大坂の陣 証言・史上最大の攻防戦 (中公新書 (711))

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007117

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  • 大坂の陣が簡潔にまとめられたドキュメントだが、当時の人々の証言が多く引用されている点が特徴。複雑な心境で合戦に臨む(臨んだ)参加諸将や、大坂贔屓の上方の公家日記など、400年前の世相が垣間見えるようで興味深い。講談調にせず、落城までの推移を客観的に記す文章も良かった。

  • 豊臣家の滅亡を目撃した人々の証言で激動の時代を再現する。関ヶ原合戦から十五年後に起こった大坂の陣により、家康は豊臣家を滅亡させた。この東西の宿命的な対決と、豊臣から徳川への時代の流れを、公家、武士、僧侶、外国人等、当時の人々はいかなる目で見ていたのか。冬の陣が勃発した慶長十九年十月から翌年五月の夏の陣終結までの半年間の攻防を、多くの史料から選び出した目撃者の確かな証言で再現し、軍記物などに基づく俗説を打ち破る、迫真の歴史ドキュメント。(1983年刊)
    ・冬の陣 慶長十九年
      十月  一日 東西の手切れ
      十月  二日 豊臣氏立つ
      十月二十三日 東軍上方に集結
     十一月 十八日 両軍対峙
     十一月 十九日 戦闘開始
     十一月二十六日 激烈なる攻防戦
     十二月二十二日 講話成る
     十二月二十三日 大坂城の堀の埋め立て開始
    ・夏の陣 慶長二十年
     四月二十四日 家康の最後通牒
     五月  六日 決死の城外出撃
     五月  七日 大阪落城
     五月  八日 豊臣家滅亡
     関係略年表
     参考文献
     あとがき

    古典と言っていい本である。今日からみれば見直すべき点もあるかと思うが、手堅く従来説を知ることができる。大坂の陣を知るための良書である。
    冬の陣の講和、東軍出兵の印に惣掘りだけを埋めるという徳川方の申し入れに対し、大坂方がさらに譲歩して「御礼儀」として、二、三之丸の「塀、柵」をも破却することを約束したという史料を紹介している。真偽は不明であるが面白い。

  • とにかく分厚いです。
    でも内容がしっかり+濃いので、時間はかかりますが最後まで面白いです。
    引用の史料名は明記されていませんが、随所に各史料を的確に取り入れてありニヤニヤと^^

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著者プロフィール

二木謙一

一九四〇年東京生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。専門は有職故実・日本中世史。國學院大學教授・文学部長、豊島岡女子学園中学高等学校長・理事長を歴任。現在、國學院大學名誉教授。八五年『中世武家儀礼の研究』でサントリー学芸賞を受賞。NHK大河ドラマの風俗・時代考証は「花の乱」から「軍師官兵衛」まで一四作品を担当。主な著書に『徳川家康』『中世武家の作法』『武家儀礼格式の研究』『時代劇と風俗考証』『戦国武将に学ぶ究極のマネジメント』など。

「2021年 『関ケ原合戦 戦国のいちばん長い日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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