元禄御畳奉行の日記: 尾張藩士の見た浮世 (中公新書 740)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007407

感想・レビュー・書評

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  • 元禄時代の尾張藩士の朝日文左衛門が書いた「鸚鵡籠中記」という日記を紹介。

  • 尾張に居たサラリーマン武士の日記について書かれたものです。
    あとがきにもあったのですが、主家批判をしてたり、幕府批判?をしてたりしたのに、何故か藩でしっかり保存して禁書扱いになってたのが不思議ですね。
    実在の登場人物が、他の資料と合わせてあっていたりしているので、創作にしては微妙ですしね。
    もっとも、書いた本人の役職表記がいろいろ微妙だったりするので、実在の人物を利用した日記風読み物の可能性も。
    なかなかおもしろくて、江戸、特に元禄時代の武士から見た世間を読めます。
    この日記を書いた文左衛門が野次馬根性丸出しだったり、芝居好きとかだったり、うわさ話や心中話、浮気やそういった話も大好きな上に、記録魔っていうのが面白いんでしょうね。
    料理関連で一品一品全部書いてみたり、行かなくてもいいのに死体見に行ったり、酒飲むなって怒られてるのにすぐに酒飲んで吐いてたりと、なんというか楽しいです。
    難点は非常に読みにくいことですかね。
    あとがきにもありましたが、元々が漢文だったり和文だったり当て字だったり言い換えてたりと、暗号文的なのが多かったようで、それをある程度読みやすくしてくれは居ます。
    が、それでも結構読みにくい。江戸時代の文書絡みの特徴的な読みのふりがなが少なかったのがちょっと残念。後の版では良くなってるかもしれませんが(それでも昭和60年の16版読んだのですが)
    なかなかおもしろくて良かったです。

  • 筆まめといおうか、変態といおうか、武士なのに野次馬な人で、なんでも見に行き首を突っ込み日記に記録している。今から見ると当時をしる貴重な資料だが。。食べたものは逐一記録し、自殺や磔と聞けば見に行く。磔の柱の値段まで控えている。

  • 尾張の下級武士朝日文左衛門の元禄時代を中心とした26年間にわたる日記.お勤めは九日に一回しかなく後はお酒を飲んだり,釣りに行ったり,芝居に行ったり,妾に入れこんだりとなかなかお気楽な暮らしぶりが描かれる.これだけならただのおもしろ本なのだが,この朝日文左衛門は好奇心が旺盛で城下でおこった心中や事件などがたくさん書かれていて,この時代の武士や庶民の生活が浮かび上がってくる所がもっとおもしろい.それにしても最後に書かれている元禄バブルがはじけて経済が衰退していく様はとても怖い.ついつい今の日本に重ねてしまう.

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