • 人に正しく伝えるための分かりやすい文章の書き方、に、ついて理路整然と書いてあります。文章を書くコツは感情ではなくルールなのだと実感できます。

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著者プロフィール

一九一七年(大正六)、東京に生まれる。四一年、東京大学理学部物理学科卒業。名古屋大学助教授、学習院大学教授をへて、八一年から同学長。学習院大学名誉教授。専攻、物理学。応用物理学会会長、国際光学委員会副会長、言語技術研究会座長などを歴任。著書に『物理の散歩道』(ロゲルギスト名による共著、岩波書店)、『新物理の散歩道』(同共著、中央公論社)、『理科系の作文技術』(中公新書)、『物質の世界』(培風館)、『物理・山・ことば』(新樹社)、『レポートの組み立て方』(ちくま文庫)などがある。

「2018年 『まんがでわかる 理科系の作文技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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