問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))

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著者 : 安西祐一郎
  • 中央公論社 (1985年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007575

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問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))の感想・レビュー・書評

  • 問題解決という全体像が見えない問題を解決するとっかかりとなる本

    様々な場面で
    問題解決能力の重要性が言われている中で
    問題解決のための方法論をまとめた書籍はたくさんあるが
    どのような心理的プロセスを経て問題解決が
    行われているのかをまとめた書籍は多くない.

    問題解決の心理学は後者の書籍であり
    その内容の性質上
    本を読んだ読者の問題解決能力がすぐに向上するわけではないが
    問題解決への理解は深められるに違いない

  •  遠回しな説明、と思いきや、数個の切り口で人間ならではの問題解決プロセスについて、丁寧に説明していた。たとえや文例が古いのは致し方なしだが、容易に理解できる。最後の「統合」能力、ここに各人で大幅な差があるんだな、としみじみ実感。ここを鍛えたい。

  • セミナーに共感して購入。

  • 結構、古い本なのね。薦められて読んだはいいけど、事例とかが古くて、出版年見てびっくらこいた。
    今読んでも該当するで、すごいというか、あんまり人ってかわっとらんというか...
    やっとこ読んだって感じかな。

  • 人間が問題解決をする際の「思考の仕方」が易しく解説されている。1985年発行の本であるが、書かれていることは定番であるので古くはない。ちなみに現在では、より検証が進んでいる。
    問題解決にあたり、人間は、知識や経験を頼りにせざるを得ない。しかし、それらは興味によるバイアスが避けられず、またそこから使えそうな要点を抽象すること、ましてや応用することは困難だ。逆に言うと、目的に合わせて好きなように加工することができる。
    そのため、トライ&エラーを通し学習し、知識を洗練させれば、「仮説思考」的に処理することができるようになる。
    また、思考の根には、常に感情が働いており、それがエンジン・ブレーキともなることで、より柔軟な思考の源泉ともなる。
    どのような問題を解くか、また何をもって解とするかは、人それぞれである。つまり、人間は、自ら望む目標を作り出すことができるとも言える。その目標を追うということは、新たな目標を生み出し、それぞれを解決していくことを繰り返しながら、望む解へと進んでいくのが人間というものだ。
    どのような解を受入れるかはやはり、人それぞれだ。

  • 問題解決するということへの心の動きを分析した本
    既存の「問題解決」の本と違う視点から、「問題解決」を見ているので非常に面白い
    「目標を自由に作ることができる」ことが「希望」であるという最後の一文に筆者の想いが込められている気がする

  • (1989.01.17読了)(1988.11.02購入)
    人間の時代への発想

  • ぱらぱらつまみ読み。コンピュータサイエンス的なバイアスがかかっていたので、もっとドライな感じの話かと思っていたけど、意外とウェットだった。
    問題解決者としての人間のユニークさは「自由に目標を創り出せる」点にある。計算機がこの壁を乗り越えるのはいつになるだろうか。

  • 1、読後感

    問題を解決する能力というものを客観的に見ることが大切である。
    いままで、このことをつねに心に留めて取り組んでいたが、
    しかし、問題解決を科学するという姿勢は、
    大切なことであると思う。

    いろんな局面に陥ったときに、
    やはり問題をどのようにたてるかが大切になってくる。
    必要なのは、問題解決能力ではなく、問題設定能力にある。
    そして問題認識能力である。

    問題を解決していくための
    プロセスがどうあるべきかも考えるべきである。

    2、人間とは、
    「自分で様々な新しい目標を作り出し、
    それにむかって進むためのすばらしい心理的能力を発揮することができる存在」である。

    問題解決者として、
    (1)目的を果たす。
    「自分の知識や体力の限界と闘いながら、
    死を賭してまでただ一筋、目的を果たすために行動する人間」
    「本当の目的がどこにあるのかも知らぬまま、
    人生の中に新たな目的を見つけだし、それに向かっていく人間」

    (2)心の安らぎを求めて。
    「どうにもならない過去の運命に抵抗するよりは、未知の未来に従う。」

    (3)問題はひとりでは解けない。

    3、<言葉の厳密性が要求されるもの>

    目標ー目的ー願望
    行動ー行為ー行い
    機能ーうごき
    心に浮かぶーあたまに浮かぶ

    4、問題を理解すること→どう状況を正しくつかむか

    (1)目標はどこから生まれてくるのか

    (2)問題をどう表現するのか

    5、問題を解くために必要なこと→考える。 

    目標→手段→状態
    類推的思考→イメージ思考
    論理的思考
    因果的思考                 

    (1)検索→問題解決の基礎
    (2)プラン→未来、現在、そして過去
    (3)方略(問題を解くための方法のこと)→問題を解くための知識と行動

    6、人間が「何のため」に問題を解決しようとするのか?→目的論

    人間がなぜある行動をするのかを研究する動機の心理学

    「動機が過去を決定する。」ヴァンデンベルグ

    7、「記憶とイメージ」

    長い年月の間にゆがめられ、形の変わることはあっても、
    本当に心に留めておきたいこと。
    見る視点の変化は、なぜ起こるのか?

    「自分の野心の実現という目標のために、
    記憶をむしろ自動的に再構成して思い出す。」

    「自分で行う度合いの順度」により、理解力が高まる。 
     状況依存型記憶

    8、発明や発見における「あたため」の時期をどう評価するのか?
     
    「あたため」の現象も、その前の集中的な思索によって、
    自分の目標がはっきりとかたちを整えたのち、
    それを実現するのに都合がよいように記憶の再構成メカニズムが自動的に働く。」

    9、自分では最後にどういう絵ができるかわからないままに、
    というよりそんなことは意識せずに描いていったら、
    気がついてみると絵になっている。

    ピカソは、絵を描き始めるに当たって
    「さて何ができるのかな」と独り言を言っていた。

    10、診断の方法論

    ①少しの情報だけをもとにして、診断のための仮説を断定してたてる。
    ②十分なデ-タが、現在手元に集まっているかどうかを考え、
    もし集まっていなかったら、
    仮説が正しいことの証拠になっるようなデータを集めようとする。

    11、人間は、いかに問題を解決するのか?

    (1)生きて動く記憶→類推的思考力、イメージ想像力、その自立的機能

    (2)原因→結果および手段ー目標の関係でものごとを理解する
      →プラン能力、因果的思考

    (3)「問題を適切に表現する能力」「問題の表現形式を想像する能力」

    (4)知識のダイナミクス

    目的を果たすために新しい知識を身につけ、その知識に基づいて、
    新しい問題に立ち向かうことによって、
    より広く深い知識に変化させていくこと

    (5)問題解決のため自分をどう見るのか?
    自分がどんな人間でどんな適正がある... 続きを読む

  • 問題解決の心理学

  • 20年以上の前の本だが、今も色褪せず、様々な知見を教示してくれた一冊。今年出版の「心と脳」(岩波新書)の安西氏の名著。学校現場で当たり前の様に言われている「問題解決」という概念の原点はココにありと訴えてくる1冊。

  • 初版が1985年と、かなり古い本です。

    問題を解決するにあたって、人間はどのように脳を使っているか。

    認知心理学からふんだんな例を引いて説明しています。

    記憶(経験)から解決策を導き出す方法。
    イメージから解決策を導き出す方法。

    印象に残ったのは、古代ポリネシア人の航海方法。

    星や島の位置関係を的確に心で海図を描き(イメージ)、
    そのイメージをもとに航海をしたためにはるか遠くまで
    航海を続けることができたということ。

    問題を解決するにあたっては記憶からだけのパターンと、
    イメージしていく方法、両方を複雑に組み立てて
    思考をしていく過程がよく分かりました。

  • 問題解決には、人間の6つの要素が必要である。
    それは、生きて働く記憶・原因-結果、および手段-目標の関係によってものごとを理解する能力・問題を適切に表現する能力・知識のダイナミクス・自分を見る機能・感情のコントロール機能である。
    それに加えて、意味敏感性と知識の構造化可能性を6つの機能に重ねて挙げている。

    大変面白いものだった。社会的なことを扱っているのではなく、個人的な機能について扱っているために26年前の文献であるという古さを感じない内容となっていた。謝辞に挙げている波多野誼余夫先生は認知科学の大家であるが、この文献も認知科学に基づくものであり、教育心理学にも関わるものであった。小説における主人公の心理を題材としているため取っつきやすさにも考慮されていると感じた。

  • [ 内容 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 高校2年生/図書館にて
    141ア
    1765

  • 十数年前に読んだものですが,執筆のために再度読みました。原稿に入れるような内容はありませんでした。身体性認知科学の観点からすると,一世代前の記述である感も否めませんが,平易な記述で分かり易いと思います。「生きて働く記憶」「原因―結果と手段―目標の関係による理解」「問題の適切な表現」「知識のダイナミクス」「自分を見る機能」「感情のコントロール機能」が問題解決システムとしての人間を実現させているらしい。ただ,何というか,こういうことを自律的に,自動的に行えるという記述も多々見られ,メカニズムとしての理解は得られません。著者は正直に「いろいろな心理的機能が,実際どのような生物学的条件のもとで,どんなメカニズムとして問題解決のために働くのかについては,今後多くの研究が必要であろう」と述べていますが,問題解決研究に限らず,心理学はこういうことをずっと言い続けてきています。つまり,心理学は目標を達する問題解決に成功していないのではないかという見方も成立するわけです。


     言いかえると,私たち人間は,自分の問題を解くのに都合のよいように,関心のある周囲の世界の「モデル」を心の中に組み立て,それを心の中で変化させてゆくことができるということである。つまり,こうすることによって,私たちは,外の世界にかかわりなく,未来を,そしてどうすれば目的が果たせるのかを,心の中に思い描いて見ることができるのである。(p.82 誰もがモデルを描けるのならば,科学的なモデルとはどういうものであると考えるべきだろうか?)

    つまり,問題解決における思考の大切な役割は,イメージの移ろいやすさを乗り越えて,問題をきっちりと論理的に理解することなのである。(p.108)

     ある問題を適切に表現できるためには,その問題の領域についての知識が必要である。しかし,その知識は問題領域――たとえば物理とか金融とか――に深く関係しているので,知識を得るには,その問題領域での問題解決の経験がたくさん必要になる。つまり,関連した問題を解くことを通して,その問題領域についての知識を得ること,それが,問題を解くために最も適切な表現をつくりだすことへの近道なのである。(p.148)

    表面的にはまったく違ったように見える問題が実は同じ問題だということは,ふだんよくあることである。しかし,まったく違ったように見える問題が実は同じだということを見抜くのは,そんなに簡単ではない。むしろ,この点こそ,問題解決のプロセスの中で一番むずかしい点だとさえ言えるかも知れないのである。(p.151)

     問題解決の経験を通して身につけた知識,それが問題解決のための知識になりうるのだ。(p.184)

     ポパーとローレンツの[知識に対する]考え方は,客観的対象としての知識やその成長のプロセスと,その知識が創られてゆく心理的プロセスという,知識についての二つの異なる側面に光をあてているだけで,互いに矛盾するものではない。ただ,ローレンツも言っているように,知識の客観性や普遍性だけを重視する考え方は,定量化できないことは知識とは言えないとか,みんなが正しいと言っている知識はうのみにしてもかまわないといった見方につながる恐れがあることは,指摘しておいてよいと思う。(p.243)

  • 今日、安西先生の講演を拝聴して参りました。

    JSTの社会技術フォーラムです。

    智・技・絆ってサブタイトルだったけど、
    どうやら安西先生にとっては、85年から言っていることは変わらないみたい。
    すごい人です。
    今の教育再生懇談会のほうが、再生会議より期待できる点を見つけた感じです。
    包括協定もいい相手を選んだんだねぇ。


    コ・モビリティの要素技術開発と全体のネットワーク構築の話が、
    オミックスペース、GSC第2期のミッションにかなり近い。
    その点でなにか企画できないかな。

  • 自分自身の経験に置き換えれば問題は解きやすくなる→当事者意識??
    人間には問題を解くための不思議な力が備わっているんだなぁと実感しました。

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