- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121008046
作品紹介・あらすじ
「蝦夷とはなにか」という問題を含めて、古代東北史の戦後40年間の研究は、質量ともに厖大なものがある。その中で多くの通説や定説が生れたものの、それらは必ずしも厳しい史実検証が行われたものとはいえない。本書は、最近の目覚しい考古学の成果を取り込み、数少ない史料を丹念に検討しなおして、古代史の中でも、最も深い闇の奥底に閉ざされてしまった"まつろわぬ民"蝦夷=古代東北人の実像と、その軌跡の解明を試みる。
感想・レビュー・書評
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「東北地方でも、国家から、俘囚だ夷俘だと、なにかにつけて差別されながらも、律令国家の衰退期に入ったからであろうか、逆に律令国家を食い物にして、さらに発展というか、実力を拡大していくその姿が知られるであろう。」
231頁
蝦夷とは関係ないが、国家は衰退と変貌進化を繰り返すものだということを再認識。 -
「蝦夷とは何か」という問いを手がかりに、記紀に見える様々な蝦夷についての叙述や考古学上の知見、続日本記や日本後紀の記述から、蝦夷の実像を再構成していくことを試みている。古墳時代から平安時代初期頃までの、蝦夷と大和朝廷との関係がいかなるものだったかを通観するうえで非常に役立つと思われる。
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蝦夷についてわかりうる客観的な情報をまとめて、古代東北地方の様子を紹介しようとしている一冊。1986年と古い本なのでその後に解明されたことがわからないのはネックだが、古代東北地方についての書籍や史跡をみる際その理解を助けるのに有用な本。
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(1987.12.01読了)(1987.11.14購入)
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蝦夷 -古代東北人の歴史-
8世紀〜10世紀頃の東北にいた「蝦夷」「毛人」と呼ばれた人たちの生活、生態を紐解く。
亜弖流為(アテルイ)の乱についても言及があり、興味深い。